観劇

【観劇レポ】演劇プロデュース『螺旋階段』「たとえばあの日のこと」

【ネタバレ分離】 演劇プロデュース『螺旋階段』「たとえばあの日のこと」の観劇メモです。

初回投稿:2026年07月05日 9時35分
最終更新:2026年07月05日 9時35分

公演前情報

公演・観劇データ

項目 データ
団体名 演劇プロデュース『螺旋階段』
創立20周年記念 第39回公演
たとえばあの日のこと
脚本 緑慎一郎
演出 緑慎一郎
日時場所 2026/07/02(木)~2026/07/05(日)
スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

演劇プロデュース『螺旋階段』は、2006年8月に小田原で結成した劇団です。
2006年小田原にて。
居酒屋にて緑慎一郎、田代真佐美、上妻圭志、三春瑞樹の 四人で集まり劇団をやることを決意。酒の勢いで最初は 「マッチ小屋」という名前だったが朝起きたらこれは駄目だと緑が演劇プロデュース『螺旋階段』に改名。
以後、年に二回のペースで公演している。 小田原を秋公演、横浜を春公演に現在は落ち着いている。 全て緑慎一郎が脚本と演出のオリジナル作品を上演。 一般社団法人神奈川県演劇連盟 代表理事を緑慎一郎は担っている。 2026年に演劇プロデュース『螺旋階段』二十周年を迎える。

演劇プロデュース『螺旋階段』

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

お前と一緒にロケット花火を打ち合って戦争ごっこをしたあの日のこと
あいつと有刺鉄線をゴム飛びのように跨いで大けがしたあの日のこと
あの子と初めて手をつないで帰ったあの日のこと
たとえばあの日のこと

演劇プロデュース『螺旋階段』20 周年記念公演『たとえばあの日のこと』は、特定の事件や物語を断定せず、「誰にでもあるが言葉にしきれない一日」を起点に立ち上げる新作である。
友情や家族といった関係性の中で、声にできなかった思い、届かなかった言葉、その後も静かに人生に影を落とし続ける時間に向き合う。
稽古場で俳優の身体や沈黙と交わりながら言葉を紡いでいく。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目 データ
観劇日時 2026年07月03日
19時00分〜
上演時間 110分(途中休憩なし)
価格 3500円 全席自由

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。

感想(ネタバレあり)

たとえばあの日のこと

ふたつの世界が交錯する物語。ひとつは、売れない漫画家。大家が家賃を催促する中、突然舞い込んだ仕事が…ある女経営者の自伝的な漫画を描く事。しかし女経営者が話す内容は、彼女の妹の事ばかり。気が付くと「外伝」的な内容の漫画ばかりだが。実際の妹とその娘が漫画家に抗議にやってくる。女経営者は実はかなりの悪で、妹やその娘にに保証人を押し付けたりしていた…という風景と。もうひとつは、妹の視点。既に老いて認知症が始まっていて、娘の事も覚えていない。お人好しが不幸して、客観的には不幸な人生だった…のかもしれないが、警察に捕まった姉が漫画家に描かせた自伝には、「ヒーロー」として描かれている…というお話。

緑信一郎の書く様々な物語の中で、過去の家族との陰影を引きずっている人を描くタイプの物語。物語の説明に「特定の事件や物語を断定せず」とあるが、過去作をいろいろ観ていると、どうにも作者自身の境遇を反映しているようにも思える。姉が仕掛けた「曇天」…は「円天」の詐欺事件を思わせるのもあるが、特定な事件を描いているのではないとしても、ある種の実体験かのようなざらついた感覚があるのは、過去作品と同様。漫画家を脚本家と置き換えるなら、これら一連の物語が、ある種の昇華行為だとも取れる。「人に騙される側」の視点での描き方は切れ味が鋭いのだけれど。

今回は「サイボーグ赤ちゃん」という漫画家が描く「ヒーローもの」の世界が並行して登場するのだが、どうにもこの部分が不自然。「闘う(戦隊モノ的な)ヒーロー」を下敷きに、色々なものをメタファーとして描く物語は沢山観てきたけれど、ヒーロー側の世界が滑稽だったりシリアスだったり、(例えバカバカしかったとしても)かなり巧妙に描かないと上滑ってしまうのだけれど、正にその上滑り状態にハマリ込んでいたように思う。前述の、家族の中でどうしようもなく巻き込まれてしまうことへの、ザラザラした感覚がいつもの通り鮮明なだけに、一連のヒーローものシーンがどうにもハマって来ないのが残念だった。

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