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【観劇レポート】息切れカメレオン「さよなラズベリー202」

#芝居,#息切れカメレオン

【ネタバレ分離】 息切れカメレオン「さよなラズベリー202」の観劇メモです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名息切れカメレオン
息切れカメレオン#7
さよなラズベリー202
脚本田塊トシタカ
演出田塊トシタカ
日時場所2025/08/21(木)~2025/08/24(日)
小劇場楽園(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

 息切れカメレオンとは「今、演劇を観る理由」の創造のため、
本来混ざり合わない要素の融合により現代における
演劇の面白さを考え続ける全力茶番エンタメ団体。
明治大学演劇研究部員で構成される。

息切れカメレオン

過去の観劇

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

大学受験7浪目、実質ニートであるドモは、都内の格安ワンルームに住む25歳。
数年ぶりに届いた仕送りには、母からの手紙と一本の映画が入っていた。
段ボールから飛び出してきたのは、ラズベリーと、30年前にこのワンルームで自殺した住人の幽霊と、煌めく宇宙映画の世界。
現実と虚構、今と思い出の入り混ざるワンルームにて、ドモは過去の住人たちと出会い、振り回されながら宇宙を旅する。愛と虚構の冒険活劇。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2025年08月23日
18時00分〜
上演時間90分(途中休憩なし)
価格2500円 全席自由

満足度

★★★★★
★★★★★

(3/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。

感想(ネタバレあり)

親から届いた宅配物。「たまには連絡しろ」という手紙と、ジャムでも作れとたくさんのラズベリーと、幽霊?が入ってた。幽霊と映画でも見るかとくつろいでいたはずが、なぜか気がつくと映画の中。隕石をぶっ壊して地球を守る人々の話。でも隕石、地球に衝突して地球破滅して、自分たちだけ生き残っちゃった。他の生命体を探しに行くぞ…的な映画なのか現実なのかわからない話が混じりだすが、どこか内省的な心の声が混ざる。「次に繋ぐ」とか「親の想い」とかが見え隠れして断ち切れない現実との間を過去現在も行き来しつつウロウロしつつ。このまとわりつくような寂しさを振り切って前に進めるのか、というお話・・・だったと思う。たぶん。

かなりハイコンテクストで状況転換が多く、かつハイスピードで語られるので、上記ストーリーは私なりの解釈が入っているかも。なのでストーリーの説明には自信がない。大学卒業に伴い、来年の1月で劇団解散とのアナウンスがカーテンコールであった。解散の事は事前に知っていたので誘導されてしまった部分はあるかもしれないものの…描きたいことはたぶん理解できたような気はしている。それは、親との関係(あるいは感謝)だったり、これから行く先の不安だったり。それらの感情を壮大なメタファーとしてハイスピードに突き進む物語として描いているのだろうとは想像するのだけれど。

から騒ぎというか、むしろ空回り感が否めない。前半60分のパワーは凄く舞台から溢れ出るエネルギーには感心するものの。エネルギーが凄すぎて、でも語っている内容や理由がよく分からないので、受け取るに受け取れない的な。ドッチボールの玉が突然四方八方に飛び散ってきた感。客席には何の話だかわからない人も多かった雰囲気だったし、感じ取っていたとしても共感に結びつかない人も多かったように感じる。私自身も最初は細かいネタに笑っていたのに、開始20分くらいでこのハイテンションいつまで続くのかなあとちょっと疲れてしまっていた。

たぶん「言葉」の端々が弱いのだと思う。語りたいことを縁取る言葉の端々が弱い。似たような系統の作品がいくつか思い浮かぶ中(古くて恐縮だけれど「朝日のような夕日をつれて」とかは好例な気がする)、やはりそれらの作品は浮き上がらせたい状況や悲しみの「端的な言葉による鋭い描写」があるように思う。大学を卒業する若い皆さんのエネルギーは有り余っているのだろうが。やはり演劇に求めたいのはそれを表現する「言葉」で。描きたい思いや状況は(想像で補いつつ)辛うじて理解した気になったものの、溢れる思いの「言葉」に作中で出会えなかった気がした。

舞台#芝居,#息切れカメレオン