まだ間に合う公演レポ(18日9時)
●9/22(火)まで 東京No.1親子 「夜鷹と夜警」
●9/22(火)まで conSept「Fly By Night~君がいた」
●9/20(日)まで 劇団俳優座 「心の嘘」

<観劇レポート>第14回春季全国高等学校演劇研究大会

#芝居,#高校演劇,#春フェス

最終更新:2020年03月21日 8時00分
3日間分の感想を、映像で観たものを、このページに順次更新していきました。いったん更新完了。
新潟県立長岡高等学校「ドレミの歌」が音ズレで観れませんので、観れるようになったら追記します。

【ネタバレ分離】

高校演劇 春フェス大会。今年はコロナウイルスの影響でオンライン開催です。
元々新潟まで観に行く予定でしたが、行けなくなってしまったので、オンラインで観た分の感想を書きつつ「バーチャル春フェス」を楽しみました。。

公演前情報

公演・観劇データ

名称第14回春季全国高等学校演劇研究大会
開場リモート配信
日程2020年3月20日(金)~22日(日)

第14回春季全国高校演劇研究発表大会 | FRESH LIVE(フレッシュライブ) - ライブ配信サービス
配信は2020年5月31日まで

観劇した演目

学校名タイトル作者日時
大同大学大同高等学校ト音作:春陽漁介
潤色:大同演劇部
20日 13:10~
大谷高等学校じみふる作:桑原日和 髙杉学20日 14:40~
徳島県立城東高等学校となりのトライさん!作:よしだあきひろ20日 16:10~
宮崎県立宮崎東高等学校三月の 空に作:野村由美21日 12:30~
北海道新篠津高等養護学校オツベルの象たち作:山田勇気21日 14:00~
福島県立福島南高等学校放課後のヘラクレイトス作:矢野青史21日 15:30~
山口県立山口高等学校Change my world作:川上そよ香
潤色:山口高校演劇部
21日 17:00~
新潟県立新潟工業高等学校女子高生作:久留米大学附設高校演劇部
岡崎賢一郎
潤色:引場道太と新工放送演劇部
22日 12:30~
山梨県立甲府南高等学校イノセント鉄道とぼく作:中村勉22日 14:00~
新潟県立長岡高等学校ドレミの歌作:平塚直隆
潤色:高沢克之
22日 14:00~

公演チラシは、こちらのサイトに集まっています。
チラフェス2020 | 震災高校演劇アーカイブ

満足度の記載について

個々の演目ごとに記載します。
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。

ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

大同大学大同高等学校「ト音」

作:春陽漁介 潤色:大同演劇部

感想

本家5454版も含めて、3回目の「ト音」。
んー、割とミステリー的な演出に寄せた方が面白い作品だと思うのだけれども、ストレートに寄せた作品として創ったんだなぁ、という印象。ちょっと淡々とし過ぎているかも。主演の2人の、シンクロする感覚は面白いなぁ。めがねも人相も髪型も、息がぴったり。先生の2人も好き。役者さんが総じて上手い感覚。

直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(3/5.0点満点)

大谷高等学校「じみふる」

作:桑原日和 髙杉学

感想

老人たちの会話を切り取りながら、そこに渦巻く想いとか、喪失感とかを表現した作品。老人たちの会話が面白い。同じ会話繰り返すし、妙なところで笑いを取るし、突然ボケたふりするし、気性は荒いし・・・。その会話が、とても高校生が演じているとは思えない。老人たちのリアルっぽい会話、と思わせてくれるデフォルメの表現が、面白くて鋭い。舞台全体の物語を、隅々まで理解するのは結構難しい部類かもしれない。けれど、理解しなくても、人の暖かい想いとか温もりとか、そういう想いが舞台上に溢れていて、その部分を感じれればそれだけで凄い作品なのかな、と思った。そんな表現なので、なんだか風船が浮いたような、フワフワした不思議な感覚をもって観ていた作品だった。

直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5.0点満点)

徳島県立城東高等学校「となりのトライさん!」

作:よしだあきひろ

感想

諸般の事情で、配信なし、という事です。残念。

宮崎県立宮崎東高等学校「三月の 空に」

作:野村由美

感想

定時制高校の日常の物語。定時制高校に通う主人公が、入院している祖父を見舞っている時に、同じ高校の生徒と知り合いになる。そこから始まる交流の物語。いろいろと葛藤を抱えつつも、卒業を目指していく二人と、それを見守る祖母や周りの人々。
お、定時制高校が春フェスにまで進出。物凄く会話が自然で、ゆっくり目の会話だけで進む舞台なのに、不思議と引き込まれる。学校での課題がいかに大変かとか、卒業がいかに重いものかを表現しているのだけれど、コンパクトながらしっかりと物語に乗せられていて、そこに渦巻く想いみたいなものまで手に取るように感じられて。高校演劇の感想で、高校生らしいって書くのは禁句だと思っているのだけれど、定時制高校独特の悩みや苦労や、特には不安定さを直視した演劇で、「高校生らしい表現」だなぁと思う。空間、舞台全体を使っているとは言い難いけれど、照明などで区切られた空間で演じている事が逆に臨場感と心情描写に繋がっている。

