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【観劇レポート】あんよはじょうず。「鶏の首から上」

#芝居,#あんよはじょうず。

【ネタバレ分離】 あんよはじょうず。「鶏の首から上」の観劇メモです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名あんよはじょうず。
あんよはじょうず。番外公演
鶏の首から上
脚本高畑亜実
演出高畑亜実
日時場所2025/08/18(月)~2025/08/31(日)
阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

2019年
俳優:高畑亜実が自分の共演したい俳優を集めて演劇公演をやるために発足。作・演出も高畑が務める。
演劇ひとりぼっちユニット あんよはじょうず 。と名乗り旗揚げ。

2021年
名乗ったものの、ひとりぼっちにほとほと疲れ果てる。

2022年
客演として出演していた高橋里帆・奥泉があんよはじょうず 。メンバーとして加わる。

2023年
三人体制で旗揚げ五周年を迎えます。頑張ります。

あんよはじょうず。

過去の観劇

事前に分かるストーリーは?

ストーリーの記載は見当たりませんでした。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2025年08月22日
14時00分〜
上演時間70分(途中休憩なし)
キャストたまご
価格3500円 全席自由

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。

感想(ネタバレあり)

しばらく観れてなかったあんよはじょうず。以前観た作品より少し小さめの小屋での、ダブルキャストでのロングラン公演。前2作で感じたのと変わらず、物語を書き下すのが難しい。…というか書き下してしまえばそれ程難しいことではないのかもしれないが、わざわざ書き下すことに「照れ」や「野暮さ」のようなものを感じてしまう作品であり、おそらく作風。これまで観た作品に感じた傾向は今回も変わらず。

劇中のセリフをそのまま素直に受け取るなら描かれているのは「想像上の帰郷」で。登場人物は全員、冒頭から血まみれの服を着ている。織りなす会話はどこか変なテンションで出入りする男たちとの関係が不明だが、とはいえ割と普通、よくある帰郷の風景だ。それでも尚冒頭から血まみれ。帰郷すること。それはもはや既に血まみれの服に血を上から塗る行為でしかないということか。

半径1キロにしか興味がなくて、やることがなければ学校の鶏を皆殺しにし、駅に放火して、むしろお祭りを自分で作るような、そんな退屈な場所が「実家」とその周りの人々。コンクリートジャングル東京にいる時そんな血まみれの退屈さ忌み嫌うけれど、でも頭から離す事もできない場所。自分の心の中から完全には追いやれない場所。だって私も鶏を殺した記憶で、すでに血まみれなんだから。

テーマを捉えられているとするなら…他の劇団でもよく遭遇するテーマで、どちらかというと「退屈」とか「怒り」に焦点を当て、その鬱屈とした心境を中心に描かれることが多い気がする。でも、あんよはじょうず。にかかると、こういう風になるのか。既に血まみれの服を着ながら語られる帰郷が、鮮烈でもあり、くどくどテーマを語る「野暮さ」を突き付けてくる作品でもあった。

全く関係も脈絡ない個人的な事のだけど。観ててふと「いまを生きる」って映画のいちシーンを思い出す。内気な子トッドが、キーティング先生にのせられて机の上に立ち詩を朗読するシーン。「現実は、小さすぎて僕らを決して覆ってくれはしない毛布のようだ」的な。この詩の世界観と同じ匂いを感じる芝居だなぁと、ふと観ながら変な連想をしてしまい。