<観劇レポート>劇団あばば 「短編集 ふきだまる」
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
団体名 | 劇団あばば |
回 | 劇団あばば第6回公演 |
題 | 短編集 ふきだまる |
脚本 | 梅木祥平 |
演出 | 梅木祥平 |
日時場所 | 2020/08/20(木)~2020/08/24(月) OFFOFFシアター(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
―劇団あばばとは
2014年、梅木祥平・櫻井みず穂の演劇初期衝動を形にすべく結成。
とってもややこしくなった世の中で『今』と『愛しい騒動』をエネルギーに作品を届ける。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
短編集
少し変わった人々のはなし$$
観劇のきっかけ
スケジュールを見て面白そうだったからの観劇です。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
観劇日時 | 2020年8月21日 14時00分〜 |
上演時間 | 90分(換気休憩5分を含む) |
価格 | 2500円 全席自由(平日昼割) |
チケット購入方法
劇団ホームページからチケット予約しました。
当日、クレジットカードで支払いました。
(各種支払いに対応していますが、交通系電子マネーが対応していないのが残念)
客層・客席の様子
男女比は4:6くらい。男性は様々な年齢層、女性は若い人がお多めの印象でした。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・コメディ
・会話劇
・静か
・シンプル
観た直後のtweet
劇団あばば 「短編集 ふきだまる」90分含休5分
面白かった。割と好き嫌い分かれるかも。短編シットコムっぽい感覚。変な状況を、言葉で折り重ねていく説得力。「ふきだまる」って言葉のイメージとはちょっと違った感覚だったけど。
統一感みたいなのがあると更に面白そう。短編じゃない作品みたい。 pic.twitter.com/rJq1LJQRGS— てっくぱぱ(芝居好き) (@from_techpapa) August 21, 2020
映像化の情報
情報はありません。
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
シチュエーションコメディっぽい、短編集。それぞれが、日常の風景なんだけれど、日常からどこかちょっとズレている。各話で繋がっている部分もあるけれど、それ程強い関係はない。そんな短編8本。
小道具的なものはいくつか出てくるものの、基本は素舞台。その状況で、短時間で「この人達に何が起こったのかなぁ」、というのを、客に的確に連想させるように迫ってくるのが面白い。終わってみると85分しかなかったのに、短時間でいろいろなシチュエーションを垣間見た。
言葉の感覚がとても繊細というか、緻密に練り上げられた言葉たちの集まりなんだと思う。想像の余白部分みたいなものが少し残されていて、あれ、実際はどうだったのかな、的な想像が出来るのも面白い。笑いを取ろうとしていた部分がかなりあったけれど、それ程客席は、湧いていなかった。ただ、この作品に関しては、あまり笑いを取り過ぎてしまっても、作品の性質が変わってしまう気もするので、たまにクスクス笑いが起きるくらいで、ちょうどよいのかもしれない。
各話の中で、「研究している人」を軸にしたつながりがあるように見えるものの、結果的にそれ程強いつながりはなかった。いや、つながった意味みたいなものもあったのかもしれないけれど、私はあまりそれを感じられなかった。(し、どちらでもいい気もする)。今回劇団初見だけれど、長編というか、1つの長い作品の上演も観てみたいと思った。
「電車」
まあ、ありがち…というか、これがウワサに聞くあのシチュエーションか、っていう場面ではあるものの。研究者ちょ、が出てくると何だか変な空間に迷い込んでしまった感。触れると変わってしまうかもしれない、ってい、何の哲学の話だよ、と思うも。何だか、その言葉自体には妙に納得してしまうから不思議。駅員マジ役に立たねえ(笑)。
「告白」
途中まで、何が起こっているのかよく分からなかった。あ、内面の声なのか、というのに気づくのに、ちょっと時間がかかった(多分これは、私が鈍かっただけ)。恋愛というより、内面の声も同時に聞くと面白い感覚。
「まじめな奥さん」
なんなんだろう。隠喩的な部分があるのかな、と思うと、どうにも怖い部分を感じずにはいられない。ついつい深読みしてしまうけれど、核心的な部分にはたどり着けない。もともと、深い意味なんてないのかもしれない。それでも、「夫婦がすれ違ってしまって回復不能なガマンがあるんだろうなぁ」というのは、細かい説明がなくもよく分かる。ちょっと気になった一作。男女のペアで、演出を変えたのを観てみたい感あり。
「おしいれ」
おしいれに隠れていて、なんてベタな設定だけれど、結局3人男がいたのか、あるいは妄想の産物で1人しかいなかったのか。部屋主みず穂の変容ぶりが面白い。
「どきどきキャンプ」
慌てる塚原、の喋り方が面白い。こっちが喋ってるんだから喋るなよ、っていうのに、客席にいるのにイラっと来る。
「姉妹」
引っ越しの時、別れて出て行った妻の日記を巡り、夫、妻の妹、関係ない男、関係ない女。またよく分からないシチュエーションだけど、それが面白い。妹の話、そちらの方向に話が進むとは思わなかった。性格的な要素が、「電車」と若干繋がっている。
「サナトリウム」
サナトリウム、というタイトルの真意は分からないけれど、スポーツジムの集団レッスンの後の一コマように感じる。あの独特の、近くもなくて遠くもない、妙な間合いの人間関係が面白い。心配になるひなのは、なんであんなに怯えているのかを考えていて、インストラクターの先生と、この4人の関係はどうなっているのか、なんていう深読みをし出してしまう。
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