【観劇レポート】チリアクターズ「されど、スタアには、なれない」
【ネタバレ分離】 チリアクターズ「されど、スタアには、なれない」の観劇メモです。
もくじ
初回投稿:2025年09月07日 19時32分
最終更新:2025年09月07日 19時32分
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | チリアクターズ |
回 | 第25.5回公演 |
題 | されど、スタアには、なれない |
脚本 | 大島寛史 |
演出 | 大島寛史 |
日時場所 | 2025/09/05(金)~2025/09/07(日) STスポット(神奈川県) |
価格 | 2800円 全席自由 |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
2009年、桐朋学園芸術短期大学同期の大島、上田、木村らが中心となり結成。
2度の学内プレ公演を経て、卒業して1年後の2012年、
「第3回これからよろしく公演」から神奈川県小田原市を拠点に活動開始。以降、年に2~3回ずつ本公演を行いながら、県内の様々な演劇祭などイベントに出演。
2014年12月に「第10回これから‵も’よろしく公演」を小田原市市民会館小ホールで上演。
これ以降、「地方公演」と称し、都内でも公演を行うようになり、活動範囲を拡大。
2015年には鹿児島で行われた「国民文化祭」に参加し作品を上演する。2016年、短編演劇コンテスト「劇王神奈川Ⅴ」で優勝。
17年には「第2回神奈川かもめ短編演劇祭」に出場。最優秀賞と観客賞のダブル受賞達成。
18、19年、22年「神奈川フェスティバル イン ハノイ」に参加。
風魔忍者を題材にしたショーをベトナム・ハノイで上演。(構成・出演として参加)
21年「池袋ポップアップ劇場」に参加、「しらずのうちに」を上演。
22年、活動開始10周年を迎え、6月と10月にそれぞれ小田原と横浜で記念公演を実施。「気軽に来られる、気楽に観られる」をモットーに大島の書くオリジナル作品を多数発表。
ジャンルを決めずに作品を作り続け、既成戯曲に挑むこともある。
ただいま、劇団員募集中。
過去の観劇
- 2025年05月31日 チリアクターズ「乱鴉傷(らんあのいたみ)」
- 2024年11月02日 チリアクターズ「邪行提燈」
- 2023年07月04日 チリアクターズ「放課後、重ね着、□△」
- 2022年10月31日 チリアクターズ「どんな顔すればいいの@焼跡」
- 2022年06月26日 チリアクターズ「宇宙の旅、セミが鳴いて」 ・・・「#チリアクターズ」のつづき
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
「スタアには、なれない』とは
不定期でおこなう「短編集」のシリーズのこと。
今回で3度目の公演となる。
『劇王』などで発表した作品を中心に、
時にはゲストチームを迎えることも。
様々なテイストの演劇を一度に楽しめる、
とてもお得な試みである。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2025年09月06日 14時00分〜 |
上演時間 | 100分(途中休憩なし) |
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
されど、スタアには、なれない
短編五本をストーリーテラーのもとにまとめて上演する作品。各作品の間は特に関連性はないが、各作品の冒頭に、その作品がどのような経緯で書かれた作品なのかがストーリーテラーから説明があった後に上演される。25.5回目の公演との事で、劇団としては0.5回扱いの公演のよう。3ステージしかなく実験公演的な場所なのかなと思っていたが、5本ともとてもセンスの良いお話したちでとても楽しかった。これまで短編をやる劇団という認識は無かったので驚きだった。
各作品のメモ
「アンラッキープールサイド」
初上演とのこと。5分位のとても短い作品。細かいことは語られないものの、おそらくコロナの中で、何かを諦めないといけない3人のお話。行きたいけれどいけない、やりたいけれどやれない。あの頃の思いがほんのり蘇る。
「まえのひ」
男が恋心を描いている女優と演劇ユニットを組むことになったが、その企画を巡る話を男の彼女と3人ですることになった話。意外性を突いてくるコメディとして面白い。
「ゆめゆめ」
将来の夢を語る遊びをしていたはずが、気が付くと、諦めてしまった将来の夢について語っている作品。とても時制が曖昧で、何の話をしているのか気を抜くと見失ってしまいそうではあるが、なんだかほろ苦い感覚をさっとすくって提示された感覚が良い。
「ほしがる」
30歳になると二人に一人が爆発して死んでしまう病気が流行っている世界。30歳を迎える男が、何とか結婚しようと友達の男たちに迫る話。上演はリーディング形式。アイデアが秀逸。展開がコミカルで面白すぎる。「ゼクシイ」を持ってくる展開は読めてしまったが、そうだよな「ゼクシイ」って結婚が決まったら男が突き付けられる雑誌だよな。結婚前に持ってきても(笑)。
「しらずのうちに」
擬人化された「歯」との対話のお話。下顎第三大臼歯…要は「親知らず」のこと。親知らずはいつか虫歯になる。その親知らずを抜くまでのお話。面白すぎて腹を抱えて笑った。冒頭の説明で、学生による上演が多いとの説明があったけれど、秀逸すぎて、あちこちで上演されるのもよく分かる。本人と「親知らず」が殴り合いになって、本人の右奥の頬を殴ったら自分も痛いとのたうち回っている親知らずが面白すぎた。