【観劇レポ】第61回関東高等学校演劇研究大会 三島会場 (高校演劇 関東大会 南会場 2025年度)
第61回 関東高等学校演劇研究大会 南会場(三島会場)の感想です。
初回投稿:2026年01月28日 12時02分
最終更新:2026年01月28日 12時14分
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
| 項目 | データ |
|---|---|
| 名称 | 第61回 関東高等学校演劇研究大会 南会場(三島会場) |
| 日程 | 2026年1月24日(土)25日(日) |
| 会場 | 三島市民文化会館 ゆうゆうホール (静岡県) |
上演演目(観劇したもの)
| 上演順 | 学校名 | タイトル | 作 | 日時 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 浜松望星高等学校(静岡) | パッション・ミッション・ディスカッション | 作:浜松望星高校演劇部 〇 | 1/24 09:50- |
| 2 | 静岡県立駿河総合高等学校(静岡) | ヒトリダケノ | 作:伊作 | 1/24 11:05- |
| 3 | 茨城県立水海道第一高等学校(茨城) | ひとにぎり | 作:小松崎琉凪 〇 | 1/24 12:20- |
| 4 | 新渡戸文化高等学校(東京) | 私たちは何だかズレているのかもしれない。 | 作:新渡戸文化高校演劇部 〇 | 1/24 14:10- |
| 5 | 山梨県立身延高等学校(山梨) | Seasons Of Change(オムニバス演劇「春夏秋冬」より) | 作:スズキユウジ 〇 | 1/24 15:25- |
| 6 | 神奈川大学附属高等学校(神奈川) | ホット・チョコレート | 作:曽我部マコト、潤色:中島智仁・阿部円香・峰野優芽 | 1/24 16:40- |
| 7 | 千葉県立松戸高等学校(千葉) | Happy Days | 作:阿部順 〇 | 1/24 17:55- |
| 8 | 茨城県立下妻第一高等学校(茨城) | エレノア・トレントのタイム・ゴーズ・バイ | 作:冨山望 | 1/25 09:30- |
| 9 | 浅野高等学校(神奈川) | ルール・ブルー | 作:末松充羽 〇 | 1/25 10:45- |
| 10 | 東京都立東村山高等学校(東京) | エンカレ | 作:東村山高校演劇部 〇 | 1/25 12:00- |
| 11 | 市川高等学校(千葉) | 団地くん | 作:山田一彰 〇 | 1/25 13:50- |
| 12 | 星陵高等学校(静岡) | アメイジング・グレイス | 作:畑澤聖悟 | 1/25 15:05- |
| 13 | 北杜市立甲陵高等学校(山梨) | 日のあたる方へ | 作:永田結楓 〇 | 1/25 16:20- |
〇 創作
満足度の記載について
私自身の満足度を、個々の演目ごとに記載します。 「CoRich観てきた」に投稿している個人的な満足度と同じ尺度で表現しますが、大会なので順位が付くため、1点きざみの5点満点では表現できないので、小数点まで細かく書いてます。いつもの尺度との関係は四捨五入を意識しています。
感想(ネタバレあり)
上演順1.浜松望星高等学校(静岡)「パッション・ミッション・ディスカッション」
作:浜松望星高校演劇部 〇
あらすじ(出場校紹介速報紙から引用)
今から数十年後の未来。 パソコンで、AIが教えてくれる授業が当たり前になった世界。とある学校に集められた5人の少年少女たちは修学旅行の説明会に来たはずだったが......
感想
演劇部作なので、おそらく生徒創作の作品。「今川焼」(ワタシ的には)のシーンがとても面白い。最初は「お菓子」の絵が客席からは見えなくて何が起こるのか分からなかったが、5人が5人とも「今川焼」を別々の呼び方をするのに気が付いて思わず笑う。あとで調べて知ったが「ベイクドモチョチョ」は彼女の造語ではなくて、インターネット投票で決められたミーム的な名称なのか…。あの「今川焼」のやり取りだけで50分くらいは劇が成立してしまうように思ったので、AIが教えてくれる世界…というのはちょっと邪魔な設定に思える。「今川焼」のシーンからはじめて論争展開しつつ、修学旅行の設定は回想的に描く方が良いんじゃないかなぁ、なんてことを思った。大会2日目に入ってからも客席で「ベイクドモチョチョ」って会話の声があちこちから聞こえて、言葉の破壊力を感じたり。
満足度
(3.8/5.0点満点)
上演順2.静岡県立駿河総合高等学校(静岡)「ヒトリダケノ」
作:伊作
あらすじ(出場校紹介速報紙から引用)
公園を訪れる人々に「応援団」としてエールを送っている愛架(まなか)。 多くの人々がその応援に勇気づけられる一方、文学好きの少女・文(いと)と出会い、「応援されたくない人もいる」と指摘されてしまう。果たして愛架は本当に人々に「勇気」を届けることができるのだろうか......
