<観劇レポート>★☆北区AKT STAGE「#北区の熱海「熱海殺人事件」」

#芝居,#北区AKT STAGE

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 ★☆北区AKT STAGE「#北区の熱海「熱海殺人事件」」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名★☆北区AKT STAGE
★☆北区AKT STAGE 2021年冬の本公演
#北区の熱海「熱海殺人事件」
脚本つかこうへい
演出三浦佑介
日時場所2021/12/14(火)~2021/12/19(日)
北とぴあ ペガサスホール(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

★☆北区AKT STAGEでは、児童から大人まで広く一般のみなさまを対象として、舞台・演劇を創る過程の様々なトレーニング手法を取り入れたワークショップや演劇体験を行っています。
表現力やコミュニケーション能力の向上、文化的な街づくりに意欲ある人材育成など、地域の活性化につながる活動を行っていきたいと考えています。

1.東京都北区から
★☆北区AKT STAGEは、北区つかこうへい劇団の意思を継ぎ、プロフェッショナルの演劇人として、児童から大人までの幅広い地域住民に対し、地域に根ざした活動を行います。

2.地域の活性化を
舞台・演劇を創る過程の様々なトレーニング手法を取り入れたワークショップや公演体験を行うことにより、表現力やコミュニケーション能力の向上、文化的な街づくりに意欲ある人材育成など、地域の活性化に寄与する事業を行うことを目的とします。

3.もっと多くの皆様に
北区内にとどまらず、全国各地の演劇鑑賞会、スクールコンサートなど、「東京や大阪だけでなく、地元で気楽に舞台を見たい」という声にお応えし、日本全国どこへでも伺い、公演を行います。

沿革
つかこうへいの逝去に伴い解散した「★☆北区つかこうへい劇団」。その解散当時の劇団員の有志により「★☆北区AKT STAGE」は結成されました。2012年には、劇団としての活動だけでなく、より地元に根ざした地域貢献活動を行うべくNPO法人となりました。

★☆北区AKT STAGE

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

【熱海殺人事件】
70年代初頭に颯爽と時代に現れた、つかこうへいの代表作。
1973年に文学座で初演、翌1974年には岸田國士戯曲賞を当時最年少で受賞。その後、小説をはじめとして幾つものバージョンの戯曲が書かれる。
泣く子も黙る警視庁の名物刑事・木村伝兵衛部長刑事のもとに、富山県警から若い刑事・熊田留吉が赴任してくる。
婦人警官の水野朋子を加えた三人が捜査するのは、熱海の海岸で幼馴染の山口アイ子を腰ヒモで絞め殺した大山金太郎の事件だ。
熱海で工員の男が同郷の女を殺したという単純な事件を、刑事たちがそれぞれの美学を犯人に押し付け、
世間が注目するような大事件に仕立て上げようと動機を捏造していく。
いかにして三流殺人犯の大山金太郎を一流の殺人犯に仕立て上げるのか。
人間の尊厳を賭け、露悪的な笑いの中で権力がいかに犯罪を仕立てあげるかを描く。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2021年12月16日
14時00分〜
上演時間120分(途中休憩なし)
価格2500円 平日昼割 全席自由

チケット購入方法

ホームページのリンクから辿って、CoRichで予約しました。
当日、現金でお金を支払いました。

客層・客席の様子

男女比は6:4くらい。
さまざまな年代の人がいました。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・シリアス
・にぎやか
・華やか

観た直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

つかこうへいの名作。1974年の岸田國士戯曲賞受賞作品。今までず〜っと意図して避けてきてて、一度も観たことがなかった作品。先日観た扉座の「ホテルカリフォルニア」でもモチーフとして登場していたし、何となくそろそろ観てもいいかな、と思い立つ。(熱海殺人事件観たことない、と言うのがちょっと恥ずかしくなってきた、というのもある。)目に入った、(東京都)北区のカンパニー。以前に二作ほど、「さよならブルマー」というシリーズを観た、あサルとピストルの三浦佑介が演出しているので、観劇を決めた。

殺人事件といいつつ…ただの殺人事件じゃないし、ましてや推理モノでもないとは聞いていたけれど、こんな話とは思わなかった。ストーリーについては、もう既にあまた、語られているのだろうから、省略するとして。作品紹介に「国家権力が犯罪を仕立て上げていく」っていう風に書かれているけれど、私には60年代の高度経済成長にもてはやされた「金の卵」なんて言う言葉が、70年代に入ってどういう悲しみを産み出したのか…という話に思えてくる。田舎と都会の断絶と、そこに巣を張る人間の愛の物語、という方が解釈としてはしっくりくるように思う。部長の衣装がタキシードなのも、国家権力というより得体の知れない力、と解釈したくなる。一般的にはどう解釈されているのか気になる。

北区版、迫力がすごい。殆どセリフは叫ぶのに近く発せられる。カットインする照明と、大音量の音響の中で語られる物語。…勝手な想像だけれど、70年代の演出も今日観たものと、大きく違ってはていないのではないかな、とも思う。2021年に演じられるバージョンを見ても、80年代の演劇に影を落としたんだろうなぁ、なんて事を想像してしまうのが面白い。でも、セリフに登場する単語以外は、古さみたいなものは感じない。ラストに近いところで、手向けるための花で殴りつけるところ。客席まで花が飛んできて、ちょっとビックリはした。

「熱海殺人事件」ひとまず一回観たので、機会があれば他バージョンも観て、比較したいな、というのを感じる。

気になった役者さん。時津真人、タキシード姿の妖艶な姿がとにかく印象的。何度か見た、池田成志バージョンの熱海殺人事件の舞台写真を思い出す。