直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5.0点満点)

北海道新篠津高等養護学校「オツベルの象たち」

作:山田勇気

感想

養護学校を卒業して就職すると、そこには「バイトリーダー」という名の高3生、もうすぐ大学に進学する男が働いていた。最初は上手くやっていた2人だけれど、ブラックな職場の本性が明るみに出て、納期をせかす取引先のせいで、バイトリーダーに重荷がのしかかってくるといくと、障がい者が「保護されている」という事を感じるようになる。一方就職した彼は、学校で一緒だった先生や仲間との交流を通して、彼にどうやって接していくかを探していく話。

淡々とした物語。最初テンポが気になってちょっとイライラしたけれど、後半になるとそんなイライラを全く忘れて入り込んでいた。宮沢賢治の「オツベルと象」を下敷きにしているよう(青空文庫で読める。15分もあれば読める分量。)。私は読んだことがなかったけれど、多分物語を知らなくても十分に理解出来る。知らず知らずの上下意識とか、健常者・障がい者に関わらずの労働者の搾取とか、割と深い問題をサラッと描いている感覚。分かりあえないけれど、分かり合おうとする。寄り添うのは誰だろう、どちらだろう、などという事も思い。セットが秀逸。創り上げている製品みたいなのは、誰にとっても何なのかよく分からないし、でも複雑そうな製品の象徴。チャップリンの映画「モダン・タイムス」で、チャップリンが一生懸命、意味不明なネジの部品みたいなのを締めていたけれど、あれみたいだなぁ、何てことを、ふと思う。

直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5.0点満点)

福島県立福島南高等学校「放課後のヘラクレイトス」

作:矢野青史

感想

美術部が、人数が少ない部は廃部する、という学校の方針で廃部することに。残った1人ルミカは、結果的に美術室を不法占拠している事に。生徒会役員の友達は、1人残るルミカに配慮しながら、生徒会役員の立場で、廃部を理解してくれるように迫ってくる。時間講師の先生は、権限もないし安い給料だから、あんまり親身にはなってくれない。生徒会の他の役員は、ルミカに謝りに来る始末。美術部を不法占拠しながら、静かに静かに、その思いを連ねていく物語。

前半、芝居のテンポがゆっくりなのが気になり「ん?単に弱小文化部廃部モノ?」とちょっと違和感を持ったけれど、中盤くらいから、あ!と合点した物語。グググと来て目が離せなくなって、結果的には涙腺うるうる涙まで。

少子化で、人数的な充足が出来ずに部活が廃部になるという現実は、現場の先生・生徒からすると、とても現実的な、深刻な問題事なのかもしれない。そういえば、部活顧問を外部委託する事が許されるようになる…、何て言う事を聞いたことがあったけれど、深く考えていなかった。私にはあまり馴染みのない問題、危機感がなかったので、その問題提起にまずは驚く。大げさに言えば、それは、日本の文化とかそういったものが、衰退していくこと、端的に言えば「単に絵を描きたいだけ」というルミカの想いに、応えてあげられない事になるのかもしれない、という風にも感じる。全体としては美術部の廃部の物語を丁寧に描いてる物語なのだけれど、その美術部を描くことで、社会にある問題を描きたいんだろうなぁというのが、中盤から伝わってきた。

作品全体が、こういった状況に対する「叫び」なんだろうと思う。物語では、後輩に思いを引き継ぐ、というので終わり、特に解決策が提示されていない。その叫びが届けばいいな、とも感じる。
勝手な想像だけれど…震災の影響で、当たり前のように喪失したものに対する想いも、ひよっとしたら、あるのかもしれないとも思った。

コロナウイルスで、大会も中止(映像配信)になり。日本全体で(いや、世界全体で)中止になった興行が多く、演劇や芸術、俳優業が「本当に必要か?」などと言われる事にも、奇しくも対応している。むしろ、本当に大事なら、マスクして消毒して、感染にビビりながらでも上演したい、観たい、という想いがうまれてくる。映像配信は有難いけれど、作品の性質を考えると、やはり生で観たかった、というのを強く感じた作品だった。きっと、何よりも生で伝えたかった、という想いが強い作品ではないかと思った。

出ずっぱりのルミカ役の淡々と外さない演技と、醒めた視点の時間講師の先生がいいな。先生、ちょっとわざとらしい感覚もあるけれど、ルミカと自らの正義感を気にかけつつも、当事者の視点とは少しかけ離れている感覚が絶妙だなぁ。物語が深刻になり過ぎず、しかもリアリティが増し。

直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5.0点満点)

