<観劇レポート>M²「そして、死んでくれ」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 M²「そして、死んでくれ」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | M² |
回 | M² vol.1 |
題 | そして、死んでくれ |
脚本 | 緑慎一郎(演劇プロデュース『螺旋階段』) |
演出 | 緑慎一郎(演劇プロデュース『螺旋階段』) |
日時場所 | 2021/10/13(水)~2021/10/17(日) ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
M²(エムツー)とは、松本 悠(青春事情)と緑慎一郎(演劇プロデュース『螺旋階段』)が、それぞれの団体活動に縛られない新たな創作活動の場として、2020年に結成。桜木町の神奈川県立青少年センターを根城に、神奈川に縁があったりなかったりする人たち共に作品を作り上げる。歴史上の事件を題材に、そこから紡ぎ出される重厚な人間ドラマが評判になる予定だが、飽きたらコメディーでも不条理でも気が向いたものを何でもやる。
「ウィズコロナ」時代、「アフターコロナ」時代を演劇と共に彷徨い続ける
過去の観劇
- 2024年05月30日【観劇メモ】M² 「黒い太陽」
- 2023年03月13日M² 「鉄音、轟然。」
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
「コロナ禍を生きる全ての人に問う。私たちが目指す未来とは?」
昭和史を揺るがした二・二六事件を舞台に、第二次世界大戦へと向かう混沌とした時代に生きた若者たちのリアルな想いを蘇らせる。彼らが目指した未来とは…。
神奈川発、新団体M²いよいよ始動。昭和十一年二月。
歩兵第三連隊週番司令室に集まった陸軍青年将校は前に進もうとしていた。
この国は間違っている。
天皇を中心とした新しい政治体制を築き国内の状況を改善し、政治家と財閥の癒着の解消や不況の打破をしなければならない。
誰かがやらなければならない。二十六日。
皇道派の陸軍青年将校に率いられた千五百名がクーデターを決行した。
総理大臣官邸、大臣私邸、警視庁、湯河原牧野元内府等を占拠しクーデターは成功したかに思えたが・・・・。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2021年10月13日 19時00分〜 |
上演時間 | 100分(途中休憩なし) |
価格 | 3800円 全席自由 |
チケット購入方法
カンフェティのサイトで購入、決済しました。
セブンイレブンで予約番号を伝えて、チケットを受け取りました。
客層・客席の様子
男女比は5:5くらい。
様々な年齢層の人がいました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・歴史劇
・シリアス
・会話劇
・考えさせる
観た直後のtweet
M²「そして、死んでくれ」100分休無
アノ事件をド直球で描いた歴史モノ。史実の細かい記憶は薄れてるけど、恐らく割と歴史的事実に忠実。淡々とで、奇を衒う展開はなかったけど、濃厚で浸かりきった。面白かった。どうしても男視点の物語になる面はあるな。照明が綺麗だった。オススメ! pic.twitter.com/roqtG4zdtO— てっくぱぱ (@from_techpapa) October 13, 2021
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
二・二六事件を、反乱を決起した若手の将校の視点で描いた物語。軍の内諾をもらいつつ決起し、結局は逆賊として自決・逮捕されていく様を、100分の演劇にまとめた作品。だいぶ前に、二・二六事件の本を読んだ事があって、その内容をおぼろげに思い出した。今改めてWikipediaを読み返してみる限り、演劇として舞台化するため端折っている個所はありつつも、将校側の視点で見た概ね史実とよばれるものに即している作品だと思う。
演劇としては、舞台セットはシンプルで、進み方も淡々と、でも将校たちの感情のうねりを余すところなく舞台に乗せたもの。おそらく、作品そのものに、歴史にある程度忠実であるように描く意図があると思う。たとえ史実をベースとしていても、創作の幅が大きくなる事が多い演劇の物語だけれども、ここまでストレートに事件を描くようなものは自分としては珍しい。路線としては、劇団チョコレートケーキは似ているかな…とは思いつつも、かの劇団は、割と想像的な要素が加わっている物語が多いように思う。観ている途中で、そのリアリティに思い至ったけれど、演劇、会話劇としての迫力も凄く、どっぷり浸りきってみた100分だった。
面白いことに、浸りきった観劇の後、あまり言葉らしき言葉が出てこない。むしろ、二・二六事件を扱った別の作品なり、Wikipediaの記事を、詳細に読み返してみたい、という想いが生まれる。1936年、実際に実在した人々の想いや、行いが、如何様なものだったのか。その事を、もっと詳しく知ってみたい、という感触。そこに生きていた人々の存在を信じられたというか、手元に置くことができた。そんな作品のように思った。
役者さん、安藤輝三を演じたナカムラユーキ、人柄の良さと、精神の底から湧き上がる想いの強さが滲み出ていて、特に印象的だった。実際の安藤輝三の写真を見ると、どことなく雰囲気が似ているのも面白い。