まだ間に合う公演レポ(7日17時)
●5/31(日)まで 第14回春季全国高等学校演劇研究大会

<観劇レポート>TRASHMASTERS「対岸の絢爛」

#芝居, #TRASHMASTERS

【ネタバレ分離】

観た芝居の感想です。

公演前情報

公演・観劇データ

団体名 TRASHMASTERS
TRASHMASTERS vol.31
対岸の絢爛
脚本 中津留章仁
演出 中津留章仁
日時場所 2020/03/06(金)~2020/03/15(日)
駅前劇場(東京都)

対岸の絢爛 | 演劇・ミュージカル等のクチコミ&チケット予約★CoRich舞台芸術!

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

トムアクターズスタジオ出身の中津留章仁、ひわだこういち、吹上タツヒロを中心に2000年に旗揚げ。
初期はコメディタッチで毒のある作品を中心に上演。
2003年に上演された第7回公演「TRASHMASTAURANT(トラッシュマストラント)」がCXの深夜番組「演技者。」にてドラマ化。
第8回公演以降は、主宰である中津留章仁の意向により、ストレートプレイの枠組みの中で、より独創的で革新性あふれる舞台表現を求めて作風を一新する。
現在では、現代社会が抱える問題等を取り入れた骨太な物語で、観る者の魂を揺さぶる重厚な人間ドラマを中心に描いている。
また、どなたでも楽しめる作品を前提とした上で、近年は、長い上演時間や、床面まで変えてしまう場面転換、笑いの要素を一切排除する手法など、現行の演劇制作からはタブーとされる条件を内包しながら「演劇の未来」「可能性」を模索することに挑戦し続けている。
これはカンパニー名にあるように、自らを「TRASH=駄作」のマスターと銘打ち、現行の「名作」や「王道」「主流」の方程式にはなかった要素を探して用いることで、それらと同等、あるいはそれ以上に価値のある作品創りを目指していることに由来している。
彼らのあくなき探究心と日々の研究に裏打ちされた他に類を見ない確かな舞台表現は、圧倒的な価値観をもって、演劇ファンだけでなく、多くの同業者や業界関係者からの熱い支持を集めている。

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

僕の街が
僕の土地が
まるで
誰かのものであるかのように扱われ
僕はひとり
取り残されたような
感覚に
陥る・・・・・・。

観劇のきっかけ

チラシを見ての観劇です。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

観劇日時 2020年3月9日
19時00分〜
上演時間 160分(途中休憩なし)
価格 4300円 全席指定

チケット購入方法

カンフェティのサイトで予約をしました。クレジットカードで決済をしました。
セブンイレブンで、予約番号を伝えてチケットを受け取りました。

客層・客席の様子

男女比は5:5くらい。40代以上のシニア層が目立ちました。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・シリアス
・会話劇
・考えさせる

観た直後のtweet

映像化の情報

情報はありません。

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーは。
202x年、関東Y市。IR…統合型リゾート施設…要はここでは「カジノ」…の誘致を市長が表明した街。港の近くの会社に勤める会社に働く弟、新島類の視点と4人の兄弟姉妹とを軸に、その先祖の家族とを描く物語。会社の方針が「反対」から「賛成」に急に変わったことに、弟疑問を持つ。実家に帰れば、兄は商工会議所の職員で、死んだ父母の教えで「ギャンブルは絶対に禁止」という家なのに、商工会議所として賛成の立場として仕事をする。会社の上司は、かつて競馬の依存症で妻と別れているが、妹が連れてきた結婚相手は上司だった。ギャンブル依存症なんて、絶対にダメだと反対するも、自分は商工会議所の一員として、家の教えに背いてカジノの誘致を進めている。この家族の父母が、なぜギャンブルを「絶対にダメだ」と言うようになったのか、その歴史…198x年の中国地方、194x年の戦時中の九州のキリシタンの島の時間を行ったり来たりしながら語られる、現代のIR誘致の物語。

