まだ間に合う公演レポ(26日11時)
●11/29(日)まで あうるすぽっと「その男、ピッグテイル」
●12/13(日)まで good morning N°5 「ただやるだけ」
●12/5(土)まで KOKAMI@network「ハルシオン・デイズ2020」

<観劇レポート>桃尻犬「ゴールドマックス、ハカナ町」

#芝居,#桃尻犬

【ネタバレ分離】


観た芝居の感想です。

公演前情報

公演・観劇データ

団体名桃尻犬
第30回下北沢演劇祭参加作品桃尻犬本公演
ゴールドマックス、ハカナ町
脚本野田慈伸
演出野田慈伸
日時場所2020/02/05(水)~2020/02/11(火)
OFFOFFシアター(東京都)

ゴールドマックス、ハカナ町 | 演劇・ミュージカル等のクチコミ&チケット予約★CoRich舞台芸術!

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

桃尻犬 momoziriken は演劇などをする団体です。
2009年立ち上げ。メンバーは作・演出の野田慈伸だけ。
人間の悪意や杜撰さ、どうしようもなさ。人生のくだらなさ、つらさ、どうしようもなさ。それらをポップに楽しく、HAPPYに描く。
人は人生にどうあっても立ち向かわないといけないが、キレイにまっすぐ立つことだけがその限りではない。

作、演出の野田慈伸は俳優としても、とても活躍中。

桃尻犬トップ

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

「ゴキブリも住む町。」

ハカナ町にあるパチンコ店、ラスベガス。
この店にはハカナ町のあらゆる人間たちが集まってくる。
ハカナ町には何もない。
コンビニもない。ゲームセンターもない。
畑と田んぼと、松田さんちのスーパーまっちゃんがあるだけ。
しかしここにはラスベガスがある!
みんなが集まるラスベガスがある!
今日も朝の10時から新台目当てに、みんなで並ぼう!
なんて毎日は楽しいんだ!

パチンコ屋しかない町に生まれたり、住んでる人たちのお話です。
多分どこかに旅に出ると思います。野田慈伸

観劇のきっかけ

昨年の公演が面白かったから、の観劇です。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

観劇日時2020年2月5日
19時30分〜
上演時間85分(途中休憩なし)
価格3300円 全席自由

チケット購入方法

劇団ホームページからのリンクで予約をしました。
当日受付で、前売り料金を支払いました。

客層・客席の様子

男女比は6:4くらい。
様々な客層の方がいました。特定の層、というのはなかったように思います。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・笑える
・会話劇
・シンプル
・重い

観た直後のtweet

映像化の情報

情報はありません。

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーは。
事前のストーリーの通り、ハカナ町には何もない。そこにあるパチンコ屋「ラスベガス」で働く男、中條はじめ。18歳くらいの頃、赤ん坊だった小春を捨てて、両親はどこかに消えた。以来、小春の事を守る事だけを考えて、町でそこそこ収入のいい、パチンコ屋に勤めて妹を育てて。必死に育てて妹も18歳。高校を卒業して就職する。そんな時、パチンコ屋に通い詰めていた男の娘、るり子…ちょっと変わった感じの娘が気分を悪くしている所を助けて、そのままるり子からベタぼれされて、日々求婚される。いつのまにかるり子は、パチンコ屋で働いている。それでも、妹を溺愛していた兄。妹を1人に出来ない。就職して、別の町に引っ越すと言い出す小春。お兄ちゃんも、せっかく愛してくれる人がいるのだから、るり子と結婚しなよ、という小春。兄との口論の末、兄は妹を手放す事を決意するが・・・と、ストーリーだけ若干中途半端にまとめるとこんな感じ。

サビれた町で生きる事。愛と憎悪は紙一重。親に捨てられた兄の思い。・・・織り込まれているテーマはいろいろある。それぞれについて語り出すと、ひとつひとつにそれなりの言葉が出てくるだろうものの。物語全体を捉えた時、何だかその町で、状況で、沸き起こってくるものを、ものすごく引いた、醒めた目線で見ているような感覚を覚えた。コメディ的な要素も強く、笑いもキッチリ取っている芝居だけに、何だか妙に空恐ろしい感覚も覚える。とても醒めた目線で、水槽の中にあるハカナ町の様子を眺めているような感覚。

物語の軸は、何と言ってもお兄ちゃんの妹への愛。お兄ちゃんみていると、切ない。致し方なく妹を守る立場に追い込まれて、ただ妹を守っていただけなのに、気が付けば妹を守るしか生きる拠り所がなくいし、「それ以外に行き所がない」事にも気が付いていない。妹を守る以外に何も経験したことない人生。コミカルな部分も多いのに、全体は本当に切ない。「お兄ちゃんは、愛し過ぎて怒られている」っていうのは、ものすごく痛い台詞だったし。

それでいて、妹と交代するように、今度は「愛してくれる」るり子は、結局は狂女。自分は狂女だと思っているからか、はじめも戸惑いつつも、酷い目にあっていそうな事が示唆されていて。ああ、愛し続けた後は、愛され続ける事が負担になる人生なのか…なんて事を考えてしまう。

周りを取り巻く人々も「それしかやる事がない」事で、気が付くとどこか吹き溜まりのような場所…パチンコ屋…に溜まっていて。それがいいとか、悪いとか、そういう事ではきっと無いんだろうけれど。明らかにズレていて、その事を考えるとどうにもやるせない気持ちを持つ。結局一人、妹の小春だけは、町に染まらず、マトモな感覚を持っているのかな、と思うと。兄の苦労の成果が実ったのだろうな、と想像する。

そんな人々を、善悪とは違う視点で、どこから遠くから見ている。その遠くから見た景色に、何か解釈が加わっているようには感じなかったけれど。それでも、どこか冷静に見ている視点を意識せざるを得ず。そんな、冷静に世界を俯瞰する、鳥の目のを考えざるを得ない作品に思えた。

気になった役者さん。堀靖明、MCR他で何度か見ている役者さん。今回、感情爆発させて妹を守るのは、かなり印象的。とにかく大声で感情を剥き出しにしているシーンも多いけれど、その大声が妙に悲しいお兄さんにマッチしていた。青山祥子、「俺ずっと光ってるボーイ、健之助」でも拝見した女優さん。ものすごく美人なのに、どこか違う世界にぶっ飛んでしまっている時の怖さと、今回はその「ぶっ飛び」をひた隠しにする、二重の怖さがあった。神崎れな、ボーイッシュなんだけれども芯のしっかりした感じと、高校生ならではの幼い可愛さとが、短時間で入れ替わる。その魅力が印象的。

このカテゴリーの記事

舞台#芝居,#桃尻犬