観劇

【観劇レポ】SORIFA「官邸の100時間」

【ネタバレ分離】 SORIFA そりふぁ「官邸の100時間」の観劇メモです。

初回投稿:2026年10月22日 0時32分
最終更新:2026年10月22日 0時36分

公演前情報

公演・観劇データ

項目 データ
団体名 SORIFA そりふぁ
回 韓国戯曲リーディング公演
題 官邸の100時間
脚本 ファン・ナヨン(Never Ending Play)、オ・セヒョク(Never Ending Play)、翻訳:みょんふぁ
演出 中村ノブアキ(JACROW)
日時場所 2026/10/21(水)~2026/10/25(日)
小劇場B1(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

女優・通訳・翻訳・プロデュース等、多岐に渡り活躍を広げるみょんふぁが代表を務める
国境を超えて 人と人をつなげる俳優事務所

SORIFA そりふぁ

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

福島の原発事故発生直後、官邸の100時間 
事態の収拾は後回しにしたまま慌てる首相官邸、責任を回避しようとする電力会社、そしてすべての情報から疎外されたまま生存のために死闘を繰り広げる避難民たち。3つの空間が100分間の舞台上で衝突し、自然災害が人災と化していく様を描く、ノンフィクション風刺コメディ。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目 データ
観劇日時 2026年10月21日
19時00分〜
上演時間 125分(途中休憩なし)
価格 3500円 全席自由

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。

感想(ネタバレあり)

官邸の100時間

ワンツーワークスの役者としても見かけ、韓国戯曲や作品の翻訳などをしているみょんふぁが手がける団体。もともと木村英昭の取材本「検証 福島原発事故 官邸の100時間」を、韓国の劇作家が戯曲化して上演。その戯曲をみょんふぁが日本に逆輸入(表現正しい?)してきてのリーディング公演。物語は紹介の通りだけれど…3.11の時の官邸と東京電力のアワテ具合と、実際に原発の20km圏内にいて被害にあった牧場を営む親子と、福島に引っ越してきたばかりのレズビアンカップルの物語を交互に描きながら、主に震災直後の3月11日~3月15日くらいまでを描く作品。日本の原作ルポも読んでおらず、全くの作品初見。 今回はリーディング公演で脚本は持ちながら演じるものの、完全にリーディングという訳ではなく、簡単な動きと衣装、加えて役者たちのデ・ハケ、照明効果と効果音は伴って演じられた作品。

タイトルから、官邸の中での出来事にフォーカスが当たって描かれる物語なのかな…と勝手に想像していたのだけれど、予想は外れた。震災直後に実際に逃げ惑う家族と、レズビアンのカップルの様子も交互に描きながら、震災全体を描こうとしている物語に見える。官邸の中での諸々の混乱は、確かその後NHKスペシャルなどとしてもまとめられていたので、そういった「検証モノ」的な部分を(暗黙的に)期待していた自分がいたかも。結果としては、官邸の中の様子が緻密に描かれている訳ではなかった。その「官邸の」の期待値とのすれ違いは、正直な所あった。原作本とのズレも気になるところだけれど。

物語としてはとても丁寧に描かれている「震災直後の物語」。日本のルポが原作とはいえ、韓国人がこの作品を舞台化して、3.11で実際に起こったことを理解しようと試みてくれたというのが嬉しい。…と言うとちょっと私自身が上から目線な態度があるのも感じつつも(まあ、3.11経験しているしなぁ…)。でも嬉しい、というのが全体を通しての感想だった。

個人的な意見にはなるけれど…あの時、確かに自民党政権が終わったのちの菅直人政権で地震が来たことは不幸だったのかもしれない。しれないけれど。国の首相のリーダー像という意味では、菅直人だろうと他の誰だろうと、似たような動きしか出来なかったのではないかと思う。そもそも人類の手に余る「原子力発電」というのもをどう扱うかの話。菅直人を悪く言うのは簡単だけれど…。そんな「魔物」を手にしてしまって、未だに抜け出せない人類だったり日本人の問題だろうとは思う。そのあたりの「責任の所在」みたいなものの議論を曖昧にしているにも関わらず、最終的には「東京電力と官邸の責任、半分ずつ」みたいな論理に落とし込まれていく事には正直ちょっと違和感。ただそれが、韓国人…要は日本人ではない外国の人から見たこの事件の見え方なのだろうなぁ…という事については、なかなか無い視点なので、素直に受け止めないといけないんだろうな…なんて事を思う。

加えて。後日検証モノとしてはちょっと不自然だなと感じたのは。牧場で働いていた外国人労働者を津波の避難の際に残してきてしまった…という話。「つなみてんでんこ」の話を挙げるまでもなく、「個々に避難すること自体は悪い事ではない」というのは、3.11の後に日本中に広がった認識だと思う。確かに外国から来た労働者だから言語の壁が…という微妙なラインはあるものの、あくまで震災後の価値観として「取り残す」とはちょっと違う気もする。韓国人の視点で見たからなのか、原作にそのような記載があるのかは分からないものの(もし原作にもあるのだとするとおそらくそれは「事実」ベースなのだとは思うが)、3.11でアップデートされた自分の価値観とちょっとズレていたのが気になった(私が深められていないだけかもしれない)。

佐藤B作の存在感は凄いなぁ。先日観た「家族…リハーサル」同様、存在感が凄すぎる。物語の構成として、ここでレズビアンのカップルを描くことにはちょっと違和感があった。でも(韓国語からの翻訳を経ていたとしても)台詞の自然さが際立つ。なかじま愛子と渋谷はるかが演じる、レズの女性がとても気になる。特になかじま愛子演じる文恵、あの寝間着姿で東京帰るのかなぁ…。物語の筋としては違和感があったものの、演技としては真実を射抜かれていたような感覚を持った。原書でどのように書かれているのかが気になる。

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