<観劇レポート>劇団『横浜組曲』 「熱海殺人事件 Girls, be glamorous.」

#芝居,#劇団『横浜組曲』

【ネタバレ分離】 劇団『横浜組曲』「『ザ・ロンゲスト・スプリング 熱海殺人事件』『熱海殺人事件 Girls, be glamorous.』」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名劇団『横浜組曲』
第参章
熱海殺人事件 Girls, be glamorous.
脚本つかこうへい
演出野中友生
日時場所2023/06/17(土)~2023/06/18(日)
STスポット(神奈川県)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団紹介を見つけることができませんでした。

劇団『横浜組曲』

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

泣く子も黙る東京警視庁、木村伝兵衛部長刑事の捜査室。椅子にふんぞり返る伝兵衛のもとに、富山県警から若い刑事、熊田留吉が赴任してくる。婦警の水野朋子を加えた3人が捜査するのは、熱海の海岸で幼なじみの山口アイ子を腰ヒモで絞め殺した大山金太郎の殺人事件だ。
熱海の工員の男が同郷の女を絞め殺したという単純事件を刑事たちがそれぞれの美学を犯人に押しつけ、無理矢理に捜査しがいのある事件に仕立てようとする。いかにして三流殺人犯の大山金太郎を一流の殺人犯に仕立て上げるのか。人としての尊厳をかけた4人のぎりぎりの攻防戦が続く。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2023年6月18日
12時00分〜
上演時間125分(途中休憩なし)$$
価格3000円 全席自由

観た直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(3/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

※メンタル的に調子が悪く、しっかり書き上げる余裕が取れないため、当面は感想のメモだけ残しています。こぼれ落すより、何かしら残しておきたい。後々振り返って、もう少しちゃんとした文章に仕立てあげるかもしれません。

つかこうへい「熱海殺人事件」の異版、「熱海殺人事件 ザ・ロンゲスト・スプリング」を基に、演出を担当する野中友生が、男女の役を入れ替えて書いた作品、とのこと。ダブルキャストで、「熱海殺人事件 ザ・ロンゲスト・スプリング」の方は別のキャストで演じられるが、私が観たのは男女入れ替わり版の"Girls, be glamorous."。男女が入れ替わっているので、木村伝兵衛は頭は切れるが出世は無さそうな女刑事。大山金太郎は女性へと書き換えられている。私も、熱海殺人事件は、映像含めて3回くらいしか観た事ないが、基本はつかこうへいの「熱海」をなぞるように、役名を微妙に変えて書き換えられている。(大山金太郎→大山金子…など)

男女を入れ替える事で、諸々の問題が出て来そうではある。例えば、静岡の田舎に嫁ぐ智子ならぬ智樹は、ちょっとナヨナヨした学ラン姿の男子に置き換えられていて、令和だから?みたいな事を思って見るものの・・・実は社会的な男女の差の意味とかはあまり込められてはおらず、そこは単に「男女を入れ替えてやってみました」くらいの意味なのかなぁ、と受け取る。物語の解釈は脇に置いて、深く考えずにスルーするも。

・・・これまで私か見てきた「熱海」は、役者の醸し出す熱が全てだった。私がたまたまそういう熱海ばかりを観てきたのかもしれないけれど。・・・熱海は結局、ストーリー云々、みたいな話じゃなくて、ストーリーを借りて役者がその場にいる存在感をどれ程醸し出すか・・・が勝負な演劇だと思っていて。そして、その熱が、存在感が、圧倒的に足りなてない。長い台詞に難儀していた役者さんがいたが、セリフが正しいとか間違っているとか、実は観ている方はそんなに気にしていなくて、もう迫力でグイグイ押してほしい、と思っている気もする。物語の解釈で別アプローチがあれば、こういう静かな熱海もアリなのかなぁ・・・とは思うけれど、前述の通りそこには意味を見出せなかったのもあり。

迫力が足りていないものだから、一見意味ありげなストーリーが(と言うのはつかこうへいに失礼かもしれないけれど)、気が付くと不条理劇のように見えてくる。・・・あれ、何だか別役実っぽい世界だなぁという不思議な感想を、つかこうへい作品対してに持つ。

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