<観劇レポート>演劇プロデュース『螺旋階段』「夢見る無職透明」
【ネタバレ分離】 演劇プロデュース『螺旋階段』「夢見る無職透明」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 演劇プロデュース『螺旋階段』 |
回 | 第33回公演 |
題 | 夢見る無職透明 |
脚本 | 緑慎一郎 |
演出 | 緑慎一郎 |
日時場所 | 2023/05/26(金)~2023/05/28(日) スタジオ「HIKARI」(神奈川県) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
演劇プロデュース『螺旋階段』は、2006年8月に小田原で結成した劇団です。
2006年小田原にて。
居酒屋にて緑慎一郎、田代真佐美、上妻圭志、三春瑞樹の 四人で集まり劇団をやることを決意。酒の勢いで最初は 「マッチ小屋」という名前だったが朝起きたらこれは駄目だと緑が演劇プロデュース『螺旋階段』に改名。
以後、年に二回のペースで公演している。 小田原を秋公演、横浜を春公演に現在は落ち着いている。 全て緑慎一郎が脚本と演出のオリジナル作品を上演。 2016年に演劇プロデュース『螺旋階段』十周年を迎えた。
過去の観劇
- 2024年07月26日 【観劇メモ】演劇プロデュース『螺旋階段』「氷は溶けるのか、解けるのか」
- 2023年12月03日 演劇プロデュース『螺旋階段』「小田原みなとものがたり~大漁めでたい編~」
- 2023年08月30日 演劇プロデュース『螺旋階段』「血の底」
- 2022年12月25日 演劇プロデュース『螺旋階段』「RAIN~改訂版~」
- 2022年05月07日 演劇プロデュース『螺旋階段』「静寂に火を灯す」 ・・・つづき
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
理不尽な理由で職場を解雇された40歳の柏木祐樹は途方にくれつつもこれからを漠然と考えていた。
朝早く起きることが必要なくなり失業保険で半年は食い繋げると面接もそこそこに夜な夜なネットドラマにどっぷり嵌り昼間に寝る日々を送っていた。
ある昼、柏木は夢をみる。それはサラリーマン時代に週二で通っていたスナックの夢だった。
夢の中ではとんでもないことが起きてはっと目が覚める、あまりにもリアルな夢だったので柏木はスナックを久しぶりに訪ねてみるのだった。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2023年05月27日 13時00分〜 |
上演時間 | 95分(途中休憩なし) |
価格 | 2500円 全席自由 |
観た直後のtweet
演劇プロデュース『螺旋階段』「夢見る無職透明」95分休無
うぉ〜すごい面白かったけど、何故が客席が静かで一人で笑ってたかも。ネタバレ要素強くあんまり書かないけど、要は爽快な人生賛歌!感覚的なふわっとした想いを、スナックのリアルさで描くのいい。別瓶にトリス、あるある笑。超オススメ!! pic.twitter.com/EXOHd4DdlZ— てっくぱぱ@観劇垢/1 (@from_techpapa) May 27, 2023
満足度
(5/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
ブラックな企業で働く男が、理不尽な理由でリストラされた。家でNetflixを見る位しかやることが無い中、気が付くと、上司に連れて行ってもらってその後出入するようになった「スナック」の店での、リアルな様子の夢(とおぼしきもの)を見る。麻薬の密輸を目撃して撃ち殺されたり、お気に入りのホステスと結婚することになったり、、、、夢なんだか現実なんだか、実はよく分からない。その中で時折あらわれる、元上司。リストラにあったけれど、どこか人生を励まされる。そんなお話。
計4回。スナックでの時間が、(おそらく)夢としてループする。開店前のスナックにママか入って準備していたら、馴染みの顔がどんどん揃っていく、夢。最初はタイムループモノかな、とか思うのだけれど、結局最後まで、明確な説明は特に説明は無い。ただ、上手のスペースから時折ふとんが出てくるので、おそらく「夢」なんだろうなぁ、と思う。そんなふんわりとした、でもとてもリアルなスナックの様子が描かれる。
内容的にはコメディ。私は結構クスクス・ケラケラ笑ってしまったのだけれど、状況説明が殆どないので、客席は鳩が豆鉄砲なのか割と静か。スナックのママが、「響」(うろ覚え)の瓶にトリスのお徳用ボトルの内容を詰め替える様にケラケラ笑ながら、全体としてはコメディテイストに描かれるスナックの様子。
ラスト、「たとえリストラされたって、時折スナックの事を思い出し、飲みに行って楽しむことはできる。」と、元上司。スナックで歌われる曲にのせられながら(SEBの「NIGHT OF FIRE」とか、ウルフルズの「ええねん」とか)も手伝って、フワフワした物語なのに、何だか人生賛歌というか、ものすごく励まされたような気分。「励まし」のボールをスナックのリアルな描写と、抽象的な時間軸で投げつけてくる感覚。観終わってとても清々しくて。ルンルンしながら帰路につく。そんな作品たった。
緑慎一郎の書く脚本はもう何本も観ていて、人情ものから史実を基にしたものまで、バリエーションは様々だけれど。こんな変化球を投げてくるとは思っていなかったのもあり。驚き。
スナック描写がリアルな中、木村衣織のセクハラをかわすホステス役と、スナックのママの田代真佐美のパラバラを流すリモコン動作、リストラされて 「NIGHT OF FIRE」を熱唱する根本健が印象に残り。