<観劇レポート>コココーララボ「コココーラ」
【ネタバレ分離】 コココーララボ「コココーラ」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | コココーララボ |
題 | コココーラ |
脚本 | 荒悠平 |
演出 | 荒悠平 |
日時場所 | 2023/07/21(金)~2023/07/29(土) こまばアゴラ劇場(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
コココーラ ラボとは
荒悠平、松田弘子、山内健司 、加藤仲葉による作品制作の研究所です。 メンバーはそれぞれ、ダンス、翻訳、俳優、マネージメント、合唱、 考現学など様々な背景を持っています。演劇作品を作り上演するとはどういうことなのかを改めて見つめ直してみようという試みです。2020年より小原花、朴建雄が新たに加入し、これにより仏語教育、ドラマトゥルクなどの視点が加わりました。コココーララボでは、荒悠平が書いた戯曲『コココーラ』を上演するまでの間、企画の立ち上がりから上演までの取り組みを考えたり、疑ったりします。
お客さんにも、解体し組み立て直す様子を共有してもらえたら楽しいのでは、と、その様子をアーカイブする事にしました。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
昼間の公園で中年の男女が話をしている。
ふたりは友人で、ふざけ合ってばかりいる。
男の妻は入院中で、これからお見舞いに行くところらしい。
何かを待つわけでもなく、何かをするわけでもなく、ただ時間を過ごしている。なんにも起きないけど大事なおはなし。
* * *
制作過程を公開するコココーララボでは、公演前に戯曲を公開します。
公演を見る前に読んでいただくこともできるので、楽しみにお待ちください。
『コココーラ』台本近日公開!
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2023年07月26日 19時00分〜 |
上演時間 | 105分(途中休憩なし)$$ |
価格 | 4000円 全席自由 |
観た直後のtweet
コココーララボ「コココーラ」105分休無
劇団初見。評判いいので来てみた。ん〜面白いけど、同時に、しっくり来ない不自然さ、みたいなのも強く感じて、どうしたものかと思いながら観た。会話をえがいてるようでそう言う訳じゃないとか、この2人の関係って成立しうるものかなぁとか。ちょっと歯痒い。 pic.twitter.com/mnFf4xTfIT— てっくぱぱ@観劇垢/3 (@from_techpapa) July 26, 2023
満足度
(3/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
ストーリーは、事前記載の通り。公演。芝生や、野球グランドのような白い線、市民の運動用なのか、ストレッチ器具にも遊具にも見えるものが置いてある。そこで話す、中年男女。男の妻は入院して、どうやら余命は長くないらしい。女は入院している妻とも顔見知りらしいし、男の娘とも面識があり、家族ぐるみで長い付き合いらしい。男は妻のお見舞いに行く予定なのだが、その前に女と会話して時間を潰している。そんな一時の会話の物語。
劇団初見。Twitterで評判が良かったので観劇を決めた作品だったが、期待値を上げ過ぎたか。つまらないという訳ではなかったけれど、何だか妙な不自然さが鼻についた作品だった。
男の置かれている心情みたいなものは、ある程度浮かび上がってくるので、理解は出来る。妻が死に直面して、冷静に受け止めつつも途方に暮れている。変な例かも知れないが、出産を控えた女性と男性でも、こんな風な「冷静に受け止める度合いの違い」みたいなものがあったりするように思う。ゆっくり近づいてくる死。それは、本来なら誰もが直面するけれど、「平均」とかから考えると、ちょっと早すぎる死の兆候。その心境を浮かび上がらせようとしているのは分かるのだけれど。
観ている中で、つい全体を俯瞰して観てしまう、とでも言うのか。この演劇自体がどうにも「やるせない感情を描くために設定されたもの」のような不自然なものに思えてしまう。・・・多かれ少なかれ、演劇の物語は都合の良い設定なのだから、世界に没頭できなかった・・・と一言で言ってしまえばそうなのかもしれない。極端にいうと「こういう悩みがあります」という「説明」をされているような感覚に近いかもしれない。実際、2人の会話、当初繰り広げられる「夢の話」は、取るに足らない会話として自然なのだけれど、後半になればなるほど、説明の要素が強くなる。男がトイレに行く中、女が指人形で男の境遇を説明するのは、正に「説明」が劇中に設定されてて、「男は本当にトイレに行きたかったのか」とまで思ってしまう。ユニット名にもなっている「コココーラ」の話も然り。
抱えている問題の深刻さと、それが、殆ど注目されない感情だという、描きたい対象の意図は理解出来るけれど、表現の仕方として、これでいいのかなぁみたいな、不自然さを終始強く感じて、どう捉えるべき物語なのかなぁと考えあぐねていた作品だった。
登場する男女。長い付き合いの2人のように思えるのだが、実際こういう関係ってどうやったら生まれるのかなぁ・・・みたいな事も考えてしまう。いわゆる「男女の友情」ってやつだとは思うものの、2人の関係の成立過程みたいなものが、どうにも想像できなかった。多分これは私の想像力と人生経験の無さ故かもしれない、とも思う。