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<観劇レポート>やみ・あがりシアター 「アン」

#芝居,#やみ・あがりシアター

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 やみ・あがりシアター「アン」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名やみ・あがりシアター
実験公演オーダーメイド#1
アン
脚本笠浦静花
演出笠浦静花
日時場所2021/03/26(金)~2021/03/28(日)
王子スタジオ1(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

2012年に旗揚げ。
「ヒトのやんでるところとあがってるところを両方、病気が治ったばかりのようなハイテンションでお届けしたい」というコンセプトのもとに芝居作りを行う

やみ・あがりシアター

  • 2020年11月21日やみ・あがりシアター 「完全な密室」
  • 2020年02月20日やみ・あがりシアター「ロケットペンシル×ドレッドノート」
  • 2019年10月18日やみ・あがりシアター「じゅうごの春」
  • 2019年06月13日やみ・あがりシアター「こっちみてるの、しょうこ」
  • 2019年02月28日やみ・あがりシアター 「サンカイ」
  • 事前に分かるストーリーは?

    こんな記載を見つけました

    やみ・あがりシアター実験公演「オーダーメイド」とは???

    企画について

    概要
    「オーダーメイド」シリーズは、役者のオーダーに全力で沿う形で、本人のやりたいことをつめこんで、一人芝居をつくってみようというプロジェクトです。

    枠組み
    ・原案と出演を演じ手、脚本と演出を笠浦静花とする。
    ・やみ・あがりシアターの実験公演というかたちで上演する

    やること
    ① 演じ手は、やりたいことを書面にまとめてオーダー書をつくります
    ② 笠浦はそれに合わせて脚本を書きます
    ③ 適宜相談を重ね作品を作ります

    おやくそく
    ○一人芝居であること
    ○一時間程度であること
    ○作中のどこかで人形劇のシーンをいれなければならない
    ○作中のどこかで紙芝居のシーンをいれなければならない
    ○紙芝居と人形劇の人形は演じ手自身の自作とする
    ○メインビジュアルも演じ手自身が描き、自画像を含むものとする

    これがやみ・あがりシアターのオーダーメイド企画です。
    今後続けていけたらうれしいです。
    第1回の演じ手は加藤睦望です。
    やみ・あがりシアターの唯一の劇団員だからです。

    以下、そんな加藤睦望からのオーダー書です。

    笠浦へのオーダー書

    加藤睦望のやってみたいこと
    【娘の幸せについて考える母親の話】

    その母親が物凄いお金持ちだったとして
    娘が死ぬまで幸せに暮らすには何ができるか、どうしたらよいか考えたい。
    (加藤は子どもの生活に責任を持ちきれないので子どもを作るのが怖いです。加藤の手の届かないところで、その子が苦しい思いをするのが辛いからです)
    (世界を自由に作れるくらいの財力と、物凄い心配性で責任感のある人が母親になった場合、その人はどうするのか考えてみたいです。また母親というものを演じてみたいです。愛情を持て余した人を演じたいです。)

    みどころ
    果たして加藤の望みはどこまでかなえられるのか・・・。
    それは上演までのお楽しみなのです!

    ネタバレしない程度の情報

    観劇日時・上演時間・価格

    項目データ
    観劇日時2021年3月26日
    19時00分〜
    上演時間65分(途中休憩なし)
    価格2000円 全席自由

    チケット購入方法

    劇団ホームページからのリンクで、CoRichサイト上で予約しました。
    当日、現金で支払いました。

    客層・客席の様子

    男女は5:5くらい。様々な年齢層の方がいました。

    観劇初心者の方へ

    観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

    芝居を表すキーワード
    ・一人芝居
    ・泣ける

    観た直後のtweet

    満足度

    ★★★★★
    ★★★★★

    (4/5点満点)

    CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
    ここから先はネタバレあり。
    注意してください。

    感想(ネタバレあり)

    一人芝居の実験公演。事前ストーリーの記載の通り、加藤睦望から笠浦静花に「やってみたい事」をオーダーして、笠浦静花が一人芝居に仕立てる。初回の試みとの事で、終演後のアナウンスだと、今後、継続していく意向のよう。公演を観るまでは、オーダーの内容を特に読まずに観たのだけれど、オーダー通りのシチュエーションの中から、その更に先の、「子供の幸せ」「親の幸せ」そして「世界の幸せ」を描く小品。

    ストーリーラインを、頭に思い浮かんだこと共にメモしておくと。

    お笑い芸人の友近が演じる「キャサリン」のような、どこかアメリカ人を揶揄ったような、キャラクター。毛生え薬が大成功して、大金持ち。でもガンに侵されて余命は一年ない。そんな中、妊娠発覚。子供が死ぬまでに何を残せるのか。「アン」と名付けたその子に、何を残せるのかを思案する物語。

    紙芝居を使う事と、人形劇をする事が、この企画の縛り。紙芝居は「オンラインミーティング」。父親候補のジャスティン・ビーバーと話したり。人形劇は、産まれてくる娘を想像する姿。赤ちゃんから成長するまで、3体の大きさの違う人形で描く。

    「お金は必ずしも子供を幸せにしない」。ありふれたテーマではあるものの、私自身も人の親として、観ていて遠い目をせざるを得なくなる。芝居自体は、女性、母性に寄った描き方をしているように感じたけれど、一人芝居の空間に、切実な想いとして迫ってくるものがある。

    お金持ちなので、プライベートアイランドに学校や友達、ディズニーランドさえも全て集める財力があるのだけれど、その「街」にはは、結局「アン」は住まなかった。でも「街」って、ひょっとしたら、そんな想いから生まれたのかなぁ、とか。そんな事を考える。

    結局、仲違いした友人が、「アン」を引き取る。「死ぬにあたって、幼子を託しうる友人を持ちえたなら、それは最高の人生だ」なんていう、アリストテレスだか誰かの言葉を思い出す。「アン」は、将来そんな友を持ちえるのか。いや、持つための何かを手助けすることが、親が本当にすべきことなのかもしれない。そんな事を思った。

    お金持ちが「カネのちからにものを言わせる」場面が、ちょっと長かった。あのあたりをコンパクトにすると、長さの感覚も丁度いいと思った。


    演じる加藤睦望。ヤマンバ娘からメーテルまで、様々な役を拝見しているが、これまでの役に比べると、素の役者さんに近い感覚。客入れ中も舞台にいて待っているのだけれど、最初はその事に気が付かなかった(スタッフの人だと思ってた)。ひとたび照明が点くと、一瞬で変わる空気感。役者としての底力を感じた。

    この企画、やみ・あがりシアター常連の他の役者さんのバージョンも観てみたいなぁ。

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