感想
既成本のようだが、いろいろ調べて推測するに演劇部の外部講師の方の当て書き作品だと思われる。「勇気を届ける」ド直球な物語なので、正直なところ観ている方にも若干の気恥ずかしさもあるものの、その恥ずかしさを飛び越えさせてくれるストレートな芝居に自然と涙。客が「気恥ずかしぃなぁ」を意識させるとすぐに負けてしまう芝居だと思うが、一人応援団、愛架の淀みないストレートなまなざしがとても印象的。当て書きだろうか・・・一人一人のちょっとステレオタイプで大げさなキャラクターがとても良い。最近、全体的に外国人の演劇部員が増えている印象で、たまに無理な登場のさせ方してて可哀そうだなぁと思うことがあるのだけれど、本作はとても良い登場のさせ方をしていたのも印象に残った。
満足度
(4.2/5.0点満点)
上演順3.茨城県立水海道第一高等学校(茨城)「ひとにぎり」
作:小松崎琉凪 〇
あらすじ(出場校紹介速報紙から引用)
とある田舎の定食屋の一人娘、 さくらとその友人たちが繰り広げる友情の物語。
感想
おそらく生徒創作。田舎の所与性というか、排他的なコミュニティを描いた作品…に見えたが、高校生の友情的なテーマもあったような気もする。一日目が終わった後に知り合いと話していたらかなり評判が良かったけれど、私的には物語に入りこむのに時間を要して上手く咀嚼できなかった。食堂を高校生一人で切り盛りしている…というのだったり、灰色のスエットを着た女性が同世代だと気が付くのに時間がかかったり、日替わりが300円なのはさすがに安すぎやしないか…と思ったり(おにぎり定食だったけれど)。舞台セットがとても緻密なのだけれど、トラブルがあったのか火事で燃えた後の室内に殆ど照明が当たらず見えなかったのが残念。一言も二言も多いおばあちゃん役3人のインパクトがとても強かった。
満足度
(3.8/5.0点満点)
上演順4.新渡戸文化高等学校(東京)「私たちは何だかズレているのかもしれない。」
作:新渡戸文化高校演劇部 〇
あらすじ(出場校紹介速報紙から引用)
学校、部活、人間関係などの、いろんな生徒たちが起こす些細なすれ違いから生まれるお話と、 「過去の自分に言いたいこと」をテーマとした、 過去の自分に向けた手紙のオムニバス形式のストーリーです。
感想
上演スタイルとしては…何年か前の千早高校の上演に似ていて、あえて「千早スタイル」と呼ばせてもらう。それ以前に駒場高校が同じような上演スタイルを作ったらしいので、あるいは駒場スタイルとでもいうのか(私は観ていない)。舞台上に学校の教室で使う椅子を並べて、身近な生活の風景を短い演劇にしていくスタイル。新渡戸文化高校版は、過去の自身に宛てた手紙を読むことで、今の自分と過去の自分を浮かび上がらせていく。今回の大会には上演順10.東村山高校も同様の千早スタイルだったのでこの描き方が定着してきたという事か…(おそるべし千早高校)。自分への手紙を読む、という「肖像画」あるいは「自画像」的なスタイルは良かったけれど、演劇としての洗練度は今一歩といったところ。楽しかったけれどね。
満足度
(3.8/5.0点満点)
上演順5.山梨県立身延高等学校(山梨)「Seasons Of Change(オムニバス演劇「春夏秋冬」より)」
作:スズキユウジ 〇
あらすじ(出場校紹介速報紙から引用)
・・・1分間は60秒。...
・1時間は36,00秒。...
・1日は86,400秒。
・1カ月は2,592,000秒。...
