【ネタバレ分離】 ナッポスユナイテッド/AMUSE CREATIVE STUDIO「無伴奏ソナタ -The Musical-」の観劇メモです。

もくじ
初回投稿:2026年07月22日 0時03分
最終更新:2026年07月22日 0時03分
公演前情報
公演・観劇データ
| 項目 | データ |
|---|---|
| 団体名 | ナッポスユナイテッド/AMUSE CREATIVE STUDIO |
| 題 | 無伴奏ソナタ -The Musical- |
| 脚本 | 成井 豊 |
| 演出 | 成井 豊 |
| 日時場所 | 2026/07/17(金)~2026/07/26(日) サンシャイン劇場(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
「ワクワクドキドキしていたい」
ナッポスユナイテッドという名前には「パフォーマンスとアーティストの可能性を追求する集合体」という意味が含まれています。創造的な「パフォーミングアート」と良質な「アーティスト」をプロデュースすることによって、世界中に「ワクワクドキドキ」を伝播し、人と社会を幸せにしたい。真剣にそう考えています。
人との出会いを大切にしながら、自分たちが「ワクワクドキドキ」できるモノを信じ、提供し、感じてもらう。こんなにも身近に、人生を豊かに彩るものがあることを伝えていきたい。
そして、すべての劇場(Liveがある場所)が、毎日、人で溢れるような日が来ることを願っています。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
■Introduction
演劇集団キャラメルボックスの代表作として長年愛されてきた舞台『無伴奏ソナタ』。その世界観をミュージカルとして生まれ変わらせた本作は、2024年の初演で大きな反響を呼び、クライマックスでは喝采と涙に包まれる感動作として高い評価を受けました。原作は、「エンダーのゲーム」でネビュラ賞・ヒューゴー賞をダブル受賞したアメリカの作家、オースン・スコット・カードによる短編小説。すべての人間の職業が幼児期のテストによって決定される時代を背景に、音楽の天才として見出された男、クリスチャン・ハロルドセンの壮絶な人生を描きます。
脚本・演出・作詞は、舞台版も手掛け、数々の演劇作品を生み出してきた成井 豊。音楽は、元ピアノロックバンドWEAVERのボーカルで、現在はソロプロジェクトONCEとして活動する杉本雄治。そのほか、初演に引き続き、実力派のクリエイティブスタッフが再集結します。
音楽の天才として見入だされるクリスチャンには、『RENT』、『ヴァグラント』、『イン・ザ・ハイツ』などの話題作に出演が続く、平間壮一。クリスチャンの生活を監視するウォッチャーには、舞台版『無伴奏ソナタ』でクリスチャンを演じてきた多田直人(キャラメルボックス)。そして、ほかキャストに、宝塚歌劇団男役、そして劇団四季『ウィキッド』のグリンダ役や『ゴースト&レディ』のフロー役を経て、今後の活躍に期待が集まる真瀬はるか、『レ・ミゼラブル』に最年少コゼット役でデビューし、『笑う男』デア役、『キンキーブーツ』ニコラ役など、ミュージカル界を担う若手の1人熊谷彩春、ミュージカル『ヘタリア』シリーズで主演を務め、舞台『文豪ストレイドッグス』などの人気作に出演、ミュージカル『マタハリ』ピエール役など俳優として着実に成⻑を続ける⻑江崚行、『ミス・サイゴン』トゥイ役、『ビリー・エリオット』トニー役、こまつ座『泣き虫なまいき石川啄木』ほか、YouTube《クロネコチャンネル》を立ち上げ、クリエイターとしても活躍する⻄川大貴、阿佐ヶ谷スパイダースのメンバーでもあり、『ロミオ&ジュリエット』マーキューシオ役、『next to normal』ヘンリー役、など、幅広い役柄に挑み続ける俳優、大久保祥太郎らが出演。どうぞご期待ください。
■STORY
すべての人間の職業が、幼児期のテストで決定される時代。 クリスチャン・ハロルドセンは生後6ヶ月のテストでリズムと音感に優れた才能を示し、2歳のテストで音楽の神童と認定された。そして、両親と別れて、森の中の一軒家に移り住む。そこで自分の音楽を作り、演奏すること。それが彼に与えられた仕事だった。彼は「メイカー」となったのだ、メイカーは既成の音楽を聞くことも、他人と接することも、禁じられていた。 ところが、彼が30歳になったある日、見知らぬ男が森の中から現れた。男はクリスチャンにレコーダーを差し出して、言った。 「これを聴いてくれ。バッハの音楽だ……」
