もくじ
初回投稿:2026年08月23日 13時18分
最終更新:2026年08月23日 13時37分
公演前情報
公演・観劇データ
| 項目 | データ |
|---|---|
| 団体名 | 南極 |
| 題 | 宇宙戦争 |
| 脚本 | こんにち博士 |
| 演出 | こんにち博士 |
| 日時場所 | 2026/08/22(土)16:00~ 東京建物ぴあシアター&カンファレンス(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
フィクション界に燦然と屹立する、極大的なSFテーマである“宇宙戦争”。 南極は第10回本公演として、新作戯曲「宇宙戦争」をオール南極で上演する。
H・G・ウェルズが1898年に発表したSF小説の金字塔「宇宙戦争」は、後に都市伝説となる1938年のラジオドラマ放送や、巨匠スピルバーグによる映画化など、極大的なモチーフとしてフィクション界にそびえ立っている。そんな『宇宙戦争』にオール南極キャストで挑む。新作となる南極版『宇宙戦争』では、現代の若者たちの瑞々しい生活を軸にまったく新しい物語を展開する。
破壊ランナー(惑星ピスタチオ)
サマータイムマシン・ブルース(ヨーロッパ企画)
太陽(イキウメ)につづく、
2026年のエポックメイキング的SF演劇へ。惑星ピスタチオの「破壊ランナー(初演・1993年)」、ヨーロッパ企画の「サマータイムマシン・ブルース(初演・2001年)」、イキウメの「太陽(初演・2011年)」、それらエポックメイキングとなるようなSF演劇の名作の歴史をたどると、10年周期でそれらが誕生していることがわかる。2020年に誕生し、演劇界のニューウェーブを起こしてきた南極が、2020年代のエポックメイキング的SF演劇に挑戦する。
上演はたった1回きり!大スケールかつ極めて演劇的な意欲作が、ぴあ新劇場にて閃光し、炸裂する。
演劇とカルチャーをつなぐ独自のムードと世界観で、演劇界のニューアイコンとなりつつある南極。その第10回本公演となる本作は、今年5月にプレオープンしたばかりの新劇場「東京建物 ぴあシアター」を会場に、たった1回限りの上演として立ち上がる。料金は、覚悟と祈りの一律2,000円。南極がすべてをかけて演劇ビームを放つ。
[南極]()
過去の観劇
- 2026年05月16日 南極「ホネホネ山の大動物」
- 2025年03月28日 南極「wowの熱」
- 2024年09月21日 南極ゴジラ「バード・バーダー・バーデスト」
- 2024年03月31日 南極ゴジラ 「(あたらしい)ジュラシックパーク」
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
Story
地球征服を目論む異星人が都市に襲来し、前線から遠く離れた半島の団地では 陰謀論が立ちのぼる中、男は地底でニュース演劇に熱中し、恋をする。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
| 項目 | データ |
|---|---|
| 観劇日時 | 2026年08月22日 16時00分〜 |
| 上演時間 | 140分(途中休憩なし) |
| 価格 | 2000円 全席指定 |
満足度
(3/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
宇宙戦争
どうやらこの物語の2026年は宇宙戦争をしているらしい。凪(なぎ)は、古いマッキントッシュで戯曲を書いて、幼馴染みの光線(こうせん)に読ませているが、完成する気配はなく。宇宙飛行士になりたい転校生環(かん)と出会う。時は流れて学校の友達は就職し光線もゴルフボール拾いをしているし環も宇宙飛行士ではなく…宇宙人の電波を妨害する仕事をしているが、凪は街から出ていない。同窓会の松屋の帰りで、凪に街から出て何か始めるようにけしかけると、凪は行方不明に。責任を感じる光線は凪を探すが、そしてたどり着いたのは地底。地底にあるニュース演劇を上演する名もない秘密組織だった…と、書いていてちょっと自信がないけれどまとめてみるとこんなお話。
「南極ゴジラ」改め「南極」が、2026年5月にできたばかりの座席数800の劇場「東京建物 ぴあ シアター」で打つ一日・一回だけの公演。劇場規模・立地に比して2000円と入場料が安い。2回の先行予約はチケットぴあでの抽選だったが、私は2回ともハズれ。一般販売はすぐに完売で買えず。ぴあのリセールで何とかチケットゲット。公演の打ち方といい作品紹介に並べる過去の名作といい、かなり「煽る」PRの仕方をしているのは確か。劇団としても今後の活動の分水嶺になる、渾身の一作ということだろう。チケットはゲットできたので、他の予定も抑えてスケジュール確保しての観劇(16時ってスケジュール組むのムズイよねw)。期待値MAXの観劇だったのだが。
