<観劇レポート>filamentzプロデュース「いざ、生徒総会」

#芝居,#filamentzプロデュース,#冨坂友

【ネタバレ分離】
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観た芝居の感想です。


公演前情報

公演・観劇データ

団体名filamentz
filamentzプロデュース
いざ、生徒総会
脚本冨坂友(アガリスクエンターテイメント)
演出冨坂友(アガリスクエンターテイメント)
日時場所2019/06/11(火)~2019/06/17(月)
新宿シアター・ミラクル(東京都)

filamentzプロデュース?

CoRichの団体ページにはこんな紹介があります。

斬新な企画を多彩なクリエイターの力を結集させ、先進的な舞台として上演し続けるILLUMINUSの姉妹ブランドとして2018年に誕生。
今後輝きを放つ才能を集め、次代のアイコンたる作品を放ち続ける期待を込め、電球の光源に用いられる「フィラメント=filament」を語源とした。

filamentz | 演劇・ミュージカル等のクチコミ&チケット予約★CoRich舞台芸術!

事前に分かるストーリーは?

劇団ホームページには、こんな記載がありました。

波乱の生徒総会、開幕…!

“自主自律”を旨とし、文化祭・球技祭・卒業式などの各種行事を生徒が主体となって行なっている県立高校・国府台高校。
あるとき、一人の生徒によって、校則に対する重大な改定案が提出された。
それは…「制服自由化」。
その議題は全校を巻き込み、そして、いざ、生徒総会へ…!

劇団でも度々再演、その後、全国各地の大学・高校・劇場にて上演されているアガリスクエンターテイメント代表作「ナイゲン」に続く、国府台高校シリーズの第3弾!
複数の主人公・複数のストーリーが絡み合い、クライマックスでは怒涛の生徒総会に雪崩れ込む、連作短編集。

観劇のきっかけ

「アガリスクエンターテイメント」は、最近のお気に入り劇団の一つです。冨坂友さんの脚本と、これまで小劇場でみた何人かの俳優さんがお目当てで、観に行かない、という選択肢がありませんでした。

ネタバレしない程度の情報

上演時間・チケット価格・満足度

観劇した日時2019年6月11日 19時30分〜
価格3800円 全席自由(事前にネット予約)
上演時間130分(途中休憩なし)
個人的な満足度
CoRichに投稿
★★★★★(5/5点満点)

客席の様子

男性が少し多めで6:4くらい。年齢層は若い人からシニアまで、様々な客層でした。小劇場で見かける役者さんの観劇も多かった気が。今月、大注目の舞台ですね。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも安心して楽しめる舞台です。

観た直後のtweet




ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

アガリスクの富坂友の脚本。今回が初演の、書下ろしの脚本だと思う。
将来、今日の初演の第一ステージを観たって話をして、何処かで自慢してしまうと思う程の、至福の舞台の時間。国府台高校で、ついに制服自由化の校則が投票にかけられることに。4話構成でそれぞれの人間模様を描きつつ、最後には「いざ、生徒総会」。全部で18人も出ているのに、一人一人の個性が際立つ芝居。魅力か、眩しすぎる。まだちょっと興奮しているので冷静に書けてないと思うが、その魅力に触れながら、1話ずつ書いてみることに。

1話。「私の好きな制服」
生徒会室。近々生徒の投票で校則を変えて、制服を廃止しようとしている。その投票用紙を準備中の、生徒会室。物語のバックグラウンドのシチュエーションを語りつつの、1話。池内理紗の美人の生徒会長が、教師に校則に沿わない指導を迫られるも、バサッと問題を斬る。私的には江益凛と、古谷蓮の関係が好き。ちょっと地味だけれと、夏水が、スカート履きたくない女子。後々物語の鍵に。

