観劇

【観劇レポ】ゴセキカク「マクガフィンを待ちながら」

【ネタバレ分離】 ゴセキカク「マクガフィンを待ちながら」の観劇メモです。

初回投稿:2026年06月30日 23時39分
最終更新:2026年07月01日 0時15分

公演前情報

公演・観劇データ

項目 データ
団体名 ゴセキカク
Vol.3
マクガフィンを待ちながら
脚本 後関貴大
演出 後関貴大
日時場所 2026/06/30(火)~2026/07/05(日)
水性(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

俳優・後関貴大を主体とした演劇企画。
誰しもの記憶の中にある、弱さ、ダサさ、痛々しさをありのまま切り取り、その中で藻掻き生きる人間の姿を描くことを創作の目的とする。

ゴセキカク

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

クローン技術が当たり前になった世界。
私のおばあちゃんは、クローンを残さないまま亡くなった。

疎遠だった祖母を亡くした美生は、祖母の自宅でもあったカフェへ遺品整理に訪れる。
朧げな祖母との思い出を辿っていると、思いがけぬ来客があった。
それは、祖母のクローンを名乗る謎の女。

祖母はクローンを作っていなかったはずなのに。

かけがえのないものってなんだろう。
今でもない、ここでもないどこかで行われる、すこしフシギな日常会話劇。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目 データ
観劇日時 2026年06月30日
19時30分〜
上演時間 90分(途中休憩なし)
価格 3500円 全席自由

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。

感想(ネタバレあり)

マクガフィンを待ちながら

物語は、団体紹介の通り。主人公、祖母からすると孫の美生が祖母と疎遠だったのは、母が祖母と親子喧嘩をして、家を飛び出していたから。その理由は物語の中で徐々に明かされていくが…祖母は人間の死後に人間がクローンになって生き続けることに反対していた。ただ美生の母は、最も最愛なもの…美生の死を前に、美生をクローンとして蘇らせたことで…祖母と仲違いしたのだ…のだとと思われる。つまりは、美生はクローンで。祖母はもちろんクローンで。そんな過去のことが、SFな設定とは裏腹に、普通の喫茶店の会話の中で徐々に徐々に明らかになり。祖母は、クローンとして一度は家に戻ったものの、その事を伝えて…おそらくクローンとして生きていかない事を選択する物語。

団体初見。役者さんとしては何度も拝見したことがある後関貴大のユニットとのこと。ストーリーを描いているとSFな設定にも見えるが、物語は極々普通の家族の会話劇。祖母が営んでいた喫茶店を舞台に展開する物語。その平凡さとは裏腹に、何とも奥深い物語を展開するのだろう。物語を自信満々に書いてみたが明確に説明されない事も多く、解釈間違っているかもという一抹の不安も覚える。ただ例え間違っていたとしても、極々普通の会話劇なのに、とても深い場所まで連れていかれた事だけは確か。凄い演劇を観た。

ラスト近く。主人公、孫の美生と祖母の会話。この2人は(説明なんて全く無いので自信がないが…物語に書いた理解が正しければ)クローン同士、ということ。祖母(のクローン)からすると、何かが原因で亡くした最愛の孫娘で、それはクローンとして蘇らせることを反対し娘と決別した時に、もはや手にできない、手にすべきでないもののはずだと思っていたのに…美生は、何の違和感もなくそこに存在していて。でも孫の美生(のクローン)からすると、クローンとして現れた祖母との新しい思い出がスタートすると記憶の遠くの方にあった本当の祖母がなぜか消えてしまうようであって。…あぁぁなんて世界を描くのだろう…。涙…とは違うのだけれど、そこにあるものの重さに気絶しそうになる。すごく安っぽくなるのを承知で書くと、それは要は「命の重さ」なんだろうなぁ。

未来の設定なのに、未来を具体的に表すものを舞台に一切登場させないのもセンスが良い。再生機構?の人のスマホか鳴ってもそれは舞台上では見せないし(そもそもスマホじゃないかもしれない)、どうやらこの時代は雨がたくさん降って雷が鳴るとヤバいらく、イマドキ葬式に喪服を着る人などいない(おそらくクローン化して生き返る人が多いから)…世の中なのだろう。そんな中クローン技術の話が出てくるので倫理観を問う話と思う人もいるのかもしれないが(いるのか?)、私にはそういった設定はこの祖母の言葉を表現するための、ある種の補助的な道具にすぎないように思える。

そういった枝葉の設定を上手く使いつつ、描きたい事は祖母が言う通り「当たり前だけれど…人間は死んだらそれで終わりなんだよ(うろ覚え)」ということなのだろうなぁ。祖母の、この当たり前の一言が、とても印象に残るが、それをクローンである孫の美生に言うのも、中々に皮肉だよなぁ。

美生の祖父の話と、タイトル「マクガフィンを待ちながら」の意味が、(おそらく私の理解力不足で)ちゃんと理解できなかったのが残念。台本買うべきだったかな、と後悔。もう一度観たら、もうすこし冷静に気付くことが多そうな作品でもあった。

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