まだ間に合う公演レポ(28日4時)
●8/15(日)まで Aga-risk Entertainment「かげきはたちのいるところ」
●11/30(火)まで 楽市楽座「うたうように」

<観劇レポート>成井硝子店「ゲキジョ!(演劇部ってなんで女子ばっかり!)」

#芝居,#成井硝子店

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 成井硝子店「ゲキジョ!(演劇部ってなんで女子ばっかり!)」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名成井硝子店
第1回公演
ゲキジョ!(演劇部ってなんで女子ばっかり!)
脚本成井豊・成井憲二・成井稔
演出成井憲二
日時場所2021/03/17(水)~2021/03/23(火)
オメガ東京(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

令和元年(2019年)9月21日、「成井硝子店」が36年ぶりに復活しました!
昭和15年、海軍を退役した成井為七(元少尉)は、神奈川県川崎市で「成井硝子店」を開業しました。昭和20年、疎開のために、埼玉県飯能市に移転。その後、二代目の成井孝男が後を継ぎ、一時は埼玉県内でも3本の指に入る規模の会社となりましたが、惜しくも昭和58年に廃業。  
三代目の成井豊は高校教師を経て、演劇集団キャラメルボックスを創立。その代表として、34年にわたって芝居作りに励んできました。そして、58歳の誕生日を迎えて一念発起。「成井硝子店」の再興を決意しました。
新たな「成井硝子店」の店主は、三代目の成井豊(劇作家・演出家)。店員は、豊の妻の成井ひろみ(女優)、豊の次弟の成井稔(高校教師、演劇部顧問)、豊の末弟の隆(シネコン勤務)、豊の長女の成井夏野(大学生、ダンサー)、豊の長男の成井憲二(大学生、劇作家・演出家)です。  
ただし、「成井硝子店」の業務は板ガラスの小売りと建物のガラス工事でしたが、再興後は三代目の技能を活かして、芝居作りを業務とします。ガラスのように美しい芝居を作ることが目標です。

成井硝子店

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

「飛鳥高校演劇部」を舞台にした、3本の連作短編集。  
登場人物は14人全員が女子高校生。しかも演劇部員。
その3本とは、
①成井豊 『開演15分前』(上演時間は15分)
②成井憲二『KEEPSAKE』(上演時間は30分)
③成井稔 『終わらぬ花火』(上演時間は50分)
で、合計95分。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2021年3月18日
13時00分〜
上演時間110分(途中休憩なし)
価格4000円 全席自由

チケット購入方法

劇団ホームページからのリンクに従い予約しました。
当日受付でお金を支払いました。

客層・客席の様子

男女は6:4くらい。様々な年齢層の方がいました。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・高校演劇
・キャラメルボックス

観た直後のtweet

映像化の情報

情報はありません。

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

高校演劇部にまつわる、3編の短編。

元高校演劇部の私だけれども。演劇部ならではの感情とかシチュエーションが、とてもリアルだった。私は女子ではないけれど(笑)、あまりにも自分の事過ぎて、ちょっと冷静に見れない自分を発見した。ストーリーというより、自分の体験を思い起こさせてくれるモノ、として見てしまう演劇だった。先日、最近連載が終わってしまった「まくむすび」に似た感情を湧き起こされた(ストーリーは全く異なるけれと)。

芝居全体は、キャラメルっぽい成井豊芝居のファンタジーのタッチをどこか保ちつつ、地についた演劇部の物語。演劇部だからこその悩みの描写が懐かしくて、胸にキュンキュン来た。

いつもの通り、成井芝居には、特に言葉が出てこない。感想というより、観ながら何を思い出したのかを書いてみると。

「開演15分前」作:成井豊

ちょっとコミカル要素多めな作品。高校演劇だけではないのだろうけれど、直前に誰かが出れなくなるのって、ある。私も、同学年の女子が、稽古し過ぎで入院して、大会は別の役をやっている先輩が急遽一人二役、っていうのがあった。さすがに本番5分前には戻ってこなかったので。

「KEEPSAKE」作:成井憲二

私自身の場合、1個下の代までは演劇部が続いたけれど、その下の代が新人公演の後、全員部を辞めてしまった(その頃自分は3年生で、受験一色で既に引退していたので見守るだけ)。残された2年生は、大会で大健闘したものの、私の卒業と同時に演劇部は途絶えた。2年後、部室と道具が完全に捨てられてしまう前に、新入生が部を立ち上げ直した・・・というのを、卒業後、風の便りで聞いた。その頃の新入部員は、一から部活を立ち上げなおさないといけなかったのだと思うと、何だか居ても立っても居られない。自分は立ち会った訳ではないからこそ、マニュアルを残した2人の思いに、妙にリアリティを感じた。

私の部の引退時、私の1つ下の代に男子がいなかったので、担当していたスタッフ分野(照明)のマニュアルを残した。あのマニュアルは、どこにいったのかなぁ、使ってくれたのかなぁ…、なんて事をふと思い出した。

高校生時代、自分たちのやる事に口を出してくる先輩がウザくて、結局引退後は、口も顔も出さなかった。劇中のセリフを借りるなら、「続く必要もない」のだけれど、「続いてくれたら嬉しいな」という想いも、当然ながらある。再立ち上げの後、程なくして、再度廃部になったと聞いたけれど。…そんな寂しさをふと思い出した。

「終わらぬ花火」作:成井稔

顧問との確執。人間的に合わなかったり、自由に出来なかったり。あるいは、「どのトーンで部活をやるか」問題・・・楽しむだけの部活なのか、大会その他より良いものを目指す部活なのか。・・・そんな演劇部の中での、演劇への温度差を扱った作品。も~「演劇部あるある」で、観ていて胸が締め付けられる思いだった。

強い顧問がいる部活は、確かに大会で進めたり、活動を充実させることが出来るけれど、反面、大人である顧問に従わないといけない、という面もある。演劇は、スポーツみたいに、上手い・下手や結果が、明確でもない。そういう軸が無い場所で、何かを手探りで探さないといけない。顧問、っていう強い手がかりがあると、そこに従う事である程度先まで行ける。でも演劇はそもそも、答えが一つではないから、そこから自由になりたいという思いもうまれる。そこに葛藤が生まれる。

「大会目指して苦しい切磋琢磨を過ごす」ことと「楽しむだけの部活」どちらが悪い訳でもない。もちろん、演劇だけに限らず、どんな部活でも、この対立はある。どちらも両立する、というのは、理想ではある。楽しみながら大会を目指す事だってできる。けれど、人ごとの気持ちの分かれ目までをまとめていくのは、実際には難しい。話し合っても解決出来るものでもない。・・・とはいえ演劇の場合、楽しむ活動の中から大会で勝ち残る演劇が生まれることもあるだろうし、あるいは逆に、「楽しい」はどこか「逃げ」とも紙一重だったりもする。

どちらも、「演劇は、誰かにやらされることじゃない」からこそ、起きてくる問題。きっと、昔からずっと、演劇部員が苦悩してきた問題。そんな事を思うと、うっすらと涙しながら、遠い目で舞台を見つめざるを得なかった。


今更気が付いたのだけれど。成井芝居は、パーライト横に並べるの好きだな。オメガ東京は、天井が低い劇場だけれど、奇麗な線が印象的で、今更ながら気が付いた。

キャラメルボックスの活動休止後、コロナで1年延期もあり、どうなってしまうのか、という想いがあったけれど。前説を成井豊が担当し、他の硝子店の面々もあちこちに。感傷かもしれないけれど、嬉しい楽しい、時間だった。