2話。「私服デート」
女装…というか、トランスジェンダーの悩み。堀之内翼の「内面」「現実」を行き来するのが、まず何より面白い。彼女との会話のまま、そのテンションで内面を叫びだすかぁ。面白い。ウィッグかぶりながら呟くのが、個人的にはツボ。そこに乗り込んでくる、川口知夏。ああ、先日観た「サンカイ」にも出ていて大好きなた役者さん。あの時のように、焼酎「まる」もも持っていないし・・・というか学生の設定なので当然お酒は飲んでいないけれど、何故にそんなに緩急自在で、彼の悩みをぶち壊す得体のしれないパワーを持っているのか。そういえば「サンカイ」でも、性的に悩みを抱えている人に、ドコスカ入り込んで、とんでもないことになっていた。破壊力が凄いのに、笑顔が素敵すぎる。コメディ要素と、妙なリアリティのバランスが取れているところも楽しい。
やみ・あがりシアター 「サンカイ」 - なんかくうかい?

3話。「優しい監査」
国府台シリーズの「監査役」が大好き過ぎる方の中で「監査萌え」という言葉があるようだが、、、、この言葉の意味、よく分かった。大和田あずさの舞台を拝見するのは3度目だけれど、地灯りにたたずむ彼女の演じる監査には、萌え、という言葉が相応しい。後ろにくっついて、まるで医師が診察しながらカルテを付けるように大和田の言葉をメモする竹田優雅が、何とも美味しすぎる役所で。突然現れてウンチクる飯嶋耕大も、何故にそこまで自信満々なのかと不思議。思わず、ウンチクって欲しい場面で、あのブースに視線をあらかじめ持って行ってしまった。国府台シリーズでは共通のテーマでもある、監査の悩み。この空間が愛おしい、という感情で、コの字型の舞台があふれかえる。
大統領師匠「AMERICA」 - なんかくうかい?
塩原俊之自主企画興行「AFTER塩原JUNCTION」 - なんかくうかい?

4話。「制服廃止運動反対について考える会」
まず、2話同様、ちょっとした照明の変化だけで「内面」「現実」を行き来する岡田怜志の演技が面白い。彼も緩急自在の妙。で女王、岡村梨加の舞台での存在感が強くて、観てて迫力かごくて、怖くて。あと、柔道部の大中喜裕も怖くて。話としては、ちょっと怖い団体の集会的なモノも連想させるので、どうなるのかねこれは、と思ったけれれど、シチュエーションコメディの王道、正にシチュエーションが面白い。意外や意外、途中から波多野怜奈が、全部場をかっさらっていく。最終的には、岡田怜志、岡村梨加、波多野怜奈の三者均衡の綱引きにもつれこむ。あああ、時間が経つのを忘れ、徐々に変わっていく人の関係の変遷を楽しんだ。舞台には、椅子6つ並べただけなんだけれどね。3人の力のバランスが、徐々に表れていくのが面白い。

そして、第5話。「いざ、生徒総会」
これまでの4話の葛藤やシチュエーションを組み込んでの投票。展開としてはちょっと意外だったけれど、割とシンプルに、民主主義ってどうなの?みたいな問題を突きつけてくるのが面白い。結論は、個人的に納得出来たけれど、観る人によっては、いろいろと思う所があるんじゃないかと思う。役者が客席の一部まで使い(からんでくることはない)、それぞれの役者が居る立ち位置が、内面を表しているのが面白い。

全般を通して、シチュエーションコメディの脚本が非常に面白く、かつ、個々のキャラクターを引き立たせる要素が満載。特にコメディとしては、2話「私服デート」、4話「制服廃止運動反対について考える会」が面白かった。2話、4話だけにフォーカスして、一本の1時間芝居くらいにまとめられても面白いんじゃないかとは思う。(高校演劇で、編集して扱うのが出てくるんじゃないかな)

最近あちこちで上演されている国府台シリーズの「ナイゲン」。個人的にはそれ程ピンとこなかったのだけれど、「いざ、生徒総会」は私的にはとてもハマる。初演の初回のステージを拝見できて幸せ。魅力ある役者さん達を観れて幸せ。楽しかっただけに、観終わった後、どっと疲れの出た公演だった。

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チラシの裏
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