<観劇レポート>やみ・あがりシアター 「完全な密室」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 やみ・あがりシアター「完全な密室」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | やみ・あがりシアター |
回 | やみ・あがりシアター番外公演 |
題 | 完全な密室 |
脚本 | 笠浦静花 |
演出 | 笠浦静花 |
日時場所 | 2020/11/19(木)~2020/11/23(月) 花まる学習会王子小劇場(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
2012年に旗揚げ。
「ヒトのやんでるところとあがってるところを両方、病気が治ったばかりのようなハイテンションでお届けしたい」というコンセプトのもとに芝居作りを行う
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
やみ・あがりシアター主宰の笠浦が自宅で死んでいるのが発見され、
劇団員の加藤は犯人探しに協力することとなる。フェイクドキュメンタリー風の、
ミステリー味の、ファンタジー。いま、お客さまと私たちを隔てているものの枚数だけ、
こちらが一皮も二皮もむけていきたいのです。皮膚まで脱いで、肉をそいだら、露骨。
観劇のきっかけ
好きな劇団です。
過去の観劇
- 2024年05月02日【観劇メモ】やみ・あがりシアター 「フィクショナル香港IBM」
- 2023年09月13日やみ・あがりシアター「濫吹」
- 2023年01月08日やみ・あがりシアター「すずめのなみだだん!」
- 2022年09月03日やみ・あがりシアター「Show me Shoot me」
- 2022年03月19日やみ・あがりシアター「マリーバードランド」 ・・・つづき
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2020年11月20日 14時00分〜 |
上演時間 | 100分(途中休憩なし) |
価格 | 3000円 全席自由 |
チケット購入方法
劇団ホームページから、CoRichiで予約をしました。
当日受付で現金でお金を支払いました。
客層・客席の様子
男女は5:5くらい。いろんな年代の人がいました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・ミステリー
・笑える
・にぎやか
観た直後のtweet
やみ・あがりシアター 「完全な密室」100分休無
面白かった!終始クスクス笑い。どこまで真に受けていいのかなぁ、という思いもあり。密室ってそういう密室なのね。最終的に、どっちがどっちだか分からなくなって来た。いい匂い。超要約すると、愛情の話かな。早く東京芸術劇場行ってくらさい。 pic.twitter.com/8Omo0phcID— てっくぱぱ (@from_techpapa) November 20, 2020
映像化の情報
今回は映像化はしない、と明言されていたように思います。
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
「番外公演」という位置づけでもあるのか、コロナのこの状況や、やみ・あがりファンの心理を、逆手に取られた感満載の演劇だった。
やみ・あがりしあたーを何作か観ていると、作・演出の笠浦静花という人が、一体どんな人か、気になって仕方がない。劇団員の加藤睦望も、いろんな姿に変身するし、ツイッターに人となりを表すようなやり取りが流れてくることもあって、こちらも気になる。二人とも、とにかく気になる。そんな、気になる、ファンの感情を逆手に取られたかな。笠浦が密室で死んでいて。これはどうやら殺人事件。捜査の過程を、加藤が笠浦になりかわって、笠浦のように話し、笠浦の心情を振り返っていく、という物語。
加藤が笠浦に成り代わって演じている様。…なんて言うんだろう、これ、ホントに真に受けていいのかな…という気がしてくる。友達いないとか、コロナで人と合わないの楽しいとか、理由がないと人と会えないとか、なんだろその陰キャぶりは。でも「やみ・あがり(病み上がり)」だし、妙に納得感もある日常。舞台後半には、笠浦が加藤に成り代わって出てきて、お互いが入れ替わった役を舞台で演じる。その中で、笠浦が加藤に厳しく当たっていて…。まあ、毎回の舞台の完成度から、凄く演劇に厳しい人なのかな、加藤睦望は大変なのかな、と思うも、当日パンフレットには「すべてがフィクションだ」と書かれていて。やっぱりこれも、逆手に取られているんだな、と思うと憎らしい。あ、そういえば粗筋には「フェイク・ドキュメンタリー風」って書いてあったか。
全編、基本コメディの要素で、クスクス笑いが止まらない。しかも、これまで、この劇団の舞台を観た事があると、尚、可笑しくて仕方ない。多分笑うポイントは、人によって違ったりしていただろ気もする。私的には、脳内深夜ラジオが笠浦さんからのお便りを読むのか面白過ぎた。・・・しかしまあ、「(将来演劇の作品の中で)レイプと出産とxxxのシーンは絶対に書かない。どうしても書くことになったら、全てフットサルに置き換える。」(xxxは忘れた)と前振りしておいて、後半の心象風景の中でレイプっぽいシーンが出てくると、即座にフットサルのシーンになるのは、あ然として笑ってしまった。フットサルとサッカーは違うらしいが、そんな豆知識、観終わった後には、何だったか、吹っ飛んでしまった。
透明なプラスチック板に囲われた「密室」が舞台にドドンと置かれて。時折、出演者によって板が外されたり。囲われたり。笠浦が死ぬシーンでは、プラスチック板に密室内で投げられたトマトが飛び散ったり。感染症対策の観点もあるとは思うが、プラスチック板の設置を、密室という設定に取り込んでいて。こちらも完全に逆手に取っている感。
結局「密室」とは、劇作をしている笠浦が、結末を最初に決めて、登場人物たちを巡らせた動きの、脳内の「密室」。まあ、何となくそんなオチになるのかな、という気は冒頭から匂っていたので、驚きはなかったけれど。心地よくだまされた感というのか。コロナの巣ごもりで作り方を覚えた料理「野菜炒め」を、密室の中で、ホントにみんなで食べる。プラスチック板をすり抜けてくる野菜炒めの匂いが、とにかくリアルで。飛沫はガードしているけれど、匂はガード出来ないよな。ささやかな抵抗的なものを感じたり。
回りを固める役者さんたちも好演。東象太朗、てっぺい右利き、二人のひつこいラジオのシーンが好き。目崎剛、隣の住人、あれは何語なんだろう。さんなぎ、アリス可愛いのに、時折真顔になるのにドキッとする。
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