<観劇レポート>大川企画「笑う」

#芝居,#大川企画

【ネタバレ分離】 大川企画「笑う」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名大川企画
大川企画Vol.4
笑う
脚本松森モヘー(中野坂上デーモンズ)
演出松森モヘー(中野坂上デーモンズ)
日時場所2023/09/06(水)~2023/09/10(日)
王子小劇場(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

「大川企画」です。舞台を中心とした企画・制作・プロデュースを行います。
コメディをベースにしながら人の心をこっそり覗き見する、いい大人達の嗜好品のような舞台を制作していきます。

大川企画

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

異国にあるゲストハウス
オーナー不在のあいだ その場所を任された姉
他に 男が二人滞在している
熱帯地域に位置し 一年を通して高温多湿
平均気温 28℃前後でほぼ一定
お盆のような 似てないような
死者と交わる祭りの時期が
ねっとりとこの国に近づく頃
日本から 姉を訪ねる妹あり
偶然 居合わせることになった四人の日本人
ジャパンでいう所の夏の終わり
外から響く異国の音楽
うだるような暑さ
異教のリズムにのせられて
おもわず口が滑る 言わなくてよかった嫌な過去
つぎつぎ口が滑る 善意と悪意のトランス型会話劇
笑わない姉妹の物語
(注:あらすじは全く変わることがあります)

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2023年09月08日
14時00分〜
上演時間80分(途中休憩なし)
価格4300円 全席自由

観た直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーは、事前記載の通りだけれど、ストーリーの中でもそれ程多くの説明があるわけではなくて、客側の想像に任せてくる部分が多い。どうやら、東南アジア?の国の、部屋の一室。舞台にはリアルな部屋の様子。日本人が四人いて、どうやら今日はお祭りで、今は雨期らしい。女二人。一人はこの国に住んでいるらしいし、会話の中から何かの犯罪を日本で犯して、逃げてきたように、聞こえたような気がする。訪ねてきた妹。でも関係がぎこちない。男二人。一人は家の壁面に絵を描いている。もう一人は、色盲で、語調が支離滅裂で何を言っているのか分からない。どうやら妹はすでに死んでいて、幽霊で。この国の祭りが霊を呼び出すものだから、やって来たらしい。絵を描く男は、警官?で。色盲の男は、何だかよく分からない。・・・と、かなり端折って描くとこんな物語。

面白かったものの、ものすごく観る人を選ぶなぁ、と感じる。前半、関係が全く描かれない中で、中森モヘー特有の断片的な言葉が連なる会話劇。どうやらアジアのどこかの国で、周りの現地民に畏敬しながら過ごしている日本人だというのは分かるのだけれど。一向に見えてこない関係。状況。物語。芝居自体には引き込まれていくのだけれど、何が何だか全く分からない。

後半になってくると見えてくる、姉と妹との関係。お祭りで蘇る人々。現地の村の人々に、神様?(名前忘れてしまった)のような衣装を着させられて出てくる色盲の男。。・・・正確解な解釈を客に求めている芝居ではないとは思うものの、あえて野暮に強引に解釈すると・・・、この姉は日本でいろいろと犯罪などなどをやらかして、アジアの国に「沈没」していたのだが、村のお祭りがいろんなものを呼び出してしまい、「リアルな悪夢」の中にいる人・・・という事だろうか。

四人の会話がかなり断片的なのに、後半立ち上がってくる気味悪い空気が面白い。松森モヘーの芝居で具体的なセットが組まれているのは初めて観たけれど、アジアのどこか、という設定ゆえか、奇妙な会話劇にとてもマッチしていた。

このカテゴリーの記事

舞台#芝居,#大川企画