<観劇レポート>「欠点」 「2作目が書けない。」

#芝居,#「欠点」

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 「欠点」「2作目が書けない。」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名「欠点」
「欠点」第二回本公演
2作目が書けない。
脚本赤田耕哉
演出赤田耕哉
日時場所2020/09/24(木)~2020/09/27(日)
シアター711(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

「愛すべきあなたの欠点」をコンセプトに、
主催 赤田耕哉、三宅彗太、安田和史の3人で令和元年に立ち上げた劇団。
様々な欠点を抱える現代の人々と、それ以上に欠点を抱える、いや、むしろ汚点を抱える私たちが芝居を通じて
「どうしたら明日が楽しみになるか」について共に考えていく。

「欠点」

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

一人の新人作家が、作家を辞めると決意した。
なぜなら、2作目が書けないからだ。

プレッシャー、不安、期待、希望。
続けたいのに辞める人、
心が折れて辞める人、
心が折れても続ける人、
まだ心が折れてない人。

芸術に押しつぶされそうになる瞬間ってない?

これは、やめる勇気と続ける勇気の話。

「で、次回作は?」

観劇のきっかけ

タイトルを見て、面白そうだと思ったからです。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2020年9月25日
14時30分〜
上演時間100分(途中休憩なし)
価格3500円 全席指定 当日指定される

チケット購入方法

CoRichの公演サイトから、チケットを予約しました。
当日現金で、前売り料金を支払いました。

客層・客席の様子

男女比は3:7くらい。いろいろな年齢層の方がいましたが、若い方が多い客席でした。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事ができる芝居です。

芝居を表すキーワード
・会話劇
・青春

観た直後のtweet

映像化の情報

情報はありません。

満足度

★★★★★
★★★★★

(3/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーは事前案内の通りだが、少し細かく書いておくと。
脚本家養成の専門学校で仲良くなった5人組は、いつも学校の空き教室でマージャンしている。主人公に彼女ができたのをきっかけに、脚本コンペの作品にのめり込んでいく。そんな折、仲間達に変化が。1人は才能に限界を感じて、1人は実家の母が体調が悪くなり、1人はデザインの才能の方が周りに認められ、・・・と一人ひとり、脚本を書くのをやめていく。のめり込んだ主人公は、コンペで賞を取るが、次に何を書くのか分からなくなってしまう。マージャン仲間達の部屋に戻っても誰もいない。そんな中の寂しさを描く・・・と、まとめるとこんなお話。

作・演出・主演の役者が同じ人。劇団の公演も2回目で、「2作目が書けない。」。大方、自伝的な要素を含んでいるお話と捉えてよいだろうと思うし、そう捉えて欲しい意思のようなものも感じる。私のような、40歳を過ぎたオジサンが観たから、そう感じたのだろうか。テーマ全体の描き方が、若いというか、青いというか、青臭さに、どっぷりと漬かった作品のように思った。

気が付かずにそうしているのか、意図的にそうしているのか、判然としなかったが、複数の問題(障壁)を混同して扱っているような物語に感じた事。1つ目のテーマ。同じ夢を持った仲間が、人生の様々な事情の中で、別の道を歩かざるを得なくなる話。2つ目のテーマ。主人公の作品が世に評価された後、その後に表現すべきことが何なのか、分からなくなってしまう、というテーマ。それぞれのテーマは、それなりに共感できるのだけれど、繋がりというか、並列に語る意味みたいなのが、私にはとても掴みにくかった。賞を取って後、脚本書きを続けるか迷う作者は、かつての仲間に電話したりする。そこで、贖罪なり、逆に励ましの言葉をもらったり。一見つながっていそうで、実はあまり関連していない感情のように感じる。どうしてそういう話になるのかな、というのが純粋に疑問だった。

自伝的な要素が強い作品・・・という推測が正しいとすると。つながらない2つのテーマを前に、今まさに混乱している中にいて、その混乱を表現したい、という風にも見て取れる。その混乱は整理されていないので、必然的に「若く」「青く」見えてしまうのかもしれない。加えて、作品全体として、登場人物が「他人からの評価」を、どこか気にしている群像、のように映る。表現を描いているにもかかわらず、「評価」を気にしている群像が、40代の私には「青い」という風に感じてしまう所以なのかもしれない・・・なんて事を思った。

あと、これは私の好みだけれど・・・「優しい人が脚本を書くべき」みたいなセリフが、とても、引っかかった。私とは、感覚が全く逆だったから。脚本家。日常生活ではとことん人を傷つけて、生活人としては失格。大酒飲み。でも、脚本の中だけは素晴らしく、観客の世界を愛でる。そんな悪魔のような作家の方が、私自身は愛せるかなぁ、と思い。


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