1年は31,104,000秒。
じゃ、3年は? 93,312,000秒。
めくるめく季節めくるめく時間めくるめくミラクルのミクロからマクロへさぁ出発。
感想
最初20分くらいは作品に怒りを覚えた。というのもミュージカル「レント」の曲「Seasons of Love」を利用していて、作中7-8回くらい同曲のカバー曲が流れる。ミュージカル「レント」大ファンの私としては「これ…芝居の持ち味というより、もうレントの良さ、ジョナサン・ラーソンの曲の良さだよね…」という想いがふつふつと湧いてくる。ミュージカル史上に輝くこの曲は高校演劇の舞台ではむしろ劇薬で、しかも都度アレンジの違うものが流れるのも更に劇薬中の劇薬な選曲。正直、他人のふんどしで相撲取っているなぁ…という感覚が強い。身延の四季、を表現しているという事だけれど、身延だけに特有の感覚というのも特になく、単に「四季の表現」と言ってもいいだろう。ラスト。卒業する3人。おそらくこの3人が3年生なのだろうな。ここ数年、毎年関東南大会を観ている私だけれど、身延高校も毎年関東に来ていて、結果的に卒業する3人の演技を毎年関東大会で拝見することとなった。つくしが日向ぼっこをする前半のシーンのリフレイン。3年間連続して観た演者の卒業に立ち会えたことに気が付いて期せずして感無量に。「レント」の歯痒さを少し忘れる事が出来た。
満足度
(4.0/5.0点満点)
上演順6.神奈川大学附属高等学校(神奈川)「ホット・チョコレート」
作:曽我部マコト、潤色:中島智仁・阿部円香・峰野優芽
あらすじ(出場校紹介速報紙から引用)
高校3年生の夏、ミオの親友キッコが大阪に転校することが決まった。 一緒に組んでいたバンドメンバーも続々と進路を決めていく。 引っ越し最終日、 キッコはミオに一枚の紙を渡した。
感想
横浜市中央大会、神奈川県大会で観て3度目。朝8時に三島の駅前の交差点を歩きながら、今日観る作品、何だったかなぁ…と考える。ふとこの作品の事を思い出して、そしてやはり思い出しただけで涙ぐんでいたら、さっそく知り合いの観劇おじさんに遭遇。涙を見られまいと慌ててぬぐったのはここだけの話。この舞台の情景を思い出せばつでも涙が出る…いや、別に泣きたいわけじゃないんだけれど自然と泣いてしまう、私の中で比重の大きい作品になっていて…いや~素晴らしかった。既成本なのにこの座組にピタハマり。とってもとっても微妙な、ひょっとしたら何てことない感情だと見過ごしてしまうものを、ものの見事にすくいとっていた。神奈川県大会の後『CDから流れる「抱きしめあって」と、ラストで流れる同曲、歌っている人が違う』という噂を聞いたけれど…CDで歌っているのはサキ?(役名あやふやですみません。いつもヘッドフォン首にかけている子)で、ラストで歌っているのはミオだと思ったが…勝手な勘違いかもしれない。物語後半、客席の水を打ったような静けさが今回も印象的。キッコがリカに凄むところの静寂は特に凄かった。
満足度
(4.8/5.0点満点)
上演順7.千葉県立松戸高等学校(千葉)「Happy Days」
作:阿部順 〇
あらすじ(出場校紹介速報紙から引用)
戦時中にタイムスリップした穂積彩香が、 ひいおばあちゃんである穂積千代の手記を元に、 彼女が生きた世界を追体験していく物語です。 タイムスリップした先では、彼女を含めた演劇部員が “外国物”の“恋愛物” ができるのでしょうか。
感想
千葉県大会で観て2度目。演劇部の基礎力・総合力の高さは言うまでもなく凄い。それにもかかわらず千葉県大会では感情が動かず困ったけれど、関東大会では感情が少しだけ動いた。悪くない作品だよなと思った。
ただ、誤解を恐れずに言うならは、作者の自意識みたいなものが見え隠れして、一定量の感動はするのだけれどそれ以上の気持ちが沸かないんだよなぁというのを同時に思った。高校演劇の観劇に慣れるにしたがいいろいろなことを見聞きして知りすぎて、私が高校演劇を演劇作品として楽しめなくなっているのだろうなぁ、とも。高校演劇を語るときの禁句…「高校生らしさ」を、実は最も欠いている作品なのだろうな、と思い。
満足度
(4.0/5.0点満点)
上演順8.茨城県立下妻第一高等学校(茨城)「エレノア・トレントのタイム・ゴーズ・バイ」
作:冨山望
あらすじ(出場校紹介速報紙から引用)
砂浜に来ると、目の前にはずーっと海が広がっています。 でも砂浜には誰もいません。私はここにいます。一明日も、たぶんこの先も。
感想
途中から「俺とんでもないものを観ていないか?」という自問が沸々と湧いてきた。戦争への抗議…特に最近はパレスチナ問題・ウクライナ問題への抗議の作品が多い中、それより更に高次元にいくものを観させられている事に途中で気が付く。「感動」とはちょっと違う感情なのだけれど、最後のシーンで止めどなく涙が流れた。
表現は、結局のところ「消費」されるものだ。「面白い、感動した、笑った、泣いた」と言って、観ている観客は消費する。それを日常にしている我々だけれど。戦争を演劇で描くと、それはある種他人の不幸を消費することにもなる。劇中で出てくる、戦時下に書かれた「エレノア・トレント」の日記を基にすれば、日記からその人の人生を消費することに他ならない。…この感想を書いている時点では、エレノア・トレントの日記というのが実在するのか架空のものなのか…までを調べ上げる事が出来なかったのだけれど。戦争を消費する事に対して、気持ちの中に大きなひっかき傷を残してきた作品だった。
ボスニア紛争の時にNHKが取り上げた「War Diary」っていうWebサイトを思い出す(以前の別の作品の感想でも書いたのだが)。お互いがお互いを「想像」することが出来れば、例え物語の「消費」することだとしても、よりよい世界になる糧になると信じたい。そんな自分の感情に気が付かされる。
満足度
(4.7/5.0点満点)
上演順9.浅野高等学校(神奈川)「ルール・ブルー」
作:末松充羽 〇
あらすじ(出場校紹介速報紙から引用)
世界的企業の傘下にある特殊な環境下にある男子校の話。 勉強と部活と音楽に邁進するストイックな一条と青春を追い求め続ける四谷を中心に、 構造化された青春と体制に疑問を持って、走り続ける男たちのリアルを見届けてください!
