<観劇レポート>24/7lavo「ドント・コールミー・バッドマン」

#芝居,#24/7lavo

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 24/7lavo「ドント・コールミー・バッドマン」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名24/7lavo
第2回公演
ドント・コールミー・バッドマン
脚本深谷晃成(第27班)
演出池田智哉(24/7lavo/feblabo)
日時場所2021/10/14(木)~2021/10/19(火)
新宿シアター・ミラクル(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

24/7lavo

(読み:にいよんなならぼ)
(意味:めっちゃ頑張り屋さん)
(略称:にーらぼ)

24/7=英語の「24/7(Twenty four seven)」=「年中無休」と、
イタリア語の「Lavoratore」=「働き者」を組み合わせた造語で、
「めっちゃ頑張り屋さん」という意味です。

東京を起点に活動。
俳優の田中園子、寺園七海、平井泰成と、演出家の池田智哉からなる劇団。
2021年、池田の呼びかけにより結成。
5月中旬に旗揚げ公演を予定。

(今のところ)特定の脚本家を持たず、様々な作風の作品を上演する予定。

24/7lavo

過去の観劇

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

24/7lavoの二回目の公演は、
特別な人生になりたい人間と人間達の群像劇。

STORY:
残りの人生を想像してみる。
30過ぎたくらいに「なんか大人になった気がするから子供を育てられるかもしれない」と
思える。けどその時に子供を育てる貯金はない。
40ぐらいで自分が何者かになる事を諦めるだろう。
50を超えたら性欲が衰えそれにつられて様々な欲求が無くなる。何も目指したいものはな
い。
60歳。こっそり馬鹿にしていた「このおじいちゃん、この歳でも働かないと生きていけな
いんだな」という人に俺もなり、その後死ぬまで細々と生きていく。

きっとそうだろう。きっとそうなんだ。
それでいいじゃないか。それがいいじゃないか。

馬鹿にしてくれ。蔑んでくれ。
つまらない人間であってくれ。
そうでないと心が、糸が、切れる。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2021年10月14日
19時00分〜
上演時間115分(途中休憩なし)
価格2500円 全席自由 初日割

チケット購入方法

劇団ページからのリンクで、CoRichで予約しました。
当日、Suicaでお金を支払いました。

客層・客席の様子

男女比は6:4くらい。
様々な年齢層のお客さんがいました。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・シリアス
・会話劇
・ハッピー

観た直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

3つの世界が同時に展開する。
1つは、劇団。旗揚げ公演。小屋入りしたのに、演出家兼作家は、何を表現したいのか迷っている。でも、傍からみると「転売ヤーに復讐したい」的な、かなりどうでもいいテーマに見える。そんな小屋入りした劇場のお話と。
1つは、SNSのマッチングアプリ。期待して来た女の子が、ズバズバと鋭い。自分の人生観をしっかりと持っている。「あなた、全く面白くない。無難に生きてる」と、一刀両断されて。ちょっと下心もあったはずなのに、気が付けば自分の人生を振り返り出してしまう話と。
1つは、中学校。いじめ。教師は自分の事で精一杯で、助けてはくれない。Bump of chickenを聴いてしのいでいたら、隣のクラスの女子と友達になった。でも、距離感が分からなくなり、その子も傷つけてしまうお話。

3つのお話は、ラスト30位まで交わる事が無いが、結果的には中学のいじめの、加害者と被害者の物語。被害者は、何者かになりたくて劇団を作った。加害者は、何物にもなれずにくすぶって、チャラくマッチングアプリをしていた。それぞれがその後、どういう人生を歩んだか。物語が1点に結びつく。その対峙を描く物語。

全く交わらない個々の物語。ラスト、どう落とし込むのか、という疑問は抱えつつも。一つ一つの世界が、とにかく面白い。劇団で舞台を作る演出家、舞台監督を兼ねた照明家に詰め寄られ、役者には演技の意図を聞かれ、困っていく演出家。劇中劇モノ、と言えばそうなんだけれども。会話の生々しさがヒリヒリと刺さってくる。いじめられている中学生。先生が怖い。絵に描いたように「関わりたくない」という姿。でも、先生には先生なりの事情があり、考えがある。不器用な先生のやり取りを通して、人それぞれの事情が見えてきたり。SNSで出会った福祉系の仕事をする女性の芯の強さと、男のチャラさが、観ていて悲惨なほど対照的。

全編を観終わって、引いてみると、割とよくあるいじめの物語、と言えなくもないのだけれど、個々の世界が面白く描かれているので、どう結びつくのか、みたいなことに興味津々。ラスト、急速に交わっていく物語の中、中学時代の取っ組み合いの喧嘩は、観ていてヒリヒリするものがあった。

いじめを扱った物語だと、直近、ゆうめいの「ゆうめいの座標軸『弟兄』」がとにかくインパクトが強く、自然と思い出さざるを得なかったのだけれど。一方的な断罪としていじめを捉えている「弟兄」に比べると、いじめる側とのがっぷりよつの対峙を描いているこの作品の方が、むしろ救われるし、真摯でもあるように感じられた。

役者さんが上手い。特に気になったのは、平井泰成、どこかで拝見したと思ったら、吉祥寺GORILLA「誰か決めて」の太宰治役の人だった。音峯大樹、終始マスクなので顔が分からなかったけれど、演出家に突っ込むのが絶妙すぎる。田中園子、引きつった顔の先生があまりに印象的で、演技していない時どんな人なんだろう…なんて事を思う。杏奈、ラストの涙…背後で何があったのか、正確なところが分からなかったのだけれど(多分私の理解力の乏しさ)、説明しなくても伝わってくるものが凄かった。寺園七海、鋭い人格の演技はもちろん、ラスト実名を明かして、振り向いて去っていく時の、素に戻る瞬間の顔があまりにもリアルでゾゾっとした。

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