<観劇レポート>TEAM 6g「YELL!」

【ネタバレ分離】
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観た芝居の感想です。

公演前情報

公演・観劇データ

団体名 TEAM 6g
YELL!
脚本 阿南敦子、来住野潤一(せんぱい)
演出 TEAM 6g
日時場所 2019/05/22 (水) ~ 2019/05/26 (日)-シアターグリーン BOX in BOX THEATER

TEAM 6g?

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

役者が楽しめる芝居を演じたい!ご来場下さる誰もが喜んでもらえる芝居を見せたい!そんな思いを持った4人の役者と2人のスタッフで結成された演劇集団「TEAM 6g」。
2007年秋、更なるステップアップを目指し、「東京セレソンデラックス」を退団した阿南敦子・吉成浩一・竹森りさにフリーの役者、万田祐介が合流。
4回の公演を経て、2018年現在、阿南敦子と吉成浩一、プロデューサーよしださとしで活動中。

TEAM 6g OFFICIAL HOME PAGE

事前に分かるストーリーは?

再演作品のようです。チラシに、上演経緯のような記載があるのですが、テキストに起こされているものがありませんでした。
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観劇のきっかけ

チラシを観て興味を持っての観劇です。

ネタバレしない程度の情報

上演時間・チケット価格・満足度

観劇した日時 2019年5月23日 14時00分〜
座席 全席指定
上演時間 135分(途中休憩なし)
個人的な満足度
CoRichに投稿
★★★★★(5/5点満点)

客席の様子

マチネ公演を観た事もあり、シニアな女性層が多かったです。男性は私と同じくらい40代が多かったかな。

観劇初心者の方へ

観劇初心者の方でも安心して観られる舞台です。むしろ、観劇初心者に、舞台の素晴らしさを知ってもらうには、もってこいの舞台です。

観劇直後のtweet




ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

東京に出てミュージシャンを目指す「息子」が、借金を背負って、そして死神も背負って、実家の田舎の蕎麦屋に帰ってくる。そこでは、村をダムにするための地質調査が始まって大騒ぎ。村人は何とか回避しようと、蕎麦屋で村おこし会議。そこに息子が加わることで、少しずつ人間関係が変化して…飛び出して夜行のバスで東京へ帰る息子。そのバスが事故をを起こし、飛び出た瞬間が、息子と周りの人とのお別れになる。・・・そんな「息子と父」「一人の人間の、人との別れ」の話をベースに、人の絆を表現した作品・・・と、まとめるといつもの通りだが、強引過ぎる感じ。

もう、何から書けばいいのか混乱してしまうくらい良い作品だったので、戸惑っている。作品を観ながらの、感情の流れを書いてみる。

作品には、自称「死神」が出てくるが、この「死後の世界との関わり」が、過去の名作と言われる作品を下敷きにしているな・・・と感じる部分が多いこと。映画「ゴースト ニューヨークの幻」の、生きている人に逢いに行く。三谷幸喜の「天国から北へ3キロ」の、天国に行く前の人と、大阪弁の天使。ワイルダー「わが町」の、人生の素晴らしさに気が付くエミリーと舞台監督・・・などなど。死ぬ直前に出てくる「死神」とか「天使」とか、こんな設定は過去から何度も出てきて語りつくされているから、どの作品を下敷きに、という特定が出来る訳ではないものの。なんとなく、あ、何処かで観たことがある話だ、という親近感のようなものを感じつつ。

ビックリしたのは、その「死神・天使」もの(とあえて総称する)の影が、途中まで殆ど見えなかったこと。冒頭でコートっぽい服を着た男は、「息子」の事を監視する事になったと言い出すが、それが「借金取り関連」なのか、デスノートを読む「死神」なのか、どちらとも受け取れて、曖昧なまま進んでいく(そういえば過去の名作に「デスノート」を出し忘れた…意図的に(笑))。進んでいく会話劇は、なんとなく「劇団MONO」っぽい。丁寧な会話劇で、村が今ダムの底に沈む危機にある、という事と、絆みたいなものを語っていく。途中、明確な伏線と(「村長が明らかに変」「幼馴染が実は結婚する」)、どこか「アレっ」という伏線を密かに織り交ぜつつ、しかし淡々と進む会話劇。この会話劇自体も、かなりグイグイと引き込まれる。

ここまで観たところで、舞台セットの抽象度合いが物凄く気になる。「蕎麦屋」を中心にした会話劇なら、もっと具体化したセットの方がいいんじゃないか、と。そんな事を考えながら観ていると、物語の「序破急」の「破」。息子の死で、物語が炸裂。突如、饒舌に大阪弁でしゃべる「死神」が物語を加速させていく(やはりどう見ても「天国から北へ三キロ」(粟根まこと)を想像してしまうが)。

「早送り」のシーン、ペンギン歩きと「アレっ」の伏線の回収によじれるように笑い。息子の人々との対話にならない対話を経て、「死神」から明かされる「息子」の真実。そして、息子の行動。このあたりを観ていると、舞台セットが抽象なのも納得で、なんだか「死神」がワイルダーの「わが町」の舞台監督に見えてくる。「息子」の実の母親の、辛い真実。…その設定にちょっとビックリするのだが。…私の知り合いに、若いころ産んだ子供を養護施設に預けて、大人になるまで会えなかった人がいるので、そんなシチュエーションも、「いつかフラッと逢いに来るんじゃないかと思って」という言葉にも共感しつつ。「父の夢に出れたら、素直に上に行くか?」と交渉する「死神」は、やはり「天国から・・・」の天使に見え。そして、三度目の「父との最後のシーン」。これを、涙流さずに観れる人がいるのだろうか、と思うくらい、シコタマ泣いてしまった。

ここまで書き連ねて、冷静に思い返してみると。

割とオーソドックスな「父と子」の物語、オーソドックスな風前の灯の過疎の町の話、そしてオーソドックスな「死神・天使」の話、なのだろう、と思う。割とオーソドックスであるはずな芝居が、役者さんの演技に裏付けられているからこそ、の面白さなんだろうな。

・・・と、支離滅裂な感想だな。もう少し時を置いてみないと、ちゃんとした感想にはならなそうだ。また書くことにトライしてみようと思う。

ところで、「死神」は本当に死神だったのか。セリフの細かいところを覚えていないので、「死神」と断定できるのかもしれないけれど・・・やはり私には、彼は大阪弁の「天使」にしか見えない。役名も「謎の男」となっているし。

役者さん。書き出すと止まらないので・・・。火山功士、何処かでみたことあるな…と思ったら、「劇団やりたかった」に出られていた方。くねくねした感じが好き。

「今年のベスト芝居」の一本となりそう。

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