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<観劇レポート>劇団青年座研究所「ブンナよ、木からおりてこい」

#芝居,#青年座,#青年座研究所

【ネタバレ分離】

観た芝居の感想です。

公演前情報

公演・観劇データ

団体名劇団青年座研究所
本科45期 実習公演
ブンナよ、木からおりてこい
キャストBキャスト
脚本水上 勉
演出黒岩 亮
日時場所川崎市アートセンター​アルテリオ小劇場
2020年2月22日~25日

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

「創作劇の上演」を趣意書に謳い森塚敏、東恵美子ら10人の俳優たちによって1954年に結成された劇団青年座。
その養成機関として1975年に創立した劇団青年座研究所は、これまでに1000人を超える卒業生を演劇界・芸能界に送り出してきました。

その特徴は充実したカリキュラムと多彩な講師陣にあると言えます。
基礎的な身体訓練から実践的な俳優訓練まで、経験豊かな講師陣があなたの中にある俳優としての才能を導き、舞台、映像の現場で活躍できる人材の育成を目指します。
劇団青年座研究所では青年座や演劇界を背負って立つ若い力、新しい感性と強い意志を持つ俳優志望者を募集しています!

ホーム | seinenzalabo

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

卜ノサマ蛙の子のブンナは、ある日、新しい世界を目指して椎の木のてっぺんに登ります。しかし、天国だと思っていたそこは、こわい鳶(とんび)のえさ蔵だったのです。弱肉強食の自然界で壮絶な「生きるための戦い」を繰り広げる小動物たち。

観劇のきっかけ

某、温泉施設。(私は、日帰り温泉)
ロビーのくつろぎスペース。旅行パンフレットとか、遊覧船の割引券とかが、たくさん置いてある。

・・・に紛れて、1枚だけペロ~ンと、公演のチラシと、手書きの手紙が。
まさかそんな所に、演劇のチラシがあるなんて。夢にも思わず、なので、かなり驚き。
目に見えぬ神のお告げ、「お前、芝居好きだろ。観に行きなさい」を受けた、としか思えず。
観に行くことにしました。
しかし、何故あんなところに、1枚だけ、手紙付きで置いてあったんだろう。
役者さんのバイト先かな。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

観劇日時2020年2月24日
18時00分〜
上演時間140分(65分-休み15分-60分)
価格2000円 全席自由

チケット購入方法

劇団事務所に電話をして、予約しました。(ネットでの予約方法はありませんでした。)

客層・客席の様子

男女比は3:7くらい。若い方と、シニアな方が多め。養成所の公演ですので、出演者の友達と、家族が多かったのではないかと思います。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・会話劇
・シリアス
・考えさせる

観た直後のtweet

映像化の情報

情報はありません。

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

上記のちょっとひょんな理由と、青年座の代表作「ブンナよ、木からおりてこい」ってどんな話だろう、という長年の疑問もあり、観劇。観た事ないわりに、学校に来る演劇鑑賞会(学校全体で体育館や公会堂で観るやつ)で上演されている、という印象が強い。調べてみると、初演は、1978年との事。基は、水上勉の童話を、青年座が舞台化したもの。ストーリーを、自分なりに簡単にまとめておく。

ブンナはトノサマガエル。もっと広い世界を見たいというブンナは、仲間や老ガエルの言いつけも聞かずに、シイの木に登った。そこは、トンビの餌置き場。捕ってきた餌・・・生きた動物を置いておいて、弱らせる場所だ。そこには木のへこみの穴があり、土もあったので、とりあえず土の中に隠れる事が出来る。そこに連れてこられたのは、いずれトンビの餌になる雀や、百舌鳥、ヘビ、ねずみ、牛蛙、つぐみなどが次々と連れてこられる。わざと致命傷を与えずに、食べ物を食べれないようにして弱らせているのだ。ブンナは、そこで繰り広げられる会話を聴いているうちに、母がヘビに食われて死んだ過程を思い出したりもしながら、命がめぐり巡っている事、意味のある命とはどういうものなのか、という事を悟っていく話。

木の上には、常に2匹か3匹くらいの動物が放り込まれる。雀とネズミ。ネズミと蛇。そして牛蛙。結局はどちらか一方はトンビに食われたり、逃げ出すために木から落ちたりするのだけれど。ブンナは、穴の中・・・舞台だとドーナツ状の舞台セットのど真ん中にいて、常に観客からは視られているのに、動物たちにはその存在に気がつかれない。そこで繰り広げられる会話と、次から次へと動物たちが食われていくのを、ただ聞き、見ている。

実のところ、もうちょっと、お気楽なお話を想像していた。(スネたブンナ、とかいうネコかサルが、なかなか木から降りてこないので、動物たちが下から声をかける話か・・・と。笑)実際の物語は、捕食、食物連鎖の話がストレートに描かれていてかなりグロテスクだったり、死を目の前にした生き物のエゴイスティックな部分が表面化する話だった。とても意外だった。

例えば、雀は、自分が助かるために、ブンナを差し出そうとする。蛇は自らの母の話をして、人間にいつも嫌われている事を呪う。ネズミはどんなに骨を折られても、ポジティブに生きようとするが、脱走してもまた連れ戻されてしまったり。目潰しの光の中、次から次へと動物たちが食われていくのは、ちょっと怖い部分もある。一方、ブンナにとっては自らの母を食われた蛇もまた、命の輪の中で苦悩している様や、ブンナの夢の中に現れるつぐみは、800年前、その椎の木が芽吹くきっかけの種を撒いて、トンビにやられた記憶だったり。改めて、「命って何だっけ」と考える部分もあり。

一言でいえば命は巡り、誰もが誰もの食べ物なのだから、今生きている時は自分のすべきことをするのだ、生を全うするのだ、という事だろう。・・・これを演劇鑑賞会で見せられたら、ちょっとトラウマになる人もいそうだ、と、正直なところ思う。ただ、グロテスクさはあっても、話の構造と、テーマはとても面白かった。

青年座研究所 本科の卒業公演的な公演でもあり。若い役者さんの熱演。粗削りな部分も確かにあったし、もう少し熱量の伝わる脚本を舞台化して欲しいな、という想いは持ったものの、とても楽しめた時間だった。

その中で、気になった役者さん。須賀田敬右・・・青大将・ヘビ役、他。面白かった。オカマっぽい喋りと、蛇の怖い感じと、それ以外のパターンとの緩急の付け方がハッキリ。2幕の前半は、客席の反応もかなり違って見えた。それを受ける、三浦拓真・・・牛蛙役、他。お尻向けて拗ねているのが面白い。三輪桂古・・・ふくろう、他。ふくろうは、それ程たくさん出番があったわけではないけれど、フクロウにしか見えなかった。もうちよっと長いシーンがあればいいのに。もうちょっと、見ていたかった。


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