上演時間が160分と聞いて、開演前、どうしたものかなぁ、と閉口しそうになったけれど。結果、殆ど我に帰る時間がなかった。政治、IR問題を真っ向から扱いつつも、濃厚な会話で紡がれる物語。202x年Y市を中心に、198x年の中国地方F市T町、194x年の九州H島の三つの時間の物語を一場を長く取る形で、三つの時代を描く。

194x年の戦中、キリシタンだという理由で目をつけられて、船を接収した日本軍の仕打ちに始まり、19x年、土建屋が入江に橋をかけて水害に備えて埋め立てをする、と言い出す姿。・・・そういった国の政策に翻弄されてしまう一家を中心に描きながら、結果的に今のIR問題を描く。ラストのシーン。商工会議所の勉強会?。集まっているのが新聞記者も含めて殆ど親族なのは、隠喩は理解した上で物語の「嘘」であると感じつつも、戦時中まで交えながら、結局のところ人は、国家の利権がらみの政策に、翻弄されてしまう存在として描く。熱量が、とても染み入るものがあった。資本主義の経済の中で、利権が絡む問題というのは、避けようがないのかもしれない。この家族の歴史、一家の長い戦いを見ると、そんな絶望感も感じる。

松木静香の「男は反対運動には向かない」というセリフが、深い。結局のところ、男は会社だの組織だの、生活を背負った(ようにみえる)組織の立場に翻弄されてしまう。男だけでなく、、企業や政府で働くという事は、政治体制、利権の渦巻く世の中では、そういう悲しい構造を産んでしまう、という事なのだと思う。その意味で「男は」というのは深いし、「最近は女性も社会の中で働く人が多くなったけれど」という言葉に暗喩されている部分も怖い。。。むしろ、同じ力学の働く会社に勤めていなければ、意に沿わない方針に従わずに会社をクビになっても、やっていけるのかもしれない、という希望も見たえりする。

中部地方のF市T町の物語がとても印象的だった。土建屋がらみで、かつての同級生が仲が悪くなってしまう様は、どこかで見たことがある物語、という気もしなくもなかったけれど。1場40分の中で、利権で崩れる人間関係と、ギャンブル依存症と、キリシタンの教えと、不倫の恋と裏切りと、いろいろなものを見た気がする。この時代の物語だけ、もう少し長く見ていたい、と思った。

IR誘致のY市…思えば、私の生まれ育った街、住む街、横浜市だ。林文子市長がIR賛成を表明してから、少し時間がたった。当初私も関心があったけれど、少し関心が薄れてきているかもしれない。今回の商工会議所のシーンが、どの程度事実に則しているのかは分からないけれど(おそらく、概ねフィクションだと予想するけれど)、もう少し関心を持って見守っていかなければなぁ、と再度感じる。劇中の言葉の通り、地方紙、ダメなのも多いけれど、神奈川新聞は頑張っていると思うよ、と個人的には思うが、物語のK新聞もそのように表現されていて嬉しい。先日神奈川新聞で読んだ、この記事をふと思い出す。(本紙の方はもう少し詳しい記載があったけれど)
カジノ客の街への還元「あり得ない」 設計経験者が講演

役者さん。カーテンコールで出てきた役者さんの、数の少ない事に驚き。計7人。あれ、時代も様々なで、いろんな役の人が出てきたのに、・・・兼ねていたということね。誰が誰なのか、分からない人も多かった。物凄い数の役者さんがいると思っていたので驚き。そのなかで気になった役者さん。長谷川景、途中まではこの人が主役だ、というのが分からないくらいの七変化ぶり。198x年の様子なんて、同じ人とは思えない。ラストの議論のシーンの熱さはすごく伝わってきた。藤堂海、こちらも七変化がすごい…。同じ人には思えない演技。198x年のあのサバサバした感じとワンピースないだ時のあの感覚が、ものすごく生々しい。川﨑初夏、キリッとした顔だちなので、七変化には思えずも印象的。特に、新聞記者の部分が印象に残る。


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