<観劇レポート>PUNKBANK「Life On Mars?」

#芝居,#PUNKBANK

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 PUNKBANK「Life On Mars?」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名PUNKBANK
PUNKBANK第6回公演
Life On Mars?
脚本秋草瑠衣子
演出秋草瑠衣子
日時場所2020/10/29(木)~2020/10/31(土)
スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

2012年 野田地図『エッグ』で共演した秋草瑠衣子と後東ようこが生んだパフォーマンスユニット。
2019年、末冨真由、土肥麻衣子、真崎ゆかが2020年にスタッフとして常松祐太が新たに加入。
アラサー女5人が色んな方と力の貸し借りをし演劇を中心にパフォーマンスを行っていく。

PUNKBANK

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

容姿端麗な処女しか入店できないレビューサロン「ル・クラブ・ド・マーズ」でセイシュンをひた走少る女たち。「夢」や「希望」に隠された信仰心・自己愛・承認欲求と、社会から分断された環境での人間の結束とそこから生まれる幸福感をテーマにした、グラマラスかつ奇妙な美女軍団ミュージカル。

観劇のきっかけ

ストーリーを読んで気になっての観劇です。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2020年10月29日
19時30分〜
上演時間130分(途中休憩なし)
価格4000円 全席自由

チケット購入方法

劇団ホームページのリンクから、予約しました。
当日、現金でチケット代を支払いました。

客層・客席の様子

男女比は6:4。男性は30代以上upが目立ち、女性は若い人が目立ちました。

観劇初心者の方へ

初心者でも安心して観劇できる作品です。

芝居を表すキーワード
・ミュージカル
・にぎやか
・考えさせる
・シリアス

観た直後のtweet

映像化の情報

情報はありません。

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーを補足すると。
地球は環境破壊でひん死状態で、男は死に絶えていて数少なく、女しかいない。そんな世紀末の地球の物語で。「マース」は、全ての女子が夢見る場所。友人同士の、希と、"お前"。希が1年先に入学し、"お前"は1年遅れて「マース」に入学。入学祝いのパーティが終われば、厄落とし?のパワハラに明け暮れる、先輩後輩たち。それを取材に来ている、配信系放送局の人。マーザー2人は火星人で。スーパーマーザーは、単にお飾りだった事が分かり。「処女」のランクから「淑女」に昇格すると、ゴット・マーザー春日部一代の性の相手をさせられる。ただ、男が極端に少ない社会なので、性の相手をさせられている事すら気が付かない。「マース」の実態とは何なのか。迫りくる台風とは何なのか。そして、人々は火星に逃げ延びる事が出来るのか…。と、端折りまくってまとめると、こんな話。

前半1時間は、ふざけるな、と思った。美人が踊り演じるのは、男の私としては観ていて嫌いじゃないけれど、近未来のホスト的な場所。入店するのは超難関で、入店しても切磋琢磨する人々。負けたら殺されたりしそうな空間・・・って、なんて甘々な設定なんだろう、と思う。女性ならではの陰湿さを、火星に移住しそうな未来の地球で展開して、一体何を見せたいのか、というのが前半の本音。どう見たって薄っぺらく見える物語・・・。一体何を観たらいいのでしょうか、という、イライラ感があったのが事実だった。

このレビューサロン、しきたりや所作なんかが、宝塚音楽学校、宝塚歌劇団を連想させる。夜な夜な行われる厄落とし?の儀式。先輩たちが後輩たちに、ダメなところを容赦なく指摘していく会が、想像できてしまうけれど、現実だとしたら怖い。創り手が、宝塚歌劇団出身、というのは承知していたが、それにしても宝塚音楽学校のステレオタイプな現実?を見せる事に、どんな意味があるのかな、と、期待と不安と半々くらいになったところで、後半の1時間。やっと物語が展開してくる。

実際の宝塚の内情と、どの程度一致するのかは脇に置くとして・・・、表現する時の「ストイックさ」「一途さ」みたいなものと、それに生を捧げてきた事を、描きたいのだと感じる。そして、それは、「マース」という、若干馬鹿げた設定のホストクラブのように、冷静になるとバカバカしくて、滑稽な姿をしていて。でも、渦中にいる時は、地球滅亡寸前で火星に飛んで生き残れるかくらいの切実な問題で。そして、常に美しくて。そんな表現の構造に気が付いて、ハッとさせられた。身を削って、それまでの表現に掛けてきた想いを、精一杯茶化すことでド真面目に表現したように見えた。その意味で、身を削ってこの作品を作ったんだろうな、という事を感じると、うっすらと涙まで出てきてしまった。

私の考え過ぎかもしれないけれど、マース=宝塚の隠喩は、宝塚に限らず、表現全般のパワハラ的な構造にも展開できると思った。善悪はともかく、人の真摯さが、そういう行動につながる事がある、という意味の話。あるいは、浅間山荘事件の日本赤軍の粛清(という名のリンチ・殺人)とか、日大のラグビー部のパワハラ問題とか、そんな事もふと連想してしまう。人間のサガ的な部分でもある。でも、何かに真剣になればなるほど、そういう側面を持たずにはいられない、という事にも見えてきた。善悪みたいなものを回避して、その事を描こうとすると、ここまで茶化さないといけないのかな、みたいな事を思うと、少し今の日本にうすら寒いものを感じる面もあるものの、後半1時間、意外にも鋭いところを刺された感覚。みぞおちを突然殴られたような、そんな鋭い演劇だった。その意味で、前半をもう少しコンパクトにして、後半の膨らませ方を大きくすればいいのかな、という事を感じる。

女性たちの立ち姿が、それこそ宝塚音楽学校の生徒のように、奇麗。奇麗さが、後半の展開では逆に不気味に見えてくるのかイイ。歌が一部、録音だったのが残念。コロナで何か制約があったのだろうか。


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