まだ間に合う公演レポ(28日13時)
●8/15(日)まで Aga-risk Entertainment「かげきはたちのいるところ」
●11/30(火)まで 楽市楽座「うたうように」

<観劇レポート>ミュージカル・ギルドq.「BRAVE HEART~真実の扉を開け~」

#芝居,#ミュージカル・ギルドq.

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 ミュージカル・ギルドq.「BRAVE HEART~真実の扉を開け~」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名ミュージカル・ギルドq.
第18回公演
BRAVE HEART~真実の扉を開け~
脚本金子鈴幸
演出金子鈴幸
日時場所2021/04/07(水)~2021/04/10(土)
光が丘IMAホール(東京都)

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

ミュージカルギルド(音楽劇技能団)q.は、ミュージカルという表現手法で舞台創造をめざす専門集団として2005年に結成されました。現代社会をテーマに鋭く社会を風刺し、かつミュージカルらしいエンターテイメント溢れる作品を送り出しています。

ミュージカル・ギルドq.

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

現代日本の社会問題を題材にオリジナルミュージカルを発表してきた劇団ミュージカル・ギルドq.が2019年8月に発表した「Signs!~微力だけど無力じゃない~」以来となる2年ぶりの新作。コロナ感染症の流行の中で、日本の政治とメディアをめぐる問題が大きくクローズアップされた。権力とメディアの癒着、その下での報道の在り方、またメディアの中での性差別の問題など、長年メディア業界とりわけ新聞業界に身を置いてきた筆者が、メディアの最前線で働く新聞記者たちの苦悩と奮闘ぶりをミュージカルとしてエンターテインメント性も持たせながら描きだす。そして、今のメディアの抱える問題を浮き彫りにしながら、知る権利を守る最前線で頑張るジャーナリストたちへのエールを贈る作品です。

ストーリー
秋月美沙子は東都新聞の記者。社会部・特報班で後輩の向坂皆人と政府の補助金事業めぐる疑惑の取材にあたっていた。この事件をめぐりライバル社の東山謙とも取材でしのぎを削っていた。この疑惑の中心にいたのが長期政権を支える官房長官・瀧清重だった。美沙子は向坂とともに瀧を追及すべく官邸記者クラブへと乗り込むが、そこには美沙子の上司の村井正嗣が政権におもねり会見を牛耳っていた。その官邸記者クラブに、合同通信の官房長官番として向坂の大学の後輩・舞島朱里が配属される。会社からも将来を嘱望されていた朱里は、美沙子らと出会い疑惑の取材に関わっていく。そんな折、向坂は財務省官僚の森川修二からある資料を託される。それは疑惑の証拠となるものだったが、森川が危うくなることを怖れ向坂は美沙子にその資料の存在を隠す。一方、美沙子は尊敬する東都新聞初の女性編集長・西崎玲子の指示も受け、瀧を追及すべく官房長官の定例会見についに乗り込む。
新聞業界を知り尽くした作者が多くの記者たちへの取材をもとに描き上げた政治エンターテインメントミュージカル!

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2021年4月よ9日
14時00分〜
上演時間155分(途中休憩10分)

客層・客席の様子

男女は4:6くらい。
様々な年齢層がいました。ミュージカルは女性が通常多いですが、男性多くもいました。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・ミュージカル
・政治
・社会風刺

観た直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ストーリーは、事前の紹介の通り。社会派ミュージカル。官房長官に張り付く記者の視点で、セクハラ、女性蔑視、また公務員の誠実さを描く。社会派の題材をミュージカルで観る…というのが初めての経験で、少し新鮮だな、と思ったのだけれど。観ていたら、かつて横浜で上演されていた市民公募のミュージカル「横浜憲法劇」を思い出した。演劇部の先輩が出演したりしていたので、何度か観たのが、ふとフラッシュバックする。

政治劇の観点では、瀧官房長官(・・・菅総理…かつての官房長官・・・を彷彿とさせる)人物と、その取り巻きの財務官僚の不正と不誠実さを暴いていく。最近の、オリンピック大臣の女性蔑視発言問題や、セクハラ問題、そして森友学園問題に伴う官僚の自殺など、実際の社会問題をどこか思い起こさせる状況が展開する世界。1幕の、政治の汚い状況を描く劇としては観ていて面白いのだけれど。

2幕。左遷された美沙子が、官房長官を追い詰めていく様は、どうにも勧善懲悪のお決まりっぽい感じで、気持ちが乗らない。美沙子を演じる沼尾みゆきが、どこか沢口靖子に似ているからか、何だか「科捜研の女」を見ているような感覚。・・・要は、サスペンスドラマのような"予定調和"の追い詰め。前半の「汚い政治の後味の悪さ」が生々しかっただけに、後半、ありきたりな勧善懲悪になってしまっているのが、かなり残念だった。

ミュージカルは、どうしても感情の解放とか「清々しさ」を表現しがちだし、観る側もそれを求めている部分があるので、仕方ないのかもしれないけれど。でもそれこそ「ウィキッド」のような、ものすごくグレーな「正義」みたいなものを描く作品もあるのだし。せっかく政治劇なら、ステレオタイプな結末に寄ってしまうのは、とても残念だなぁ、と思った。

歌が素晴らしい。オリジナルソングの耳への馴染みもいい。リフレインの提示も心地よく、ストーリーの理解もしっくりくる。終演後パンフレットを斜め読みして観ると、それもそもはず。私は沼尾みゆき以外は知らなかったけれど、出演者は錚々たるメンバー。歌だけ聞いていてもいいかな、と思う。

政治劇だけに、殆どすべてのシーンで、出演者全員の衣装がスーツ。ミュージカルには珍しいかも。…ま、私は女性のスーツフェチなので、観ててワクワクしてしまうのだけれど。舞台美術が、ちょっと残念。LEDの枠みたいなの、どうにもIMAホール全体からみると、貧祖に見えてしまう。なんかこう、もうちょっと良い方法は無かったのかなぁ、と観ながら思ってしまう。

劇団四季が、大阪で「ウィキッド」を上演していた時に、3度くらい沼尾みゆきの演じるグリンダを拝見して、大好きで。それ以来、久々に拝見。華奢な体から出る力強い声と、グリンダの時にも感じたどこかストイックな生真面目さがにじみ出る感じが、とても好き。久々に拝見できてうれしかった。瀧官房長官を演じていた、森田浩平が印象的。底意地の悪い腹黒さ。正に政治家、って感じで。もう少し見ていたかった。