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
| 項目 | データ |
|---|---|
| 観劇日時 | 2026年07月18日 17時00分〜 |
| 上演時間 | 165分(休憩20分を含む)(80-休20-65) |
| 価格 | 12000円 全席自由 |
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
無伴奏ソナタ -The Musical-
オースン・スコット・カードの同名のSF短編を基に、演劇集団キャラメルボックス(以下、キャラメル)の成井豊が演劇化。キャラメルの作品として2012年、2014年、2018年と上演された後。キャラメルからは離れて、2024年にミュージカル化。その再演とのこと。作品をキャラメル創設当初の1987年に、同小説を原作にした別作品を成井豊は書いていて(「北風のうしろの国」というタイトルらしい)、同じ原作を基に2012年に再度演劇化した作品…とのことだが。いずれも観ておらず名前も知らずで作品初見。私が観劇から離れている時期にキャラメルがヒットさせた作品…という事か。
ストーリーは劇団紹介の通りだが、補足すると。クリスチャン・ハロルドセンは、メイカーを追われ運送ドライバーになるもピアノを弾いて捕まり指をすべて切り落とされる。農作業員として働きながら歌を歌い、歌を作り、今度は声を奪われ。そして取り締まる側…ウオッチャーとして生きることになる物語。
職業が幼児期に決められてしまう…という世界観が怖い。その世界で音楽を作る事だけを求められる「メイカー」が決まりを破ると、職を追われ指と声まで奪われるというのもまた怖い。社会が変な方向に進めば、こういう事が起こる可能性がある…直接的ではないにしても同様の事が起こるという、SFが提示している現実としてのアナロジーも「怖さ」を煽ってくるのだけれど。
同時に、クリスチャン・ハロルドセンが音楽を奪われたときに、音楽…いやもっと広い意味での「表現」とどういう風に向き合うかの…というある種の希望の物語にも見える。あるいは、作者自身が「表現」というものに対する想いを、クリスチャン・ハロルドセンの行動にのせた物語とも言える。ともすると「表現者」視点をかなり強く織り込んでいるので、脚本自身の自意識を感じすせにはいられない。下手をすると、自意識に取り込まれた物語になってしまいそうだけれど、SFを原作にしている事もあり、カードと成井豊と二人のフィルターを通していることもあり、自意識の存在が薄まっているのが丁度良いのかもしれない。そんな「作者の自意識」を意識すると、キャラメル創設直後に上演した「北風のうしろの国」という作品が、どんな作品だろうとちょっと気になってきたりもする。(パンフレットの成井豊の挨拶によると、成井豊自身、今読むと赤面モノ、との事だけれど)。また、SF短編を原作にしているというのもあり、成井豊の名作「広くて素敵な宇宙じゃないか」、同名作「ディアーフレンズ,ジェントルハーツ」の中で出てくるスティーブン・フォスターの最期のエピソードを思い出したりもする。
元々が短編集というのもあり、3つのシーンを直列に配置した感が否めないのは仕方ないとしても、特に2幕、ブドウ農園のシーン。三度目の罰は「聴力」を奪われると予想していたので…声を奪うとは意外だったけれど、いつかは見つかって罰を受けると知っているクリスチャン・ハロルドセンの覚悟を観て涙した。
ミュージカルとしては、耳に残る曲が皆無だったのが残念。加えて「音楽」が作品のテーマの中心になっているのを考えると…エア演奏が多いのもちよっと残念。まぁ、なかなかあそこまで楽器を演奏できる役者さんというのも難しいのは分かるのだけれど…。劇団四季退団以来、真瀬はるかを初めて拝見。パンフレットにも解説があった通り、「ウィキッド」のグリンダ様に恋して、「ゴースト&レディ」のフローに泣かされた身としては、1幕前半にメインの登場が集中しているのが中々に贅沢な布陣だなぁと思う。


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