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【観劇レポ】シーエイティプロデュース ミュージカル「最後の事件」

#芝居,#シーエイティプロデュース

【ネタバレ分離】 シーエイティプロデュース「最後の事件」の観劇メモです。

初回投稿:2026年02月13日 0時28分
最終更新:2026年02月13日 0時29分

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名シーエイティプロデュース
ミュージカル
最後の事件
脚本ソン・ジェジュン
演出ソン・ジェジュン
日時場所2026/02/07(土)~2026/03/08(日)
博品館劇場(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

設立以来20年以上、舞台の裏方として様々な舞台製作にかかわってきたCATですが、ついに2001年4月、舞台の企画制作を専門に手がけていく株式会社シーエイティプロデュースを設立いたしました。 まだまだ試行錯誤の毎日ですが、ジャンルも、翻訳劇からオリジナルミュージカル、コメディー、ファンタジー、バラエティ、イベントと多岐にわたり、企画から立ち上げて、年間数本の舞台づくりに励みます。 照明・美術などの高い技術力とノウハウを活かし、足腰の強い舞台づくりを目指して、スタッフ一同日々意気揚揚と頑張っております。 観客の皆様に喜んでいただけるような舞台作りはもちろん、当サイトも皆様から愛され、常にいろいろなご意見やご感想をいただけるようなアットホームなサロンを目指しますので、いつでもお立ちより下さい。

https://www.stagegate.jp/

シーエイティプロデュース

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

〈INTRODUCTION〉
話題の韓国ミュージカルが日本初上陸!
小説の世界と現実が交錯する、2人だけの濃密な物語。

アーサー・コナン・ドイル(作者)とシャーロック・ホームズ(物語の主人公)の“最後の事件”
本来交わることのないはずの2人が、小説と現実の狭間で攻防を繰り広げる。

本作は、世界一有名な探偵のひとり「シャーロック・ホームズ」を生み出した作家アーサー・コナン・ドイルの知られざる心の内面と苦悩、そして彼にまつわる隠れた実話をもとに、ミュージカルとして新たに創作された作品です。
世界的な名探偵を生み出した彼が、なぜ自身のキャラクターと対立することになったのか、成功の裏にあった夢と葛藤の物語が、舞台上で明らかになります。

〈STORY〉
患者が訪れない病院の医師であり、読者に見放された作家、アーサー・コナン・ドイルは人生を変えるため探偵小説を書き始める。
その小説の主人公の名はシャーロック・ホームズ。
ホームズは完璧なプロファイリング能力を備え、探偵として必要な全てを兼ね備えた最高の探偵である。
作家と小説の中の登場人物でありながら、ドイルとホームズは最高のパートナーとなり、探偵短編小説を完成させていく。
小説内の様々な事件を華麗に解決していくホームズに、人々は熱狂していった。
ドイルはホームズが主人公の探偵短編小説で成功している中、長年夢に見てきた歴史長編小説を書きたいと願うが、出版社からは「ホームズが登場しない小説は必要ない」という拒絶ばかりを受ける。
ドイルは自身の夢を叶えるため、ホームズとの運命を変える重大な決断を下す。
小説と現実が入り混じる中、果たして二人の結末はどうなるのか――

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2026年02月12日
18時30分〜
上演時間95分(途中休憩なし)
価格11000円 全席指定

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。

感想(ネタバレあり)

シーエイティプロデュース「最後の事件」

読み切りの短編としてシャーロック・ホームズが売れて作家としても名が売れたコナン・ドイル。舞台上の自室にはホームズがいて、ドイルに語りかけてくる。父の死をきっかけに、自分が書きたかった小説を書き出版社に売り込むも全く相手にされない。人々が求めているのはホームズの物語。物語の中でホームズを殺そうにも…生半可な殺し方では読者が納得しない。そこでドイルは、ホームズの最強の敵モリアーティ教授を誕生させ、ホームズにけしかける。応じるホームズ。・・・もちろんそれはドイルの部屋の中のどこか妄想の中のお話で。コナン・ドイルと、その心の中で誕生させた物語上の人物シャーロック・ホームズの対話の物語。

