観劇

【観劇レポート】劇団俳優座「戒厳令」

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 劇団俳優座「戒厳令」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目 データ
団体名 劇団俳優座
劇団俳優座No.347
戒厳令
脚本 アルベール・カミュ
演出 眞鍋卓嗣
日時場所 2021/09/03(金)~2021/09/19(日)
劇団俳優座5F稽古場(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページには紹介がありますが、長いので割愛します。
多くの俳優さんが所属し、テレビ等の出演も多い劇団です

劇団俳優座

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

スペインの港町カディス。
ある夜、彗星の光が町を覆った。
数日後、夏の陽光に市場も民衆も活気づくある日、
一人の男が女を従えて現れ
町には戒厳令が敷かれる。

男の名は―――ペスト。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目 データ
観劇日時 2021年9月9日
14時00分〜
上演時間 130分(途中休憩なし)
価格 5500円 全席指定

チケット購入方法

劇団ホームページから、CoRichで予約しました。
当日受付で、Suicaで決済して、指定席券をもらいました。

客層・客席の様子

男女比は5:5。様々な年齢の人がいました。
俳優座ならではか年配の方も多いけれど、若い人も割と目立つ感じ。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・シリアス
・考えさせる

観た直後のtweet

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てっくぱぱ

劇団俳優座「戒厳令」130分休無
すげかった。演出の巧みさが目立つ。しばしあの小さな稽古場だというのを忘れてた。ペストがモチーフの芝居だけど、どちらかと言うとコロナより別のものが重なる。政(まつりごと)のどうしようもさなさと、個人的な愛と生活と。相入れる日は来るのか。超オススメ!


満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

カミュの1948年の作品。私自身は、読んだ事はなく、初めて触れる作品。以前俳優座の公演として観た「正義の人々」もカミュの作品だったけれど。・・・どれくらい原作に忠実なのだろうか。現代風にアレンジしたような演出もあったけれど、今の時代にも全く古さを感じない。唯一「ペスト」という言葉だけが、何となく過去を感じる。

「ペスト」自体は、この芝居では病気のを指さず、支配者を擬人化した何かを指している。1948年の作品、時代的にはファシズムや独裁政治を隠喩していたのかもしれない。でも今の視点で見ると、ファシズムみたいな極端なものでなく、衆愚政治による人々の支配にも見て取れるのが面白い。政治には、当然ながらその構造的に、誰かを支配する、誰かの生殺与奪を握る、権力が存在する。その横暴に対処するには、結局誰かが立ち上がる、立ち向かうしかないし、それが唯一の弱点だ、という示唆。でも、立ち上がる事と、家族や恋人を愛する事は、実は表裏の関係にある、というレジスタンスの悲しさ。人間の政(まつりごと)のどうしようもなさ、みたいなものを感じる。

・・・有名な戯曲だから、お話そのものの解説はあちこちにあるのだろうと思うので、参照してもらうとして。

作品の解釈というより、個人的な想いの旅をメモしておくと。ナダとヴィクトリア関係、「恐れずに声をあげる事」と「恋人との愛」に引き裂かれる場面って、今の視点の身近な場所ではどんな風になるのかなぁ、みたいなことを考えていた。劇中の「ペスト」のように、戦う相手が分かり易ければいいのだけれど、2021年の今において社会で闘うべき相手は、実はその顔を巧妙に隠している。敵か味方かどうかも分からない。二元論が通用しない中、「愛か正義か」みたいな闘いをするのに身近な人を説得するっていうのは、実はとても難しい事のような気もする。政治の腐敗を告発しようとして自殺した官僚の話とかをふと思い出しながら、その官僚とその妻とは、どんな会話をしていたのかな、、、、実は舞台で描かるているのより更に、ビターで苦い会話だったりするんじゃないかなぁ、なんて事を(ちょっと物語の本筋とは関係ないけれど)思った。正義を貫くっていうのは、現代ではとにかく難しい事のような、そんな事に思いを馳せた。

俳優座の五階稽古場。割とこじんまりしたスペース。コロナでの客入りも考えて、さらにこじんまりとしていた。客席の配置も、コの字型。まるで「シアター・ミラクルか!」と突っ込んでしまいそうな空間だったけれど。観始めると、鉄パイプで作られた空間と、照明・映像・音響が、ペストに侵された島の閉塞感と恐怖を作り上げていて、小さな稽古場にいる事を、しばし忘れるくらい鮮烈な印象が残った。

ペスト役の野々山貴之がすごいなぁ。あの、終始人を小馬鹿にしたような顔の、白塗りの顔のペスト。本気で憎悪するようになってた。ラストのバトルのシーンは、圧巻だった。秘書の清水直子の、どこか虚無感的な要素を背負った、でも残酷な側面にゾクゾクさせられる。

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