<観劇三昧>柿喰う客「傷は浅いぞ」 アイドル「矢衾愛弓」が駆け巡る。ノンストップ、パワープレイ。

#芝居,#観劇三昧

こんなパワフルプレイ、実際の舞台で観たらどれほどの迫力なんなだろう。

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今回も、演劇動画配信サイト「観劇三昧」から。
柿喰う客「傷は浅いぞ」。2012年の作品です。
この原稿を書いている段階では、無料で観ることができます。

ネタバレなし。のストーリー

なかなか芽が出ないアイドル「矢衾愛弓」。彼女が選んだ起死回生の一発が、人気テレビ番組「電波ガールズ」への出演。アイドル殺しのゲームに3週勝ち抜くと、冠番組を持つ事が出来るのだ。彼女は無事、冠番組を持つことができるのか!「矢衾愛弓」の戦いが始まる!

と、ストーリーだけ強引にまとめると、こんな感じです。
柿喰う客の初期の作品という事ですが。この作品は見る価値あります!出演者が4人しかいないとは思えない。セットは殆ど何もない舞台で、次から次へと繰り広げられる展開。パソコンの画面で観ていても、十分に迫力は伝わります。さすがの人気劇団!気になる方は、ぜひ「観劇三昧」で鑑賞してください!

感想

矢衾愛弓が、電波ガールズのゲームに次から次へと挑んでいくことで進むストーリー。どんどんとエスカレートする美矛の陰湿ないじめにも負けず、愛弓がとにかく純粋に「アイドル」でいることに誇りを持っている様は、清々しい感動を呼びます。全編笑のコメディの演劇にもかかわらず、テーマは一貫。「誇り」。落ち目のアイドルで、アイドル泣かせの茶番劇のゲームでの、矢衾愛弓は決して手を抜かない。気が付くと、一途な様で突っ走る彼女を応援している自分がします。
一方、かつてアイドルになれなかった美矛。陰湿ないじめのパワーは、人間のドロドロした何かを端的に表しています。硫酸とか、ナイフとか、実際にリアルで見てしまったらかなり引く要素が多かったけれど。

ただ、ラストシーンが解せない。セリフもよく聞き取れない。台本が入手できるので、よくよく読んでみると、中盤で自殺したアイドル、園山あきな、に語りかけている。んー。「夢落ち」とも取れるし、実は、矢衾愛弓と、園山あきなは同一人物だ、と取る事もできる。んー。どう取ればいいのだろうか。謎を残した幕切れだった。

パワフル、駆け回る役者さんたち

パンフレットにも出ている、深谷由梨香。アイドル衣装でかけずりまわるパワーは底抜け。葉丸あすかの「ドロドロした執念」の演技も見物だ。永島敬三は、マシンガンのようにしゃべり、体を動かす。舞台の流れを創っていた。大村わたるの女装は、何だか妙にドはまりしていた。傾斜のある、しかしセットの何もない舞台を、所狭しと駆け巡る役者たち。

今週末から新作公演!

今週末から、新作「美少年」が初日を迎えるのですが・・・、残念ながら既にチケットSOLD OUTで観に行くことできず・・・と思ったら、追加公演は、席が取れました。今ら楽しみです。

小劇場のチェックは観劇三昧で

小劇場の劇団。
知らない劇団に、最初に足を踏み出すのって、
勇気要りますよね。
観劇三昧」で過去の公演をチェックして、
好みに合うかどうかを調べてから行くと、
お気に入りの劇団にあたる可能性が上がるかも。

柿喰う客の作品は、たくさんあります。
いまさらキスシーン
へんてこレストラン(2016)
サバンナの掟
天邪鬼
変身
無差別
ながぐつをはいたねこ
へんてこレストラン


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