<観劇レポート>あんよはじょうず。「地獄変をみせてやる。―人生失笑(疾走)篇―」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 あんよはじょうず。「地獄変をみせてやる。―人生失笑(疾走)篇―」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 演劇ひとりぼっちユニット あんよはじょうず。 |
回 | あんよはじょうず。#3 |
題 | 地獄変をみせてやる。―人生失笑(疾走)篇― |
脚本 | 高畑亜実 |
演出 | 高畑亜実 |
日時場所 | 2021/12/29(水)~2022/01/02(日) TACCS1179(俳協ホール)(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
こんにちは。
「演劇ひとりぼっちユニット あんよはじょうず。」と申します。
俳優として活動している、高畑亜実というひと(上の写真参照)が主宰をやっています。
台本を書いて、演出もします。
「ひとりぼっちユニット」と名乗っている通り、メンバーは主宰ひとりだけです。
高畑亜実個人のことは、下のリンクからどうぞ。出演者は、主宰がその都度呼びたい俳優をストーキングし、脅したり女を使ったりしてなんとか出演して貰っています。
それは普通に嘘ですが、そのくらい俳優に執着してキャスティングしています。作風は、と尋ねられるとそもそもまだ三本(あんよはじょうず。名義でないものも含めると五本)しか書いていないので返答に困るし照れくさいのですが、それこそ「執着」の話なんだと思います。
ちっちゃいこどもや犬や猫が、きったねえボロボロのぬいぐるみをいつまでも大事に大事にしているのって、かわいいですよね。
それを大のおとなたちが、唾とか撒き散らしながら、「これはだいじなの!すてないで!」とかやっていたら、途端にキモいですよね。
でも、それ美しいよね、って話を書いています。たぶん。
事前に分かるストーリーは?
ストーリーの記載を見つけられませんでした。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2021年12月30日 19時30分〜$$ |
上演時間 | 85分(途中休憩なし) |
価格 | 3500円 全席自由 リピーター割 |
客層・客席の様子
男女比は5:5くらい。様々な年代の人がいました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
観た直後のtweet
あんよはじょうず。「地獄変をみせてやる。-人生失笑(疾走)篇-」85分休無
ビジュアルはすごいんだけど。乗り切れず。物語が頭に入ってこず。それにも増して言葉が頭に入ってこなくて困った。あれれぇ絶賛ツイートが飛び交ってたのはなんなんだ?この回だけ何かシクッたんじゃないか?という気もした。 pic.twitter.com/2C7ZbUX45x— てっくぱぱ (@from_techpapa) December 30, 2021
満足度
(3/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
年末。Twitterで「今年の観劇ベスト」を発表する人も、だんだん多くなる日々。でも、この団体の作品を観るまでは、ベストなんて発表できない…、と思っていた。8月に観た「もう会えないおまえのための三篇」が、鮮烈過ぎた。きっと次も、凄い公演になるんじゃないか…と。要は、期待値のハードルをかなり上げてしまったのが悪かったのか…ちょっと肩透かしを喰らった公演だった。
前作同様、ビジュアルの鮮烈さ、という意味では、すごい。前作でも書いたが、どこかアングラ演劇と80年代演劇を混ぜたような、それでいて古くなく、鮮やかなビジュアルは、今回も変わらない。そのビジュアルを楽しむ、という意味では楽しめるものの。
どういう訳か言葉が頭に入ってこない。言葉が頭に入らないので、物語がよく分からない。…劇中のセリフ通り、「物語と伏線を回収する物語」はつまらないのかもしれないけれど、物語の前に、言葉が頭に入ってこなくて、物語の前で止まってしまってる感覚。一体全体、何が起こったのか、と冷静に考えてしまう時間が何度もあった。
前作「もう会えないおまえのための三篇」でも、ストーリーは分かり難いし、どこか破綻しまくっている。それでも、そこに出てくる言葉のひとつひとつが、とにかく鋭く。ゆえに、ストーリーなんてどうでもいいや、という思いが増していった記憶が大きかった。その鋭さが無いので、鮮烈なビジュアルも、どこかうわ滑って見えてしまう。
役者さん、声をからしている感じの人が多く、私の観た回だけたまたま何か大きなトラブルがあったのかとか。何か全体を崩すトチリの要素や、健康状態が悪い役者さんがいるのか…とか。あるいは私自身の体調が悪いのか、とか。でも、どれも言い当てる感覚がなく。
結論としては、単に言葉が入ってこない作品…という単純な事なのかもしれない。カルト教団のセーラー服の少年たちと、オジサンたちの関係も、イマイチ上手く掴めないままだった。