最近、気になりだしている韓国ミュージカル。先日観た「2025 K-Musical Roadshow in TOKYO」で話題に出た韓国ミュの秀作が上演されるというので観劇。ドイルとホームズ二人のみ。舞台的に特殊な演出があった訳でもない、とてもとてもシンプルな舞台、シンプルなミュージカルなのだけれど、物語の深さに惚れて途中からうなりながら観ていた。その物語を支える曲も俳優もよし。韓国ミュージカルの秀作だというのは本当。観れてよかった!と思った作品だった。韓国ミュージカル、というのだけを手掛かりに観に行ったので、事前にあらすじを読まなかったのもよかった。その場で物語の展開を味わった方が良い舞台だと思う。

冒頭。ちょっと変わった場所から、でもごくごく自然に登場する、小説の中の人物ホームズ。コナン・ドイルの部屋の中をホームズが歩き回る…要はこの物語は全編、ドイルの頭の中の物語なのだ。出てきたホームズがちょっと能天気で「え、この能天気な会話がずっと続くのか…?」と、ちょっと不安になるも。30分くらいで、「シャーロック・ホームズ」という稀代のキャラクターを生み出してしまった事にドイル自身が悩むあたりから、この物語凄いかも…と思う。ホームズを物語の中で殺そうとしても、それは所詮は脳内の想像。ドイルが、いかにホームズという人物に「とらわれて」しまうのかがよく分かる。

中盤、若干自暴自棄になるドイル。。。。もう観客の心の中では「モーリアーティ!モーリアーティ!」コールが起こっている…。ホームズの宿敵、モリアーティが出てこないわけがない。モリアティを、気が付けばドイル自身が演じている。もうこの頃には物語にかなり前のめりになっている。私自身シャーロック・ホームズシリーズに詳しい訳ではないが、モリアーティ教授とライヘンバッハ滝に落ちて行方不明になった…というラストがあるのは、おぼろげに記憶していた。今調べてみると、読者の抗議にあってホームズは生き返るらしい。(そういえばドラマ版で生き返ったホームズかひょっこりワトソン君の部屋に来る回を見た事があるな…)。

要はこのミュージカルのラストの後も尚、ドイルはホームズを葬ることができなかった…という事が真実で。ドイルという作家の推理小説以外の作品が殆ど知られていないことからも、誰もがよく知った作家の見過ごされがちな葛藤をミュージカルにしたんだなぁという事に気が付かされる。その葛藤をミュージカルに載せるのだから…なかなか韓国人作家もにくい物語を書くなぁ…さすか韓国でヒットしたミュージカルと思い、唸らずにはいられなかった。

ミュージカルの曲は、耳に残るものは殆どなかったものの、どちらかと言うと曲を耳に残すというより、二人の…いやドイルの感情の移り変わりを曲に載せるという感覚。耳には残らなくても、感情含めて自然と心に入ってくるのが心地よい。私が観た回は(スケジュール上の理由で特に選ぶことなく)髙橋颯と糸川耀士郎の出演回だったが、最初は軽い感じの二人の関係が、どんどんと深刻になっていく様子がとても良かった。ドイル、ホムズそれぞれ3人ずつでシャッフルキャストなので、他のキャストでの芝居も観てみたい思いが強く生まれた。

韓国の作家、よくよく考えるとミュージカルを書くのに向いているのかもなぁ。人間としての葛藤がちゃんとあり感情の高まりを描く。韓流ドラマではひつこく感じていたような要素も、ミュージカルだとちょうどいい塩梅だったりするのかな…。とにもかくにも、韓国ミュージカルの秀作を観れて大満足な観劇だった。

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