<観劇レポート>露と枕 「ビトウィーン・ザ・シーツ」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 露と枕「ビトウィーン・ザ・シーツ」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 露と枕 |
回 | 露と枕 Vol.5 |
題 | ビトウィーン・ザ・シーツ |
脚本 | 井上瑠菜 |
演出 | 井上瑠菜 |
日時場所 | 2020/11/18(水)~2020/11/22(日) シアター風姿花伝(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
早稲田大学演劇研究会を⺟体とし、井上瑠菜を主宰として 2018 年 4 月に旗揚げ。
「人は、一人では生きていけない。人は、人に依存してはならない」
そんな矛盾した正論を受け入れられない人たちが、必死に人に依存する、壮大で繊細な夢物語を紡いでゆく。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
文化祭を控えた二学期の初め、若い男性教師が赴任してきた。
女子だけの世界にやってきた男に生徒たちは浮足立ち、誰が先生のお気に入りになれるか、
競い合うように華やいでいる。学校の端では生徒会が文化祭の準備に掛かり切りだというのに、皆そのことを忘れているようだった。
真面目で、真面目だけが取り柄で、暗い生徒会室に入ったと思われている彼女たちのことなど、誰も見ていない。彼女たちが何をしているかは、彼女たちしか知らない。
日の差さない小さな部屋に、内緒話と笑い声。息を潜めて、一人が言った。
「あの先生、抱けるんじゃない?」
古くて汚い学校、猫なで声を出すメスの匂い、中心にいる男の匂い。
全部が嫌いで、くだらない。彼女たちは生徒会最後の仕事である文化祭で、全てを壊してしまおうと画策し始める。これは遊び。私たちの、悪戯。
観劇のきっかけ
評判が気になったからです。
過去の観劇
- 2022年06月03日 露と枕「帰忘」
- 2021年09月16日 露と枕「鼬を噛んでくれ」
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2020年11月18日 19時30分〜 |
上演時間 | 100分(途中休憩なし) |
価格 | 2800円 全席指定 前売事前清算 |
チケット購入方法
劇団ホームページからのリンクで、Livepocketというサイトで予約、カード決済をしました。
スマホアプリにチケットを取り込んで、当日QRコードを見せました。
客層・客席の様子
男女比は7:3くらい。
大学生くらいの若い層と、40代くらいの男性の層が目立ちました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・会話劇
・考えさせる
・エロい
観た直後のtweet
露と枕 「ビトウィーン・ザ・シーツ」100分休無。
劇団2度目。役者さん皆魅力的!。言葉を意図的にボカす部分や、実感乏しい清潔感が、どこか幼さみたいなものを浮き上がらせてしまう不思議。なんだろうこの感覚。前作と同じ事を感じたかも。この劇観るには歳を取りすぎてるのかな。そんな事を思い。 pic.twitter.com/4KMtmmyOLP— てっくぱぱ (@from_techpapa) November 18, 2020
映像化の情報
情報はありませんが、配信がありましたので今後映像化されると思います。
満足度
(3/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
少し清潔感が多すぎるかな、というのが印象だった。清潔感ゆえ、見たいものが見えなくて、まどろっこしい感覚。セックスが大事なモチーフなのに、その描き方がぞんざいかな、と思う。
女子高の生徒会、生徒会室。文化祭を控えてイベントの準備をする生徒会の仲間が舞台。割と冒頭、隣の男子高生、宇佐美のアパートに遊びに行くシーンがあるのだけれど、この背後で何が起こっているのか、上手く想像が出来なかった。後を尾行した教師、寝占が、扉の外で見聞きしたことで、皆を脅しにかかるし、その脅しに屈する面々。私が何か大事なセリフ聞き逃していなければ…、みんなでセックスでもしてたの?という気もするのだけれども、その後のシーンの流れや関係性、文化祭での戯れを見ていても、そうは見えない。
怜美と寝占は「やっちゃった」んだろうけれど。二人の会話を見ている限り、そういう感覚がない。それは、涼花とのやり取りも同じ。寝占とみんなで「やっちゃおう」という感覚も同じ。高校生が主人公だし、それなりにエグい事を描いているのに、セリフにも舞台にも、妙な清潔感があって、こちらの想像を阻んでくる。あれ、物語ちゃんと理解できてないのかな、と疑心暗鬼的な感情も芽生えてくる。
加えて、常に核心の言葉を避けて物語が語られているような気もする。「やった」という言葉でセックスが語られるけれど、常に核心を避けてて、他の文脈とも取れなくもない。観ている観客側が、邪な気持ちを持っているから、「やった」という言葉がセックスだと受け取れるような感覚さえしてくる。舞台で直接描かれるわけではない悪戯、を脳内で補わないといけないんだけれど、背後の光景がうまく像を結んでこなくて、自分の中のエロい自意識と葛藤しながら観ている感覚だった。
核心を描かずに、周辺をフチ取る事で、核心を浮かび上がらせる方法を狙ったのかもしれないけれど、その点が私にはうまく伝わってこなかったのかもしれない。むしろ、フチを描くやり方、核心を避ける描き方が、セックスを題材にした事で、作品自体の幼さとして、私の目には映ってしまった。ひょっとするとそれは40代の感覚で、このフチ取りの感覚、を楽しむには、私は歳を取り過ぎているのかもしれない、と思ったりもした。
地味な制服なのに、役者さんの個性が強し。宮部大駿、澤あやみ、北原葵が、印象に残り。
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