満足度の星は3や4か悩んで3。うーむ何とも消化不良感が強い観劇。表現としては唯一無二ではあるし新しい事・新しい演劇を「南極」に期待している自分はいるのだけれど、その期待値を満足させるには程遠かった。私自身が愛してやまない「破壊ランナー」と比べるのは、申し訳ないがとても無理だなぁという感覚。
劇場が大きくなったので、今までの小劇場向けの南極のスタイル…舞台美術をどうスケール(アップ)するのかがまず気になった。間口と奥行きが広い分、南極のスタイルを維持しつつ空間を埋めるのが大変だろうな…という感覚を事前に持っていた(すごく雑な捉え方ではあるが)。結果、劇場にあわせてスケールさせた感覚は余りなく、むしろ小劇場そのままのスケールで乗り込んで、舞台転換等を出演者も含めた人力でカバーする演劇…に見える。一番その事を感じたのは…サカナクションを聴きながら走る夜の道路の車が、なんかどうにも小さいこと。この劇場規模で、このサイズと質感の車なのか…と思ったのが鮮明に印象に残る。作りかけたバイパス道路の柱…は大きかったけれど、なんか物語の質感とはちょっと別のところにある感覚。やっぱ2000円のチケット代だと、この感覚のスケールに留まってしまうよなぁ…という感覚。10000円くらいとってもっと南極感でガッツリ劇場を埋め尽くしてもよいのだけれど…まぁ興行としてのリスクは高いよなぁ。
「宇宙戦争」ってタイトルで("Space War"とか英訳すれば、期待するスケール感が如実になるけれど)、ドンパチ的なの?を事前に期待してしまうのだが、後半地底に潜ってニュース演劇の話が出てくるあたりで、地底に潜るワクワク感を感じるのと同時に、地底の状況が明らかになればなるほど「宇宙戦争」のタイトルが霞んでしまう。あれーっ宇宙じゃないの?また地底なの?って、これまでの南極を観ている人はツッコミ入れたかったんじゃないのかなぁと思う。ラスト。特効さんに作ってもらったレーザー銃?を凪に向ける光線。物語としては「撃つはずないし、撃ったらダメだぞ」と思っているのと同時に、表現としては「レーザー銃ぶっぱなす場面観せずにこのまま客を帰すのかオイ」っていう二律背反な想い。その後、後方にタイトルが出て…あー特効さんの銃はやっぱり撃たれないのかぁ…とガッカリ。展開する光景は特殊で興味深いけれど…観たいのソレジャナーイ、が続く感覚にフラスト。
物語。これまでの作品でも物語の弱さは感じていた。壮大な宇宙戦争と凪の個人的な戦争を対応させて描くのは良いとしても、物語の面白そうな要素をとっ散らかすだけとっ散らかして、あまり回収しないまま終わったよなぁ。「宇宙戦争」を、特殊効果ではなくて凪の戦争と捉えた時の…転校生・環との関係も中途半端だし、宙に浮いた凪の部屋って物語として使うにはすごく良い素材なのに…そのあたりの物語への取り込みも無し。松屋で同窓会って…なんかありそうで面白いけれど、同窓生の話は地底になったら完全に消えていたように思う。要は、凪の内面的な戦争の話が弱い、っていう事なんだろうなぁ。だとすると「宇宙戦争」の要素、持ち出す必要あったのかなぁ…締切りの都合で、タイトルだけ先に決めてしまったのかなぁ…なんてことも思ったり。
一回限りの公演。今大注目の劇団という事もあり、客席に演劇人が多い。右後ろ・左後ろの観客が、それぞれ別の劇団のグループで、開演を待ちながらちょっとした劇団会議な会話を始めてしまうのが中々に…(汗)。トイレに行けば、某劇作家と某演出家が列に並んでいる。あーこの劇作家さんとは、どういう訳か劇場のトイレでよく出会う。もちろん私が一方的に知っているだけなので先方は私の事は知らないだろうけれど。そんな「小劇場界」が集まってしまう客席…これって誰向けの演劇なのかなぁ…みたいなことが分からなくなってしまう自分に気が付く。カーテンコールの「演劇を面白くしたい」というこんにち博士のコメントとは裏腹な、ちょっとアンマッチナ客席だったのではないかなぁ…などと思うのだが、どうすれば整合するのかが難しいのが今の演劇なのかもしれない。
カーテンコールで、映像版「宇宙戦争」も出るとの宣伝。今回の公演はかなりの台数のカメラで収録していたが、どうも舞台版の収録ではない、まったく別の映像版があるらしい…と解釈した(意図が分かり難かった)。またこの演目で、来年以降?地方を回るとの発表も。1回限りの公演。演劇の一回性を前面に出した公演形態にもかかわらず、映像版と地方公演の発表って何だか違和感あるんだよなぁ。この場所に居合わせた事を将来貴重な体験だと思わせるような売り方とは逆行しているように思い。





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