<観劇レポート>劇団水中ランナー「5秒ぐらい死んでもいいかなって思った事がある」

#芝居,#劇団水中ランナー

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 劇団水中ランナー「5秒ぐらい死んでもいいかなって思った事がある」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名劇団水中ランナー
劇団 水中ランナー プロデュース
5秒ぐらい死んでもいいかなって思った事がある
脚本堀之内良太
演出堀之内良太
日時場所2021/06/30(水)~2021/07/04(日)
小劇場楽園(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページには劇団自体の紹介がありませんでした。

劇団水中ランナー

過去の観劇

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

結婚や出産、入試や就活、高校の部活の大会、オーディション・・・
人生の転機と思われる場面でそれぞれのハッピーエンドを迎えた人々。
そんな人々のハッピーエンドの先の物語。
とある屋上である女性と男性が出会う。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2021年7月2日
19時00分〜
上演時間100分(途中休憩なし)
価格4000円 全席自由

チケット購入方法

劇団ホームページからのリンクから予約しました。
当日、受付でお金を支払いました。

客層・客席の様子

男女比は5:5くらい。
様々な年齢層の方がいました。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・泣ける
・笑える
・会話劇
・考えさせる
・シンプル

観た直後のtweet

映像化の情報

情報はありません。

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

ビルから飛び降りて自殺しようとしていたところに、たまたま現れた男性に救われて、自然と恋に落ちていく。そんな中、両親の離婚で8歳で別れて以来あっていない父の訃報が届く。その父の葬儀に出席する中で起きる、父と、父をとりまくすべての人々の物語。

今年の1月に観て以来、劇団2度目(今回はプロデュース公演、ということ)。すごく良かった。ものすごく好きだった。ただ、どうしてこの作品がこんなにいいのか、まだちょっとうまく表現できなさそう。お笑い芸人が重要な要素になっている作品だけれど、ラスト・・・彼ら「チーターズ」のコントに爆笑しながらも、このコントを父はどう思いながら見たのかな、、、なんて事を想像してしまう。涙腺全開。自分の求めている演劇、ドストライクな作品だった。

ハッピーエンドの先、というのが一つのテーマ。1つの視点から見た真実だけではなくて、別の視点、その先の視点から物事を見ると、人生は広がっていくし、人々は優しい。時に時間を行き来した回想シーンも含めながら、主人公、幸(サチ)の心の旅、人々の成長を描いていく。幸福・不幸、許す・許される。そんな事は、一つの側面からだけでは決められる事ではなくて。軽快な物語で、その様を見せられた。

タイトルは、てっきりネガティブな意味だと思っていた。辛くて死にたい、死ぬことを考えた、みたいな。冒頭、そのネガティブな捉え方で話は進んでいくも。別の視点でサラリと語られる、父の捉えた言葉の意味。死んでもいい、という言葉だって、様々なんだから。物事は一方向では捉えられない。結局、ありきたりだけれど「ひとにやさしく」することが、実は「ハッピーエンド」なのかもしれないな。

上手く感想を書けないので、似ているものを探す。観ていて、強烈に思い出した作品が、2つ程。
1つはiakuの「逢いにいくの、雨だけど」。許す・許されるの物語。高校サッカーの全国大会出場直前に、事故で脚を義足にしてしまった話は、とても似た感覚だな、と思う。前回の作品「先の綻び」を観た時にも書いていたけれど、横山拓也の作風に、どこか共通したものを感じる。横山作品は、どこか全般、ほんわかした感じで話を終わらせるのだけれど、堀之内良太の作品は、もっともっと、人々の心の動きの解像度が高いように感じる。
2つめは「アルプススタンドのはしの方」。「頑張れ」というエール。いや、世の中「仕方ないこと」だらけなんだけれど。それでも「仕方ない」という場所から一歩はみ出して、エールを送る。そんな様が、アルプススタンドからの声援と重なったり。

小劇場 楽園での公演。この劇場の面白いのは、観客席が2島あるので、斜め前の別の島の観客の顔が見える事(マスクしてて見えにくいものの)。会場から、爆笑と、嗚咽の声とか聞こえてきたのだけれど、意外にも泣いているのは男性が多い?というのを劇中、何となく感じる。帰宅後、前作「先の綻び」の時の私自身の感想を読み返していて。男性視点が濃い作品、という誰かの感想を見かけて、その事をメモ的に書き残していたのだけれど。女性的にはこの劇は、また違った視点で見えるのかな。そんな事を、帰宅後整理していて思ったり。

出演している役者さん、もうもう皆さん魅力的なんだけれど。特に女性3人は目が離せず。高山璃子、独特の魅力のある女優さん。なんだろ、ほっとけないっていうのか。少しセリフに癖があるのも、魅力に変わっていく不思議さ。映画「スーパーミキンコリニスタ」の、あのチラシの顔の女優さんだった。見に行くか迷って、結局見なかったんだけれど、ちょっと後悔。機会があれば見る。林彬、通夜の席から抜け出した幸に対する言葉が、ものすごく優しくて、でも自分を守ってて、好きだった。川村美喜、サッカー部のエースの彼女っていう感覚。なんだろ、割と男子皆が惚れてしまう、あの感覚。なかなか出せないよなぁ、と思い。お母さんは、熊本弁?

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