山口県立山口高等学校「Change my world」

作:川上そよ香 潤色:山口高校演劇部

感想

子供向けアニメが好きな、はなと、スタフラさんが突然ツミッターで友達に。はなさんはスクールカースト上位の高校生だけれど、スタフラさんは20代後半くらい?の引きこもり。スタフラさんは、アニメとはなさんとの会話に触発されて、勇気を出して少しずつ外出するようになって。その様子をはなさんに報告したりしている。そんな流れで、スタフラさんはオフ会をしようと言い出す。はなはちょっと躊躇して、友達の写真を、自分の写真だと偽って送ってしまう。その写真を手掛かりに、スタフラさんは何の予告もなしにはなに逢いに来るが、スタフラさんのあまりのブッ飛んだ行動に、どうしたらいいのか分からず逃げてしまうはな。そんな中、はなの友達のカースト上位の子が、アニメオタクの高橋と付き合い出す、という。はなは、スタフラの事、アニメの事を好きだと言えるように変わりたいのか、葛藤する物語。

高校演劇では、割とよく当たるテーマのような気もする。関東大会で観た「乙女のシコ×2」、神奈川県大会で観た「O-dentity」を、ふと思い出した。2人しか出ていないのに、ものすごいテンポで軽快な会話で進む物語。前半の、アニメを追いかけている2人のやり取りのコミカルさとは裏腹に、テーマは深刻。若い頃に強く感じる悩みだとは思うけれど、他人の目を気にして自分の心の声に従う事と、「変わりたいけれど怖い」という事の葛藤が、くっきりと浮き上がっていた。軽快なリズムがあるお話で、深刻にならず楽しめる。2人の掛け合いがとにかく面白いなぁ。

チラシを読むと、スタフラさん役の人が、脚本を書いた人かな。脚本の世界観というか、言葉の選び方、コミカルな会話が、とても面白い。他の作品も観てみたい、と思った。

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満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5.0点満点)

新潟県立新潟工業高等学校「女子高生」

作:久留米大学附設高校演劇部 岡崎賢一郎
潤色:引場道太と新工放送演劇部

感想

女子校の女子だけの演劇部。世間の流れなのか共学校として変わり、全校でまだ14人しかいない男子の一人、アラキ君が、演劇部に入ってくる。ロミジュリのパロディを演じる事になり、男の子が必然的にロミオをすることに。ジュリエット役の子に少し恋心を抱きつつも、クラスの子と付き合う事になり、複雑の想いを抱えたまま「探さないでください」と手紙を残して演劇部を去ってしまう。彼も彼なりに、いろいろと悩んでいたのだ、と男性の苦悩を思う話。・・・が、高校生役は、基本男女が完全に入れ替わっている。たくさん出てくる女子高生は、みんな女装した男子高校生が演じている。そして、男の子は女性が・・・というお話。

前半、みんな女装して出てくるのでインパクト絶大。前半1/3くらいは、そのインパクトにグイグイと引き込まれてしまう。面白いやり取り。1人入ってくる男子が、逆に女性が演じている事もあり、何らかのジェンダーの話なんだ、というのは割と早い段階で読めてくる。「男は男で大変だ」「そして女も大変だ」という結論は、とても腑に落ちたのだけれど、男女を入れ替える事が、このストーリーだと、どうしても大きな意味を持ってしまうのに、その意図みたいなものを理解しきれなくて困った。「異なる性別の苦悩を理解し表現するため」の入れ替えかなぁ、と思ったのだけれどだとしても、どうも腑に落ちない。単に演劇部男女比の制約から出たものなのか、明確な意図があるのか判然としくて、何か見落としたかなぁ、という消化不良感が残った。

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満足度

★★★★★
★★★★★

(3/5.0点満点)

山梨県立甲府南高等学校「イノセント鉄道とぼく」

作:中村勉

感想

関東大会で観て、あまりの感覚に圧倒されて。その後忘れられずに、日に日に「もう一度観たい」欲が高まっていた作品。新潟でもう一度観たかった・・・。


脚本も片手に再度見直してみても、「こういう物語」という事を明確に語れない。語る必要もない物語なんだよな、という事を確信した。描いている事が、今の高校生の生活であり、想像力の翼の力であり、スマホ世代のコミュニケーションである、という感覚。スマホ片手に「ムーンライトながら」に乗っていけば、繋がりながらどこまでも遠くに行ける。そんな感覚的な事を直接ねじ込まれる、感覚的な作品だった。映像で伝わるのかなぁ・・・という心配はある。客席の前10列目くらいまでで、舞台を見上げながら観るのが効果的な作品かもしれない。

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満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5.0点満点)

新潟県立長岡高等学校「ドレミの歌」

作:平塚直隆 潤色:高沢克之

感想

残念ながら、冒頭10分くらいで音声と映像がズレてしまう。少しのズレなら観れそうだけれど、大幅にズレているようなので、続けて観るのは諦める事に。校長先生に殴り込みに入って、その後どうなったんだろう。


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