【観劇レポート】劇団年輪「ShareHouse’50」
【ネタバレ分離】 劇団年輪「ShareHouse'50」の観劇メモです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 劇団年輪 |
回 | 第66回公演 |
題 | ShareHouse'50 |
脚本 | 宮田信宏 |
演出 | 入内嶋周一、宮田信宏 |
日時場所 | 2025/08/03(日)~2025/08/03(日) 戸塚公会堂(神奈川県) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
劇団年輪の初演は、昭和50年。
公演は基本的に年に1回、8月の上旬から中旬に横浜市の「戸塚公会堂」で行なっています。
稽古は基本的に毎週土曜日の午後3時から9時まで、横浜市の「戸塚地区センター」で行っています。
ジャンルは、子供からお年寄りまで楽しめるものを目指し、最近の脚本はオリジナルです。
他に追加公演を行う場合があります。<劇団年輪について>
劇団年輪は演劇を愛し、演劇を楽しむ仲間が集う。
団員相互が人間を磨き、人間力アップを図る。
団員は互いの立場を理解し、表も裏も責任を持って活動する。
利益を得るのではなく、演劇を楽しもうとするお客さまに感動を伝える。
思想、信条、政治にかかわる主張を敢えてすることはしない。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
夢を追う若者たちが暮らすシェアハウスに、未来から来たアンドロイド「ミライ」が現れる。
人間の”心”を学ぶ彼女は、住人たちとの交流を通じて優しさや葛藤、夢に触れていく。
一方、土地問題や家族の秘密といった現実も浮かび上がりーー。
「本当に大切なものとは何か」を問いかける、心温まるSFヒューマンドラマ。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2025年08月03日 14時30分〜 |
上演時間 | 165分(途中休憩15分を含む) |
価格 | 1200円 全席自由 |
満足度
(3/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
ストーリーは劇団記載の通り。未来からアンドロイドがやって来て、芸術が多く住むシェアハウスにやってくる。そのアンドロイドは、シェアハウスの家主の息子が通っている大学?の研究室で、2050年の未来に作られたもの。アンドロイドと、住人の芸術家たちと、シェアハウスの経営めぐる問題を群像劇的に描いた作品。
団体初見。戸塚に50年も続いている劇団があるとは知らなかった。ホームページなどを見る限り老若男女問わず参加していて、年一回の公演が基本の地域市民劇団としての性質の活動がメインの様子。1ステージのみの公演だが、戸塚公会堂の客席はかなり埋まっている。地域に根差した活動と観客がいるのが分かる。
ロボット三原則や、昨今の社会情勢、AIをめぐるトレンドなどを比較的安易な言葉で取り込んでいて、幅広い年齢層に伝わるように丁寧に描かれてはいるものの。可愛いアンドロイドを登場させつつもあまり物語で上手く利用できているとは思えず。むしろ芸術家たちのボヘミアン・・・「ラ・ボエーム」なり「RENT」のような状況と、資本主義的なもの・利益至上主義的なものとの闘いを描ている方が比重が高い。群像劇と取る事も出来るが、とはいえやはり「アンドロイド」のモチーフの存在は重く。結果的に登場の必然性に乏しいく、全体的に脚本の展開が弱い。
タイトルに「'50」とあるのは劇団50周年の意味で、本来は「'45」の45周年の際に上演されるはずが、コロナで叶わなかったとの簡単な説明が冒頭の前説であった。一方、同名の作品が2015年にも上演されていて(同じ作品かは不明だが)あらすじにはアンドロイドは書かれていない。ひょっとすると「アンドロイド」は脚本的に追加された要素なのかもしれない。それ故かは不明だが、全体的に説明ゼリフが多く感じ、上演時間も休憩込みとはいえ160分。コメディ部分は客席もかなり沸いていて地域劇団ならではの楽しい演劇ではあるものの、結果的に冗長さと脚本展開の弱さが鼻につく作品だった。