アガリスクエンターテイメント「わが家の最終的解決」きわどい題材を逆手にとるシチュエーションコメディの傑作!

【ネタバレ、分離しています】
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どもっ\(´▽`*)。てっくぱぱです。昨日観た芝居の感想です。


公演前情報

公演・観劇データ

アガリスクエンターテイメント 第26回公演
「わが家の最終的解決」(再演)
脚本・演出 冨坂友
2019/01/25 (金) ~ 2019/01/29 (火) 恵比寿・エコー劇場

観劇した日時 2019年1月28日 14時00分〜
上演時間 170分(一幕85 休10 二幕75)
Corich満足度 ★★★★☆(4/5点満点)

客席の様子・観劇初心者の方へ

客席、いろんな世代の方がいて…特徴が掴めませんでした。男性一人も多かったです。
座席のしっかりした劇場ですので、初心者でもゆっくり観劇出来ます。

アガリスクエンターテイメント?

劇団ホームページには、こんな説明がありました。

アガリスクエンターテイメントとは
屁理屈シチュエーションコメディ劇団。
一つの場所で巻き起こる事件や状況で笑わせる喜劇、シチュエーションコメディを得意としており、最近では大勢の人物がごちゃごちゃ理屈をこねたり議論をするコメディを作っている。
王道でウェルメイドなコメディを独自の理論で一捻り二捻りした作品が多いが、そんな中でも“劇場でウケること”を重視して創作している。
母体が存在せず、千葉県市川市の公民館で自然発生した野良劇団であるが、主宰の冨坂のルーツである千葉県立国府台高校を題材にした作品が多く、代表作の「ナイゲン」は各地の高校・大学の演劇部や劇団で上演されている。
演劇公演以外にも、コントライブの開催やFLASHアニメーションの製作などを手がけるなど、活動範囲は多岐にわたる。また、隔月程度の頻度で新宿シアター・ミラクルにて開かれる「演劇」×「笑い」のコントライブシリーズ、新宿コントレックスを主催する。
「アガリスクエンターテイメント」及び「Aga-risk Entertainment」が正規表記。「アガリクス」では無い。

との事。自然発生した劇団っていう表現が面白いですね。CoRichの投票上位だったり、受賞歴もある劇団。観劇のきっかけは、チラシからだったのですが、説明を読んでいると、団体にも興味がわいてきました。

事前に分かるストーリーは?

劇団サイトやパンフレットにはこう書いてありました。

2016年にしむじゃっくPresentsとして上演し連日満席のスマッシュヒット、その後にSOLIDSTARのプロデュース公演としても上演された本作を、本家が満を持してリメイク&再演決定!
ブラックで温かく、残酷で笑えるホームコメディが再び!

1942年、オランダ・アムステルダム。
ドイツから来た男女が幸せそうに暮らしている。
誰もが羨む若い二人。
しかし、彼は周りに隠していた。恋人がユダヤ人であることを。
そして、彼は恋人に隠していた。自分がゲシュタポであることを。

という事ですが。
どこがコメディなのか、このストーリーからではまったくわかりません。これは、まずは観るのみ、です。終演日近くに観に行くことにしましたが、ツイッターに流れている評判はかなり好評でした。

ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーは、事前のパンフレット通り。当日パフレットに「シチュエーションコメディ」の魅力を語るほどの、正統派。
時は1942年オランダ・アムステルダム。ゲシュタポ(ドイツ秘密警察)の男ハンスは、なぜかユダヤ人の恋人を部屋に隠している。「アンネの日記」のような、本棚の後ろに隠し部屋があるタイプの部屋に隠れているエマ。しかも、彼は自分が秘密警察であることも、彼女に隠している。信頼置ける執事、お隣さん夫婦。エマの両親と幼馴染。秘密警察の同僚。姉夫婦。エマの本を出版したいと言っている編集者。部屋の大家さん。秘密警察のボスなど、いろんな人が次から次に出てきて、この二つの秘密を守ろうとする、、、というコメディ。

シチュエーションコメディなので、あまりストーリーを説明することに意味はないものの、この「きわどい設定」でコメディをやってのけるのが凄い。コメディは、「感覚のズレ」をの楽しむもの。「ズレ」をリアルに舞台に再現するためには、ズレている理由を描写することが不可欠だが「ゲシュタポに見つかったらヤバイ」と「自分がゲシュタポだとバレたらヤバい」っていう、誰が観てもヤバい決定的な制約をいきなり持ち込んで、ズレを表現していく。コメディは、この「制約事項」をどう表現するかにかかっている。古くは「おかしな二人」なら、気の合わないヤツと二人暮らししなければならないという状況だし、テレビドラマの「アルフ」なら、「毛むくじゃらの宇宙人をかくまう」という状況。この作品での「ユダヤ人をかくまう」と「僕はゲシュタポ」の二面を持ってくるなんて、この設定を考えた人、天才的なんじゃないかな、と思った。

途中、収容所の話など、ナチスドイツに関する、きわどい話も登場する。これ笑ってもいいのかな、という想いがなかったわけでもないけれど。人類の大愚行とも言える、ナチス・ドイツの話。愚かさを笑い飛ばすという意味ではもってこいの素材。出演者たちが、その時代背景を、割と大真面目に、しかもコメディのツボは外さずに間抜けに表現しているので「愚行を笑い飛ばす」方向に持って行ける。ナチス・ドイツの問題は、客としてはちよっとしたきっかけで、深刻に捉えてしまう可能性があるので、「笑い」の方向に上手く誘導するバランス感覚も素晴らしかった。

かなりの人数が登場する芝居だが、一人一人の役の描写がものすごく丁寧。また、役者さんもその役を、不自然にならない範囲での時代背景も織り込んでいて、3時間ほどの舞台に全く飽きることがなかった。

斉藤コータ、ちょっとセリフ噛みがちだったけれど、清々しくて好演。どこかで見たな、と思ったけれど、らまのだの「明日まで内緒にしておく」に出ていた。確か予備校中退して、浄水器売っている役だった気が。執事役の矢吹ジャンプが好きだったなぁ。ドイツ人なのに太っているって・・・すごいギャグだなぁ。

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チラシの裏
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舞台