感想
横浜市中央大会、神奈川県大会で観て3度目。中央大会の時はそれ程良いと思わなかったのだけれど、県太会で全く逆のことを感じた作品。客席の女子のウケが凄い。隣の席は高校生女子二人組だったのだが、劇中も終演後もキャーキャーうるさく騒いでいる(笑)。テーマ的なものは市の中央大会からそれ程進化した感覚は無いけれど、客席の取り込み方が半端なく凄い。男子校パワー。客席との一体感も含めて観ていて楽しい作品だった。
満足度
(4.7/5.0点満点)
上演順10.東京都立東村山高等学校(東京)「エンカレ」
作:東村山高校演劇部 〇
あらすじ(出場校紹介速報紙から引用)
あらすじは特にありません。 実話に基づき、私たちの学校生活を劇化しました。
感想
上演順4.の新渡戸文化高校の感想にも書いたが、演劇としては「千早スタイル」とでも呼べる作品。「エンカレッジスクール」、学び直し学習を主軸にした高校の日常を、短い絵劇で描いてつなげた作品。実際に都立東村山高校はエンカレッジスクールで、自身の日常を描いている。高校入試の事や進路のこと、近隣のお店からはすぐに出入り禁止を食らってしまうことなど、自虐が過ぎて演じている側が痛さを感じないかなぁ…なんてことは心配になったけれど。でも演劇としてとても楽しかった。ニコニコしつつ時に爆笑しながら観ていた。
観劇前に知り合いと話した際、「今年は千早高校は都大会止まりで別の高校が千早スタイルで関東に来ているらしい…しかも顧問?コーチ?の方が元々千早高校に関わっていた方らしい」…という情報を事前に得ていたが…。まさか、千早高校を追い抜いて関東に出場しちゃった事を、演劇の内容として乗っけてくるとは…。演劇の創作に当たって、千早高校の稽古を見学したりもしたらしい。しかも「もう3年は引退のはずなのに、関東大会出るっんすか、俺ら」みたいな、ユルいダルいトークが何とも言えない現実味で面白すぎる。もし春フェスまで勝ち進んだら君らまだ引退できないんだぞ…なんて思いつつ、ぜひ春フェスまで進んで頂きたいと、ちょっとイジワルな事を思ってしまった(笑)。
満足度
(4.5/5.0点満点)
上演順11.市川高等学校(千葉)「団地くん」
作:山田一彰 〇
あらすじ(出場校紹介速報紙から引用)
小さい頃に見えていたお友達が、今は見えなくなりました。 見えなくなって久しく経って、見えないことも気にしなくなって。 私たちは、 随分とたくさんの忘却をしながら暮らしているのかもしれません。そんな忘却たちに抗うお話。
「市川学園が送る、「ハイパーノスタルジックエンターテイメント!!!」いざ! 開演!!
