<観劇レポート>feblaboプロデュース「日曜日よりの使者2019」

#芝居,#feblabo

【ネタバレ分離】


観た芝居の感想です。

公演前情報

公演・観劇データ

団体名feblaboプロデュース
feblabo×羊とドラコ 大阪→東京→石巻三都市ツアー公演
「日曜日よりの使者2019」
脚本竜崎だいち(羊とドラコ)、目崎剛(たすいち)
演出池田智哉(feblabo)
チーム東京Aチーム
日時場所2019/11/22(金)~2019/11/24(日)
新宿シアター・ミラクル(東京都)

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

feblaboとは?
東京の演出家・池田智哉による一人企画・プロデュースユニット。
読みは「ふぇぶらぼ」。2006年始動。
毎回脚本家を招き、池田が演出するスタイルをとる。これまで組んだ脚本家は50人以上、演出作は長短編併せて100作品を越える。再演も多い。何よりも脚本を重視し、空間とそこに存在する俳優と役割を掘り下げ、「嘘のなさ」を引き出す演出が特徴的である。

羊とドラコとは?
⻯崎だいちの個人ユニット。
2015年1月、ユニット名発表。関西を拠点に活動中。
表舞台は苦手な本名の自分と、⻯崎の名を名乗る非常に活発な自分。二つの自分をつなぎ合わせ、ユニット名として具現化。
2013年まで在籍していた関⻄の劇団「ミジンコターボ」で培ったファンタジーの世界は勿論、やりたいことは全部やるをモットーに様々なジャンルに挑戦中。

feblabo×羊とドラコとは?
2011年1月に「日曜日よりの使者」初演を大阪でたまたま観たfeblabo池田が、2017年4月に石巻の街に立った時に、「石巻で『日曜日よりの使者』を上演したい」と思い立ったことから、いしのまき演劇祭に参加し、東京の俳優と石巻で3年間で3度の上演が実現。
今回は、満を持して、本家の初演キャストの大阪チームの羊とドラコと、3年間『日曜日よりの使者』を上演してきた東京チームのfeblaboが、それぞれの『日曜日よりの使者』(と、もうひと作品ずつ)を引っ提げて、大阪・東京・石巻の三都市をめぐります。

502 Bad Gateway

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

「いまこそわかれめ」
脚本 目崎剛 (たすいち)
演出 池田智哉(feblabo)
出演 塩原俊之・大和田あずさ

「ちゃんと仰げば尊し歌った?」
いつもの喫茶店。いつもの席。目の前の親友は不意にそんなことを訪ねてきた。
いつもと違うのは、卒業式だったこと。卒業しなくてはいけないのだということ。
親友の「仰げば尊し」講座が始まって、いつも通りにくだらない話をしながら、僕達は卒業していく。
卒業しなくては、ならない。

「日曜日よりの使者(東京版)」
脚本 竜崎だいち(羊とドラコ)
演出 池田智哉(feblabo)
出演 荻山博史(smokers)・島田雅之(かはづ書屋/DART'S)・堀ユーヘイ(SUANA)

とある日曜日。懐かしい喫茶店。
コーヒーメーカーがゆるゆると、こぽこぽと音を立てる。うっすら波の音が聞こえた気がする。老人がトイレから帰って来る。他に人はいない。挽きたての珈琲のいいにおいがする。老人、においに誘われ、珈琲に口をつけようとしたその時。けたたましい声とともにもう一人、老人が現れる。
これは、リクオとハマオの友情物語。
ほれ、懐かしいじゃろ、このにおい。あのころのこと、何か思いださんかーー?

観劇のきっかけ

feblabo他、見たい要素、役者さん満載の公演です。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

観劇日時2019年11月22日
20時00分〜
上演時間80分(途中休憩なし)
価格2800円 全席自由

チケット購入方法

CoRichiのページで、当日清算で予約をしました。当日受付で料金を支払いました。
https://stage.corich.jp/stage/103671

客層・客席の様子

男性8割:女性2割。男性は30代〜40代が多く、女性は若い方が多かったです。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・泣ける
・笑える
・会話劇
・シンプル

