観劇

【観劇レポ】ホリプロ・テレビ朝日「ディア・エヴァン・ハンセン」

【ネタバレ分離】 ホリプロ/テレビ朝日「ディア・エヴァン・ハンセン」の観劇メモです。

初回投稿:2026年08月14日 10時00分
最終更新:2026年08月14日 10時13分

公演前情報

公演・観劇データ

項目 データ
団体名 ホリプロ/テレビ朝日
ディア・エヴァン・ハンセン
脚本 スティーヴン・レヴェンソン
演出 小山ゆうな
作詞・作曲 ベンジ・パセック/ジャスティン・ポール
日時場所 2026/07/25(土)~2026/08/23(日)
EXTHEATERARIAKE(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

ホリプロとテレビ朝日の共同主催公演のようです。

ディア・エヴァン・ハンセン

過去の観劇

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

◾️Story
エヴァン・ハンセン(柿澤勇人/吉沢 亮)は学校に友達がおらず、唯一の家族である母親ハイディ(安蘭けい/堀内敬子)にも心を開けずにいる。社交不安障害の治療のため医師に勧められ、書いていた「Dear Evan Hansen(親愛なるエヴァン・ハンセンへ)」から始まる自分宛の手紙を、ある日、学校で同級生のコナー(立石俊樹/廣瀬友祐)に持ち去られてしまう。それは誰にも見られたくないエヴァンの心の声が書かれた手紙だった。

後日、校長室に呼び出されたエヴァンは、コナーの父ラリー(石井一孝/新納慎也)と母シンシア(瀬奈じゅん/マルシア)からコナーが自ら命を絶った事を知らされる。悲しみに暮れるコナーの両親は息子が持っていた手紙を見つけ、コナーとエヴァンが親友だったと思い込み、二人の友情を詳しく知るためにエヴァンを夕食に招待する。夕食の席で妹のゾーイ(木下晴香/松岡茉優)から疑いの目を向けられるものの、エヴァンは両親の悲しみに耐えきれず、とっさに嘘をついてしまう。

さらにエヴァンは、友人のジャレッド(上口耕平/須賀健太)の力を借りて、友情の証拠であるメールのやり取りをでっち上げる。コナーの両親にメールのやり取りを見せ、“コナーとの楽しかった思い出”を語り、嘘を塗り重ねてしまう。

エヴァンとジャレッド、同級生のアラナ(高野菜々/宮澤佐江)は、コナーの存在を忘れないためにコナー・プロジェクトを学校で立ち上げる。エヴァンの感動的な作り話のスピーチがSNSで急速に拡散され、彼と周囲の人々の人生を大きく動かす。

やがて〈とっさについた嘘〉の真実が少しずつ明らかになり、事態は思いもよらぬ方向に進んでいく―――。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目 データ
観劇日時 2026年08月13日
13時00分〜
上演時間 190分(25分の休憩を含む(90-休25-80))
キャスト 柿澤勇人 主演回
価格 14000円 全席自由

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。

感想(ネタバレあり)

ディア・エヴァン・ハンセン

2017年の71回トニー賞の最優秀ミュージカル作品賞受賞作。日本初演。映画化もされているが未見で、敢えて予習はせずに観た。とにかくチケットが取れず「ぴあ」のリセルに張り込んで何とかゲットしての観劇。トニー賞作品としてはとても評価が高いので期待値MAXでの観劇。ストーリー・各種解説はあちこちに記載があるのでそちらに譲るとして。

星は3か4か悩んで辛うじて4。端的に言うとちょっと期待外れ。2026年で一番期待していた観劇だったのもあり自分の期待値の高さをコントロール出来ていない可能性もあるものの、どうにもスッキリしない観劇だった。

エヴァン・ハンセンのついたちょっとした嘘は、SNSに後押しされる形で「コナー・プロジェクト」という形で世の中に広く出回る。実際にはエヴァンとコナーはほぼ無関係な二人。冒頭で歌われる「Waving Through a Window(邦題:窓越しに手を振る)」の中でも引用(というか示唆)される、哲学でよく出てくる例え話「森の中で木が倒れても、それを聞く人が誰もいなければ、音はしたと言えるのか?」の逆説として、二人の友人関係は火のない所に立つ煙のように拡大していく。誰もいない森で木から落ちて骨折しても誰も助けに来ない…っていうエピソードは、そこにある空虚な孤独を具体的に表現するエピソードとして、切り取り方が上手いなぁ…とは思う。

でもその結果として後半に説明される「彼がコナーにこだわった理由」が「母から十分な愛情を受けていなかったから」的な所に収束させていくのが何とも居心地が悪い。経済的には恵まれていない故か、確かに息子を放置しがちなシングル・マザーなのかもしれないけれど、それが「愛情がない」という風に捉えるのはちょっと短絡的な結論すぎやしないか…。「戻る場所」としての母親という描写くらいに留めておけばよいのだが、そのくだりを歌った「So Big / So Small(邦題:大きな家 小さな私)」がナンバーとしては強いだけに、「シングルマザーが原因」みたいな方向に話を持って行くのがどうにも解せない。

Off-Broadwayの上演は2016年の作品。SNSが情報伝達手段としては有効な半面、空虚な現実を拡大してしまう事が如実になってきた時代に書かれた物語(第一度トランプ政権が2016年から、だしね)。虚像の拡大と、そこから離れてしまう孤独を描く物語の方がしっくりくるのだけれど…どうも後半に余計なエピソードがついたような気もする。2017年のトニー賞を争った作品が「カム・フロム・アウェイ」というのもあり…んーこれが作品賞か…みたいな事も考えてしまった。

ブロードウエイ版では8人のメインキャストのみだったようだけれど、日本版は演出が異なり各登場人物の「影」のような人物が付きまとう。要はアンサンブル的な立ち位置の出演者が追加されているのだけれど(アンサンブルではない、と書かれているけれど)…この演出のもかなり疑問で、あまり効果的に使われているとは思えなかった。高橋知伽江の訳詞も、パンフレットの記載の通り極力ヒネリの無い日本語にしているようだけれど…スッと頭に入ってこない場面が何度もあったり。

EX THEATER ARIAKEで初めて観劇。男性お手洗いが二階にしかないのがイタダけないが、それ以外はとても観易い劇場で気に入った。ただ残念な事に「ディア・エヴァン・ハンセン」には向かないなぁ。少なくとも間口が広すぎる。もう少しこじんまりした劇場で上演しないと、この芝居が描いている独特の「寂しさ」みたいなものが薄れてしまうようにも感じる。

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