観劇

【観劇レポ】コトリ会議「この上のない下水筒」

【ネタバレ分離】 コトリ会議「この上のない下水筒」の観劇メモです。

初回投稿:2026年06月16日 0時21分
最終更新:2026年06月16日 0時21分

公演前情報

公演・観劇データ

項目 データ
団体名 コトリ会議
この上のない下水筒
脚本 山本正典
演出 山本正典、原竹志
日時場所 2026/06/12(金)~2026/06/17(水)
アトリエ春風舎(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

2007年結成。
一生懸命になりすぎてなんだか変なことになっちゃった人たちの生活を
部屋のすみっこだったり銀河に浮かぶ惑星だったり所かまわず描いています。
おもしろいものが好きな劇団です。
2010年にspace×drama2010という演劇祭で優秀劇団に選んでいただきました。
ますますこの劇団の作品はおもしろくなるなと心密かに確信しながら
毎日動きつづける劇団です。

コトリ会議

過去の観劇

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

【あらすじ】
「偽善者はお茶からお茶っ葉だ。」朝倉くんが泣いて叫んだ。
あの日、中学校のゴミ拾い部の活動中に、私たちは知らない誰かのお母さんに「偽善者」と罵られた。動揺するしかない私たちを横目に、朝倉くんだけが立ち向かったのだ。肩から下げた水筒が、勇敢にカランと鳴った。しかし誰ひとり、彼の言葉を理解出来なかった…。

20年後。朝倉くんの身体が、目の前に冷たく横たわっている。私だけだと思ったら、ゴミ拾い部の懐かしい面々もいる。きっと皆んな、朝倉くんのあの言葉の謎を追い求めてやってきたのだ。
「偽善者は、お茶からお茶っ葉」
あの日、中学生の彼が言い切った言葉を、大人になった私はまだ噛み砕けないでいる。
肩から下げた水筒。顔も思い出せない朝倉くんを思い出す、長い夜が始まった。



第3回関西えんげき大賞にて最優秀作品賞・観客投票ベストワン賞をW受賞したコトリ会議が、第69回岸田國士戯曲賞最終候補に選出された劇作家・山本正典の新作戯曲を携え、久しぶりの大阪・東京ツアー公演

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目 データ
観劇日時 2026年06月15日
15時30分〜
上演時間 90分(途中休憩なし)
価格 3800円 全席自由

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。

感想(ネタバレあり)

この上のない下水筒

団体二度目。関西の劇団だが、こまばアゴラ劇場の閉館後、東京ツアーをしにくくなったらしい。5年ぶりに観る団体。前回観た作品も、感想らしき感想を書けないくらいに抽象的で、でもなぜか皆が心の中に抱えているものを言語化された感覚があったが…今回の作品も同様。前作に比べて比較的わかりやすい事柄を、ある種の抽象化をしてデフォルメを加えて物語にしている作品…だと私は感じたが、無数に解釈はありそうではある。

中学時代の「ゴミ拾い部」そこで中学生の頃に仲違いしたり、惚れ合ったりした仲が、30年…じゃない28年と3ヶ月ぶりに再開する。しかも、自殺した同じ部の部員の葬式の前日として。そこにはなぜか、楽天で頼んだ「仮の朝倉くん」が遺体とは別に居て、何か言いたそうだけれど言葉の数の分(料金がかかる…というセリフはなかったけれどそんなニュアンスで)存在する。28年後の暮らし向き。28年間抱えた想いはそれぞれで、みんな変わってしまっているけれど。でも、自殺した朝倉は、「ゴミ拾い部」の掟の通り「雨水を水筒に入れて飲む」のを卒業後も続けていたらしく、それ故に腹を壊して28年後に亡くなった…ということらしい。

…「ゴミ拾い部」というのがなかなかに絶妙で、そんな部は実在しないだろう…とい気もするし、でも、あっても良さそうな若い頃の共通項的な記憶の役割を果たしていて。野暮にもバッサリと言葉にして仕舞えば、それは若い頃にあった拘りだったり愚行だったりで。朝倉くんの自殺によって、蘇る28年前の記憶は、明らかに今の人生に影を落とすくらい重くて、同時にもう忘れ去ってしまったような儚さで。そんな後悔みたいなものを、28年間、ひょっとしたら大人になれず雨水だけ飲んで過ごしていた朝倉と、その「仮の」姿と共に、モワンとした後悔みたいな記憶を、なんとか形にしようと試みた…そんな物語に思えた。

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