<観劇レポート>APOFES2022「震える私の心の音」

#芝居,APOFES

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 APOCシアター「APOFES2022」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名APOCシアター
企画名アポックひとり芝居フェスティバル APOFES2022
震える私の心の音
脚本平井 隆也
演出平井 隆也
出演石澤希代子
日時場所2022/01/15(土)~2022/02/06(日)
APOCシアター(東京都)

CoRich 公演URL

企画の紹介

こんな企画の紹介がありました。

毎年1月の恒例行事、アポックひとり芝居フェスティバル『APOFES』
今回は総勢23組!

一人芝居ならではの世界をお楽しみください

APOCシアター

演目紹介 事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

泣きたくない。こんなところで泣きたくない。こんなタイミングで泣きたくない。私はまだいける。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2022年1月23日
13時00分〜
上演時間50分(途中休憩なし)
価格1500円 全席自由

チケット購入方法

CoRichのリンクから、予約しました。
当日受付でお金を支払いました。

客層・客席の様子

男女比は8:2くらい。40代upが多かった気がしました。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・会話劇
・内面
・バレエ

観た直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

1つの人生を終えて、どうやら女は、神の前に対峙しているらしい。準備された箱を開けていくと、蘇る前世の記憶。どうにもならなかった悔しさ。背負った苦悩。生きづらさ。生まれ変わったら、その記憶は消えるらしい。それでも、一度思い出させて、また消すのだという、神。その残酷さを呪いつつも、また生きる、お話。

前半、物語が軌道に乗るでは、神様との会話が、ちょっと不自然に思えて、私自身の気持ちが乗ってくるまで時間がかかったけれど。後半、引き込まれていくと、観ていてとにかく、ヒリヒリするように痛かった。うっすらと涙が出た。人の内面を、苦悩を、こうやって描くのか…と、小さいけれど物語の力にちょっとのけぞる思いだった。どうにもならない事を、内面を、どう描くのか。そんな答えのない問いに、真っ向勝負した演劇のように感じた。

語られる、前世での苦悩・・・バレリーナを目指すも才能がなく、幼児体型で気になる男とはすれ違い、拒食症でご飯も食べれない。劇中、明確に語られてはいないものの、演じている俳優、石澤希代子が実際に抱えている悩みと、かなりの部分が呼応しているのだろう、と感じる。前世の物語というより、むしろこれは現世の物語。そして、来世に生まれ変わった私が、背負う事の物語なのかもしれない。現実と、非現実の部分を曖昧にしつつ、明確に神に対してその理不尽を呪う。叫ぶ。その様が、とにかく痛くて、ヒリヒリしていて。しかし、踊られるバレエのダンスと共に、ただ美しい。

ストレートに苦悩・いきづらさを語ったら、きっと客には伝わらない。むしろ「苦しいのはあなただけじゃない」なんて、反感すら持たれたかもしれない。それを、前世と来世。空の箱と、神との対話で描く。うっすら涙しつつ、この巧妙な物語の仕掛けに落とし込まれたことに、どこかニヤリともする。演者の内面を写す、奇麗に磨かれた鏡のような作品だった。

舞台#芝居,APOFES