観た直後のtweet

映像化の情報

情報はありません。

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

「いまこそわかれめ」

作品自体は、今年の2月に観て以来2度目。そして、前回も同じキャスト。大和田あずさと、塩原俊之。
ページが見つかりませんでした – なんかくうかい
初めて観た時、感想を言葉にするのに凄く苦戦した作品だった。大和田あずさの可愛さと、塩原俊之との2人のかけ合いのみずみずしさにとても感動したのだけれども、作品として、物語として、何を示しているのか、上手く言葉に出来なかった。その日は4作のオムニバス。「笑の太字」に思いっきり感銘したこともあり、そちらに気を取られていて。それ以上は考えられていなかった。

日常生活で、たまにふと「こそ+已然形」っていう言葉が思い出されたり、突然、「何故クレジットカードで会計したんだろう」、何ていう事を再度考えたりして。とにかくこの作品は、引っかかっていた。2人の出演している舞台を観に行ったりすると、突然リフレインしてきて、それが意味するところがよく分からなくて・・・要は作品をちゃんと解釈できていなくて、何なんだろう、と不思議に思い続けていた作品だった。

二度目を見て思う。記憶が正しければ・・・多分、物語が前回とは異なる。ラスト。クレジットカードで会計をする下りは、現金でのお会計に変更されていた。会計の後、泰司は学ランを脱ぐと、喪服用の黒いネクタイ。・・・うーん、こんな下りはなかった。この物語だと、玲奈は既にこの世にはいない。これは泰司が、彼女を振り切るための物語、という事になる。彼女は泰司に、一年に一回、ここで逢いたいというが、泰司はもう会えないと告げている。・・・逢いたい、逢えないの関係が、前回は逆だったと記憶している。命日に来る、という事だろうか。

多分。この物語は、何かあがなえない「別れ」について、描いている作品なのだと思う。それは純粋に「卒業」という風にも取れるし「死別」という風な解釈の物語にもすることが出来るし。2月に観た時に書いている通り「観る側に解釈を与え」つつも、その時に応じての物語に変容しうる、という事なのだろう。今回の公演、いくつかのバージョンは、この後、宮城県の石巻での公演が控えているとの事。今回の「いまこそわかれめ」のアレンジは、その事を意識したものだったのかな、と捉えた。

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「日曜日よりの使者(東京版)」
ストーリーは。
老人が営む喫茶店に、ボケてしまって、自分が何処から来たのか分からなくなってしまったような別の老人が来店する。一緒に記憶をたぐるうちに思い出される、若い頃の記憶。そして、小学校時代の友人と死別した記憶。・・・実はボケてしまった老人は、もう死んでいて。天国から迎えに来た、小学校時代の死別した友人が、喫茶店の老人だった。その生きた「記憶」を、舞台に立体化していく・・・という話。

ベースになる回想・・・というか、老人が記憶をたぐるお話は2つ。カモメに突っつかれても、海辺でご飯を食べる2人と。小学生の頃、女の子に告白するために無理をしてボートに乗って、そのまま帰ってこなかった友人の話。カモメの話は、若い頃の無理や無茶を象徴しているように思うし。後半の話は、やはりトラウマという部分を描いているように捉えた。

舞台は、主に役者さん2人しかいないのだけれども(後はギターの人と、パーカッションの人、1人ずつ)。何だか強烈なもの、・・・生き様というのか、生きた記憶というのか、切なさというのか、愛おしさの記憶というのか、悔しさというのか、いろいろな感情が、舞台の真ん中に立体化して見えた、そんな舞台だった。ストーリーだけ書き下してしまうと、ごく数行程度で済んでしまう。のだけれど。その「ああなって、こうなって」というストーリーだけでは、とても書き表せないような感情の流れというのか、現実感が、そこにあった。

忘れていた。上演前にレーズンチョコが2つ入った小さな袋を渡されて、上演中に主人公のリクオが食べるのに併せて、客も一粒ずつ食べて欲しい、との説明が上演前にあり。味の感覚も、一緒に共有したような不思議さ。あるようで無かった演出かもしれない。

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役者さん。塩原俊之、大和田あずさ、このペア、大好き。他の作品も、ペアで、あるいは共演して、上演してくれないかなぁ・・・、というワガママな事を言ってみる。島田雅之、迫力が凄かったなぁ。荻山博史、お爺さんの作り方というのか・・・特に喫茶店のお爺さん・・・静かに受け止める感じがとても印象に残った。

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