【観劇レポート】theater 045 syndicate「夏の夜の夢」
【ネタバレ分離】 theater 045 syndicate「夏の夜の夢」の観劇メモです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | theater 045 syndicate |
回 | TAK in KAAT |
題 | 夏の夜の夢 |
脚本 | 原作:ウィリアム・シェイクスピア、上演台本:波田野淳紘(劇団820製作所) |
演出 | 中山朋文(theater 045 syndicate) |
日時場所 | 2025/08/21(木)~2025/08/24(日) KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
2009年、主宰の中山朋文が、地元である横浜からの発信のため設立。
2012年、劇王Ⅹ天下統一大会神奈川予選にて優勝、初代神奈川劇王となる。
2014年、今はなき相鉄本多劇場にて第1回本公演「12匹」を上演。
また、ネオゼネレイター・プロジェクトの大西一郎氏と共に、「横浜ベイサイドスタジオ」を運営。地元の演劇シーンの活性化に寄与する。
劇場のみならず、中華街のレストランやバーでのライブ、ダンスイベントなども手掛ける。
過去の観劇
- 2024年02月10日theater 045 syndicate 「syndicated」
- 2022年10月14日神奈川演劇連盟TAK in KAAT「YOKOHAMA 3 PIECES」
- 2022年04月29日theater 045 syndicate「フェアウェル、ミスター・チャーリー」
- 2021年10月01日theater 045 syndicate 「ヨコハマ・ヤタロウ~望郷篇~」
- 2020年01月20日OKAMI企画「Cymbeline -シンベリン-」 ・・・つづき
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
ーーーそうです、舞台は夢と同じ。
あるとないとの境に立って、役者はいつも重労働。
生きる喜び歌いあげては、幕の裏側で涙に暮れる。
お見苦しくばごめんなさい。
悪夢と思ってご勘弁なさい。
どうってこたぁない、たわいもない。
醒めりゃ忘れる夢の話でございます!シェイクスピアの傑作喜劇、
theater 045 syndicateが
灼熱のハマからお届けします!
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2025年08月21日 19時00分〜 |
上演時間 | 130分(途中休憩なし) |
価格 | 4500円 全席指定 |
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
theater 045 syndicateではないが、今回と同じく中山朋文演出、波多野淳紘脚色で「シンベリン」というシェークスピア作品を観たことがある。そもそも「シンベリン」という作品を知らない中で観たのだが、感想にも記した通りこれはとても面白かった。シェークスピア嫌いな私もちょっといい感じの体験をさせてもらったのだか。いかんせん「夏の夜の夢」一応作品は知っていて、苦手中の苦手である。中学一年生くらいに新潮文庫で読みだしたら、その辺の睡眠薬以上に劇的睡眠薬だったことしか覚えていない。あの頃のシェークスピア作品の新潮文庫の表紙が常に思い出される。思い出しただけで眠くなる。…まあでも、大好きな劇団が本公演でやるんだから観に行かないわけにはいかん。ということで、ものすごくおっかなびっくりな観劇。
結果、「夏の夜の夢」自体にはやっぱり面白味はそれほど感じなかったけれど、でも、今まで何となく腹落ちしなかった物語が腹落ちできた感覚。「ヨコハマ・ヤタロウ」などに比べると頻度は少ないものの、theater 045 syndicateならではのハードボイルドテイストも建材。物語も、私が記憶している限りシェークスピアの「夏の夜の夢」から、大きく外れた内容は無かった。(もっと現代的にアレンジしてくるかも…と思っていた。例えば舞台は伊勢佐木町…とか。この劇団に似合う設定だし、やっても不思議ではない)
「夏の夜の夢」は物語全体が劇中劇的な要素があり、かつ妖精たちの繰り広げる「幻覚」的な物語でもある訳だけれど。その「層状の物語の中でが描きたいもの」、物語のメタファーとして物語、が腹落ちできるような感覚があったのが不思議だった。ちょっと現代的な笑いだったり、かつ、「カカッ」というようなまるで歌舞伎のように見栄を切らせるtheater 045 syndicateでは毎度観る(?)ような演出が加わると、「層状の物語」…メタファーとして人間の執着心…みたいなものが腹落ちするのかもしれない。今まで観た「夏の夜の夢」では一番面白かったのだが、前述の「シンベリン」とは異なりドタバタなハッピーエンド物語ではないので、やっぱりどこか物語の中に入れない、シェークスピア苦手だなぁ、を再認識した自分が居たのも確かだった。theater 045 syndicateがやってダメなら、まあ仕方ない、と諦められるかな。
予想はしていたものの、今井勝法がパック役。頭は潔くスキンヘッドのパック…におっかなびっくりしながら観ていたけれど、ラストのあの例の有名な台詞は正に期待していたものが観れた感覚で大満足。ヘレナ役の難波なうの、バタバタと畳みかける感覚がいい。客席に出てくる時近くに座ってきたのでちょっとドキドキした。タイテーニア役の笹野鈴々音の怪しい感じも忘れられず。どこかで観た役者さんだよなぁと記録を探してみたら「バロック」の再演以来だった様子。