【観劇レポート】あやめ十八番「草創記「金鶏 一番花」」
【ネタバレ分離】 あやめ十八番「草創記「金鶏 一番花」」の観劇メモです。
もくじ
初回投稿:2025年09月28日 22時22分
最終更新:2025年09月28日 22時22分
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | あやめ十八番 |
回 | 第十八回公演 |
題 | 草創記「金鶏 一番花」 |
脚本 | 堀越涼(あやめ十八番) |
演出 | 堀越涼(あやめ十八番) |
日時場所 | 2025/09/20(土)~2025/09/28(日) 東京芸術劇場シアターイースト(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
俳優、堀越涼が作・演出を務める劇団。
2012年に俳優・堀越涼が
旗揚げした演劇ユニット。歌舞伎、能、浄瑠璃など、様々な日本の
古典芸能を基礎とし、古典のエッセンスを
盗み現代劇の中に昇華することと、
現代人の感覚で古典演劇を再構築する
ことの、両面から創作活動を行っている。全ての作品で、日本人特有の感覚や美意識を作品作りのテーマとしている。
また、歌舞伎の下座音楽や落語の囃子に影響を受け、劇中音楽が全て生演奏であることも特徴の一つ。【構成員】
代表:堀越涼
副代表:大森茉利子
構成員:金子侑加、吉田能、中野亜美
過去の観劇
- 2023年08月12日 あやめ十八番「六英花 朽葉」
- 2022年09月02日 あやめ十八番「空蝉」
- 2021年11月02日 あやめ十八番「音楽劇 百夜車」
- 2020年11月14日 あやめ十八番 「江戸系 宵蛍」
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
明治の終わり、まだ誰も見たことのない「テレビジョン」という夢を追い続けた一人の青年がいた。それは、浜松に住む母に、東京の歌舞伎を見せてやりたいという、小さな願いから始まった。
第二次世界大戦下、南方の戦地に赴いた若き歌舞伎役者がいた。命の瀬戸際にあっても芸術に触れようとする兵士たちの思いに突き動かされ、彼は一度諦めかけた芸道への復帰を決意する。
時代は、二人を引き合わせる——。
一人は「芸」を、一人は「夢」を、未来へと繋ごうとした。
両者の思いが重なり合う時、金鶏は、新しい時代の夜明けを高らかに告げる。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2025年09月26日 18時30分〜 |
上演時間 | 175分(途中休憩を含む 休憩 10分(90-休10-75)) |
価格 | 5000円 全席指定 |
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
あやめ十八番「草創記「金鶏 一番花」」
日本初のテレビ放送に「イ」の字を投影することに成功した金原賢三が浜松工科高校でテレビを開発するまでの話と。戦時中の歌舞伎の家元、丹波屋・駿河屋の話をシンクロさせながら描く物語。金原賢三という人を調べても見当たらないので、これは実際にテレビを開発した高柳健次郎をモデルにしていと思われる。ふたつの物語が、日本初のテレビによる歌舞伎の放送、そして戦地で「スマトラ歌舞伎」を目にした駿河屋のあととり、板東天鼓の物語として描く、おそらく半分フィクション、半分実話を交えた物語。
あやめ十八番は何度目の観劇になるかな…もはや小劇場とは言えない規模の動員だし、小劇場ファンでなくても「あやめ十八番」は知っているという人が多い団体だと思う。演出力のある作品・音楽劇だなぁ…というのは毎回思う…思うのだけれど。毎回どこか物語の端っこに置いていかれたように感じる作風なんだよなぁ、とも思っている。
展開が早すぎる。…展開が早いのがこの劇団のウリなんだとは思うけれど、登場人物に感情移入とかしている間もなく物語がドンドン進む。なのでどちらかというと場面転換が多くても成立する映像作品向きのお話だとも思う。
何本か前の作品は、落語「死神」を主題にしていた。その時は、落語周りの細かいことを私が知識として知らないから「置いていかれた感」を持ったと思っていた。今回は知識として追い付けなかった箇所は無かったものの、それ故に物語が「あーなってこーなって」と説明されているような気分から抜けれなくて。近くに座っていた方が一人、スマトラ歌舞伎で大号泣していたのだけれど…いやーそんなに泣くものかなぁ、と小首を傾げてしまった。
舞台作品としては多分価値があるだろうし、ファンも増えていくのだろうけれど。どうにもいつも置いていかれてる感がぬぐえなくて、今回も同様でちょっと寂しくて「ああやっぱり」って思ってしまった。いやたぶん、作風が私には合わないというだけなんだろうとは思うけれど。