<観劇レポート>虹の素 「失恋博物館S」
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 虹の素 |
題 | 失恋博物館S |
日時場所 | 2020/08/15(土)~2020/08/16(日) ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県) |
短編作品の複数上演です。
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
hine the tears.
涙を輝かせる
生きるってことは、こころが動くこと。私たちの上に広がる空のよう に、絶えず移ろい変わりゆくこと。
晴れの日や、曇りの日や、雨の日があること。
雪の日や雷の日があって、そして時々、奇跡のように虹がかかること。優しく温かい光だけでは虹はかからない。
冷たく悲しい雨だけでも虹はかからない。
その両方が合わさった時に、そこに虹がかかる。笑いたいときに笑うのだから、泣きたいときは泣いたっていい。
だから、雨だって降ればいい。そこに光がさせばいい。その涙も、輝けばいい。明日は今日よりもいい日に決まっている。って、ずっと思って生きている。
すべての人がそうであってほしいと願っているし、そう思ってほしいと祈っている。
キレイごとに聞こえてしまうかもしれないけれど、
みんながハッピーで、笑っていられる世界になればいいと本気で思う。恨みや憎しみで傷つけあうことだけはしたくない。
愛だけで、つくりこもう。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
かなしみの伴わない愛なんて、世界中のどこを探しても存在しない。
かなしいということは、そこに愛があったということ。
だとしたらきっと、ここは愛の墓場なのかもしれない。悲恋だけでなく、くすっと笑ってしまうものや、心温まる物語まで。
甘くほろ苦く、観終わった後に優しい気持ちになれる、
「切ない」短編集シリーズ。
観劇のきっかけ
昨年末に観た、同じシリーズの作品が面白かったからです。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2020年8月15日 18時30分〜 |
上演時間 | 120分(二部交代制。途中休憩20分 |
価格 | 2500円 全席自由 |
チケット購入方法
CoRichでチケット予約をしました。
当日受付で、料金を支払いました。
客層・客席の様子
男女比は5:5。若い層と、シニア層が半々くらいでしょうか。ちょっと若い人が多いかな、とは思いますが、特定の年代層が強いという傾向はありませんでした。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
ちょっと変わった舞台なので、注意事項をよく聞いて楽しんて下さい。
・コメディ
・シリアス
・泣ける
・笑える
観た直後のtweet
虹の素 「失恋博物館S」120分諸々含
博物館2度目。このシリーズの表現手法、大好き。ものすごく原始的な演劇的な感情を大きく揺さぶられる感覚。他で経験したことない。空間が愛おしい。感想うまく書けない気もする。クロアチアに博物館実在する情報びっくり。観て感じて。明日まで。超オススメ。 pic.twitter.com/eUkjCRz7Q2— てっくぱぱ(芝居好き) (@from_techpapa) August 15, 2020
映像化の情報
情報はありません。
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
コロナ対策もあり、7本の短編を、AB組入れ替わりながら、2時間で観劇する。昨年クリスマスに観た「失恋博物館」と同様、舞台とか客席とかいう区別がなく、思い思いの場所に座ってみる演劇。床に座ってもいいし、舞台の台に座ってもいい。椅子をもらってもいい。どこに座って観てもいい、っていうのは、ありそうでないスタイル。その空間に没入して観る、芝居。このスタイルは、とても好き。癖になる。
7つの物語。割と、どこかで聞いたような・・・な感覚のお話が多いけれど。この観劇スタイルで物語が語られると、ずっしりと重い感覚が伝わってくる。
『月と走りながら』
作:桜木 想香
演出:宮本 悠我
出演:遠藤 由実保、木本 健太
ほんとに刹那な、一瞬の、会話。聞き逃してしまいそうな、会話。恋心と、すれ違いと。「月が奇麗ですね」などと言いながら、見送り、別れる、瞬間の描写。うっとり。酸っぱさ。そんな感覚。
『百鬼夜行、朝まで。』
作:桜木 想香
演出:熊手 竜久馬
出演:中川 ミコ、鬼木 元子
銀河鉄道の夜か。ジョバンニとカムパネルラの旅になぞらえた、女二人の故郷、石巻の列車の旅。一緒に旅する少女は、実は自分を捨てた母親が、再婚相手と作った子供。憎みたかったけれど、憎み切れもしなかった。銀河鉄道の夜を知っていると、いろいろ深くなるけれど、知らなくても何があったのかは分かる。終わってしまった感が、重い物語。
『ここはまかせて先に行け』
作・演出:目崎剛
出演:大森 さつき、鳥谷部 城、星澤 美緒、細田 こはる
バスケ部の恋愛、カッコイイ先輩を取り合う部員を軽快なドリブルとバスケの言葉たちに乗せて語る物語。たすいちらしいスピード感。空間の使い方が上手い。客席とのグルーヴ感が半端ない。1時間ものとかにして、ねちっこく観てみたい感あり。バスケ用語への引っかけ方が面白い。
『もう逢いにこないで』
作:桜木 想香
演出:木之枝 棒太郎
出演:すやま あきら、佐々木 祐衣子、平田 剛
お盆、死んでしまった元恋人の男が、彼女に会いにくる物語。会話が進むにつれて、実は男が幽霊で、女は生きている、という事が断片的に分かってくる。どこかで聞いたような、どこかにありそうな他愛のない物語だけれど、時間の粒が見えるような、静かな描き方が好き。
『アンケートFile.3』
作:桜木 想香
演出:木之枝 棒太郎
出演:篠田 果鈴、初芝 かやの、石田 柚香利
毎回恒例?の、失恋した後に相手に「どこが悪かったですか?」っていうアンケートを取って、その内容を、友達と吟味する話。いや、この設定面白い。このシリーズ好き。今回は、ミッキー好きの女と鉄オタの恋を、女の視点から紐解く。セックスについても踏み込んで話しているのが、この「失恋博物館」のお話全体としてのバランスとしてもいい。やっぱり恋と性は切り離せないから、取り上げないのもどこか片手落ちなので、うまい具合に盛り込んでいる感。「イッツ・ア・スモール・ワールド」を、そんな隠語にしてしまうなんて・・・。(笑)
『たんぽぽ珈琲』
原作:「戦争めし」魚乃目三太
脚本:木之枝 棒太郎
演出:熊手 竜久馬
出演:平田 剛、上田 尋、佐上優、中原衣理、西本 彩也香
戦争に行った恋人が、戦地から送ってきた手紙を、孫(ひ孫?}と読み解く話。シンプルにまとまっていたし、やはりどこかで聞いたことがあるような話ではあるけれど、やはり最後は少し涙が。受付で配られた黄色い手袋の演出もニクい。昨年観た「KEISOU」という作品、ちょうどラゾーナで観たので、ふと思い出す。
https://www.nanka-ku-kai.com/entry/2020/02/16/3469/
『ホームにて③ー甲子園ー』
作:熊手 竜久馬
演出:宮本 悠我
出演:清水 凱
野球選手、松井秀喜が甲子園で5連続敬遠。その松井の次の打者、一本もヒットを打てなかった男の、挫折と癒しの物語。モノローグとして語られる作品で、いろいろな事に思いを馳せる。丁度先日、映画「アルプススタンドのはしの方」を見たこともあって、関連にも思い馳せたり。甲子園を目指した高校球児達が、その後野球を嫌いになってしまった、という話は実際に何度か聞いたことがあった。その代表としての、男の話、という風に捉えると、うっすら涙が止まらなかった。ラストまで、その男の名前は出てこなかったけれど、名前、知りたかったな。
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