<観劇レポート>ショーGEKI「リメンバーユー 同窓会にはタイムスリップして参加します!」

#芝居,#ショーGEKI

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 ショーGEKI「ダンパチ18『道』 / リメンバーユー 同窓会にはタイムスリップして参加します!」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名ショーGEKI
ショーGEKI2020 秋の特別公演  顔を上げ マスクの下でも笑い顔!
リメンバーユー 同窓会にはタイムスリップして参加します!
脚本羽広克成
演出羽広克成
日時場所2020/11/20(金)~2020/11/29(日)
「劇」小劇場(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

『バカかっこいい!』 をコンセプトに、1999年、『チャンピオン』(於:全労済ホール・スペースゼロ)を旗揚げ公演として活動開始。
主宰:羽広克成<脚本/演出担当>を中心に、1999年に劇団「ショーGEKI」を設立し活動を始めた。
劇場という生の空間をフルに使い、立体的で生命力溢れる作品創りを第一の目的に、常に観客と一体化する作品を目指して、年間数回公演を行う。

ショーGEKI

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

リメンバー ユー 同窓会にはタイムスリップして参加します!
それは若宮学園女子中学校第55期卒業生の同窓会。
しかしそこに集まったのは全員年齢がバラバラの卒業生達。50歳を過ぎた卒業生もいればまだ20歳になったばかりの卒業生もいる??
中学校の同窓会に卒業生達が未来から集まってきたのだ。それぞれ違う年の未来から・・。

観劇のきっかけ

前回の作品が面白かったから、の観劇です。

過去の観劇

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2020年11月25日
19時30分〜
上演時間100分(途中休憩なし)
価格4000円 全席自由

チケット購入方法

劇団ホームページからのリンクで予約しました。
当日、受付で現金でお金を支払いました。

客層・客席の様子

男女比は5:5くらい。年齢層は、20代~40代の方が目立ちました。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・コメディ
・会話劇
・にぎやか

観た直後のtweet

映像化の情報

情報はありません。

満足度

★★★★★
★★★★★

(3/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

劇場に入って驚くのは、入り口にある大きなテレビと、舞台後方のスクリーンに映る、女優さんの顔。舞台には誰もおらず、リモートから話しかけている様子。こちらの様子が見ているようで、カメラの向こうから話しかけてくる。上演中の注意事項や、客の誘導などを開演5分位前まで。

ライブとリモートをうまくからめる構図が、演出的に面白い。物語は、中学時代の同級生6人の女性を中心に展開。うち2人はリモートから参加。「舞台のライブ」+「2名のリモート役者さん」という構図。顔のアップが、テレビとスクリーンに映し出される。生の劇場で観ているのに、配信参加の役者さんがいる、という不思議な感覚。私が観た回は、同時にライブ配信観劇もあるようだけれども、ライブ配信側ではどう見えているんだろう。面白そうで気になる。リモートで観劇する疎外感が、かなり減ったようにも想像する。コロナにからめて、リモート参加するシチュエーションをさりげなく取り込むのもいい。タイムラグがあるはずなのに、通常の会話などでは不自然さが全くなく。(歌ったり、同じセリフを唱和する時どは若干のタイムラグがあるものの)。この構図と演出、見えている部分はシンプルだけれど、裏は結構、複雑なはずだろうな、などとも感じ。とても面白いな、と思った。

配信で一つ、とても印象に残ったのが、舞台のやり取りがストップモーションで止まり、登場人物の一人が内面を語るシーン。配信で参加している役者二人も、ストップモーションで顔が止まるのだけれど。まるで動画を一時停止したかのような顔が、妙にリアルで笑えてしまう。表情の選び方が絶妙。

物語。事前のストーリーにも記載の、同窓会で集まるメンバーが、タイムスリップしてやって来る、という設定が、単純に面白い。本来ならば同じ年代の人が集まるのが「同級生」だが、別の年齢同士で集まる、という設定。スマホがなかったり、SMAPがまだ解散していない時代から来ている、という会話も、いろいろと想像力を掻き立てられる。反面、事前のストーリーを読んでて状況が分かっていたから、なのかもしれないけれど、同窓会で遭遇している、という設定なので、6人がそのシチュエーションに気が付くまでのやり取りが、ちょっとまどろっこしい。もうその辺のやり取りはいいからさー、という思いが何度か産まれてきたのが、残念。

中盤から出てくる、カンノシイナ、というモチーフ。イジメっぽいニュアンスで語られ始める、カンノシイナ、という1ヶ月限定でクラスで無視される存在。・・・こんなシチュエーション、どこかになかったかな、日本の民話だったかなぁ、と漠然と思い出したりもするが、今に至るまで思い出すことが出来ず。中一のクラスメイト、同窓会に結集したメンバーがその「カンノシイナ」を経験していて、最後の中3の3月、誰がカンノシイナをやったのか、誰も思い出せない。呪いの伝説通り、その子は消えてしまったのか、と若干ホラーミステリーっぽい展開。

それぞれが、カンノシイナ、をやった時の記憶をたぐり寄せていくと、その存在が、実は少女時代には覚えていたけれど、もう忘れてしまったもの、という風に変わってくる。個人的には最近見た芝居だと、柴幸男の「日本の大人」を思い出すような展開。ピーターパン、子供の時にしか見えなくて、大人になると忘れてしまうものの話、にも思えてくる。イジメの話か、と思って見始めたら、トンデモナイところに連れてこられた感。それぞれがカンノシイナになってる時は、実は自由な時間だった、というつながりも見えてくる。この展開には、純粋に感動するも。反面、やっぱ途中の説明がちょっと冗長でまどろっこしい感があり。6人一人ひとり見せ場を作りたかったのかな、という思いも産まれてきてしまったのが残念。もう少しコンパクトにまとめてくれればいいのに、という感情が芽生えた。

舞台全般、女性9人、元気いっぱいでテンポよくて、コミカル。コメディの割に、笑いは少なめだった。コロナの影響だろうか。

役者さん、とても演技巧者が多し。他の劇団の公演で、ショーGEKIからの客演をあまり見かけないのが不思議。2年前にショーGEKIで拝見して興味を持った、二ノ宮理沙、茎津湖乃美の、元気でハキハキしたコミカルな演技は健在で、加えて、吉川亜州香、丹羽亜友美の二人が印象に残る。

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