感想
千葉県大会でも観て二度目。2025年の観劇ベスト16にも選んでいる作品。二度目観れた。二度目はもう少し冷静に観れるかなぁと思っていたが無理だった。痴呆で記憶を無くした"くそばばあ"が、セーラ服の女学生になって団地くんとワルツを踊るところで、客席は爆笑しているのだけれど思いっきり泣いてしまった。戯画的にデフォルメされた世界観の馬鹿馬鹿しい面白さと、それと同時に描いてるテーマか儚すぎる。昨年の「ばれ☆ぎゃる」もそうだが、なんてものを魅せてくれるんだ…市川高校。大好き。リアカーで登場する"ころな"の車輪に、千葉県大会では(記憶ではおそらく)なかった、団地くんのエンブレムが追加されていた気がする。KISSっぽい。デーモン小暮閣下っぽいやつ。あれ大好き。
満足度
(4.9/5.0点満点)
上演順12.星陵高等学校(静岡)「アメイジング・グレイス」
作:畑澤聖悟
あらすじ(出場校紹介速報紙から引用)
トモカは人間の女の子ですが、 お父さんの仕事の都合で鬼ヶ島にある学校に転校してきます。仲良くなろうとがんばるトモカでしたが、 同級生の鬼たちからは冷たく扱われてしまいます。 実は、鬼と人間との間には、呪わしい過去があったのです。 トモカは過去の歴史を乗り越え、鬼たちと友だちになることができるのでしょうか。
感想
「アメイジング・グレイス」自体は初めてだが、この作品を基にしている「あの子と空を見上げる」を昨年新国立劇場で観ている。もと作品との比較ができたが、基本お話の骨格は変わっていない。「あの子と空を見上げる」は、パレスチナ問題などとの隠喩の対比をはっきりさせたもの、と取れるかもしれない。やはりこのお話は怖いというか…ものすごく色々な思考を迫ってくる。観ていて涙せずにはいられなかった。ホリゾントの使い方がとても綺麗で印象的だったのと、途中「桃太郎」の話を寸劇にするシーンが全部英語で演じられていたのが気になった。元の脚本もそうなのかな…と知り合いに聞いてみたところ、たぶん元脚本は違う、とのこと(詳細は未確認)。出演者の方に外国の方?英語が母語の方?がいたように思うので、それに合わせたのかな…と勝手想像。だとすると、とてもお洒落な変え方をしたな、と思う。
満足度
(4.7/5.0点満点)
上演順13.北杜市立甲陵高等学校(山梨)「日のあたる方へ」
作:永田結楓 〇
あらすじ(出場校紹介速報紙から引用)
昭和初期。 山梨県明野の地に、一人の女性が降り立った。日く、「上の学校にいけないこのために、学校を作りたい。」と。 価値観の壁に拒まれようとも、時代の波にのまれようとも、彼女の志には一点の曇りもない。 日本の片隅、小さな場所で、人々は日の当たる方へ歩いてゆく。
感想
生徒創作。理想に燃え芯の強い女性が、田舎の町で学校…私塾を作る。とつとつととつとつと歴史を語り上げていく作品。最後まで観終わった後の感触として、果たして史実なのだろうか…という疑問がわいてくる。もし史実だとすると、現実と虚構との交差が弱いと感じるが、今感想を書きながら片手間に調べてみても実際に「明野義塾」あるいは「明野塾」というのは見つけられない。出場校紹介速報紙の記載からしても、完全な架空からの創作なのかもしれない。全て虚構にしては、随分と現実感のある感触の生徒創作だとは思う。…ただ観終わった後にここまで分析してその背景にたどり着いたので、観ている最中に観客に伝える「演劇的なもの」がちょっと不足している印象。客はどうしても何らかの答えを求めて作品を観てしまうので、答えを与えるにしても与えないにしても、その場で何らかの余地や余白を与えて魅せる事が必要なのかなぁと思う。主役の坂巻先生の立ち姿が綺麗。どこかメリー・ポピンズみたいだなぁと思い。
満足度
(4.0/5.0点満点)
審査結果
北大会の結果が出たら掲載します。
過去の観劇
- 2025年11月28日 第78回 千葉県高等学校演劇研究中央発表会(高校演劇 千葉県 県大会 2025年)
- 2025年11月22日 第64回 神奈川県高等学校演劇発表会(高校演劇 神奈川県大会)
- 2025年10月25日 第62回 横浜市高等学校演劇発表会(高校演劇 神奈川県横浜市 中央大会)
- 2025年08月23日 第36回全国高等学校総合文化祭優秀校東京公演(演劇)
- 2025年01月13日 第60回関東高等学校演劇研究大会
- 2024年11月16日 第63回 神奈川県高等学校演劇発表会(高校演劇 神奈川県大会)
- 2024年10月27日 第61回 横浜市高等学校演劇発表会 中央大会 ・・・「#高校演劇」のつづき










































