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【観劇レポ】劇団クロワッサン「2000兆年」

#芝居,#劇団クロワッサン

【ネタバレ分離】 劇団クロワッサン「2000兆年」の観劇メモです。

初回投稿:2025年12月21日 20時34分
最終更新:2025年12月21日 20時34分

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名劇団クロワッサン
2000兆年
脚本舛舘奏楽
演出舛舘奏楽
日時場所2025/12/19(金)~2025/12/21(日)
横浜国立大学第一食堂下共用室3(神奈川県)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

劇団クロワッサンとは
劇団クロワッサンは横浜を拠点に活動する劇団です。

劇団クロワッサン

事前に分かるストーリーは?

ストーリー記載は見当たりませんでした

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2025年12月19日
18時00分〜
上演時間110分(途中休憩なし)
価格無料 全席自由

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。

感想(ネタバレあり)

劇団クロワッサン「2000兆年」

2024年。日本の別々の場所に住む七人。自宅に帰ると…全員が同じ部屋に入ってしまう。狭いワンルームに女性四人・男性三人の合計七人で期せずして同居することになった。扉を開けて外に出ると、扉を開けた人の住んでいる場所につながる、らしい。そして、全員が20代と比較的年齢が近いという共通点はあるものの、それが必然なのか偶然なのかはよく分からない。七人が、仲良くなったり派閥が出来たり、ひょんなことから過去を知ってしまったりするお話。

団体初見。第一回公演なので旗揚げかもしれない。横浜国大の劇団三日月座系の劇団だと思われる(まあ、公演場所からもそうだけれど)。不思議な感覚の作品で面白い。脚本家の筆力とセンスを感じる。物語、部屋が繋がってしまったのは何故なのか…というSF的な追及話は若干あるものの、七人は不思議とその状況を受け入れていて、その解決に大してそれ程熱心なわけでもない。その状況を受け止めた若い七人が、どんな人間模様を繰り広げるのか…という話がメイン。初対面の七人のぎこちない会話がとても納得感がり、また細かい笑いのネタなども多く、物語にぐいぐい引き込まれた。同じ部屋に集まってしまう設定は、なかなか失われない30年に似ている気もする。

同居する七人の人間関係。…劇中の言葉で言うなら四年前に終わってしまった「テラスハウス」のようでもある。ただ、この部屋にはいろいろと細かいギミックが(なぜか)仕込まれていて、「テラスハウス」という言葉を出すと、「ブー」というブザーと共に部屋が一瞬明るくなる。部屋が「恋愛禁止」と言いたい…ような気がするのだが、シチュエーションと同様に細かい説明は当然ない。男女七人。普通恋愛ものに発展すのが自然そうだが、そういう方向の話ではないという事なのだろう。それぞれが個性を出していくに従って、派閥だとか個人的な悩みだとかで、同居の住みづらさはリアルに醸し出してくる。

その中で、昔子役として活躍していてのを知られていた未里。合成する絶景の中を旅するNHKの番組だったよう。シーンの切れ目にモノローグのように挟まれる語り。語っている人の後ろを緑色の布が追いかけていくのだが、あれはその子役が番組の出演していた時のクロマキー合成なのだろうなぁ、というのに気が付く。後半からラスト、この七人がどうなってしまったのかはイマイチ歯切れが悪くよく分からない。

フワフワと雲の上を歩くような感覚。作品の解釈は様々に出来そうだが、このシチュエーションは何かのメタファーなのだろうなぁ。若い男女七人が、唐突に寝泊りを共にしないといけない状況って何だろう…みたいなことを考える。いろいろ思いつくのだけれど、正解らしきものにはたどり着けなくて。それでもフワフワした感覚が面白い作品。後半やラストにもう少し分かりやすい結末があると嬉しいなと思う。

途中、ミッ〇ーに似たバカでかいネズミが出てくる。著作権を回避するために、名前を呼んでもその発音が聞き取れない、という設定が面白い。あの〇ッキーの後ろにいたのが作者かなとふと思い。

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