<観劇レポート>東京デスロック「Anti Human EducationV ~Teens Revenge Edit.~」

#芝居,#東京デスロック

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 東京デスロック「Anti Human EducationV ~Teens Revenge Edit.~」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名東京デスロック
寄宿生活塾 はじめ塾×東京デスロック
Anti Human EducationV ~Teens Revenge Edit.~
脚本多田淳之介
演出多田淳之介
日時場所2021/07/17(土)~2021/07/18(日)
スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

多田淳之介を中心に2001年より活動を開始。
2006年までは多田の作劇による「死に代表される、人間が逃れられないもの」をモチーフにした作品を発表、以降多田は演出のみを担当し、古今東西の戯曲の上演、所謂戯曲を使用しない演劇作品を上演する。

2007年には青年団内のユニットとして活動。
2008年度より3年間、埼玉県富士見市民文化会館キラリ☆ふじみのレジデントカンパニーとして活動。主宰の多田は2010年4月より、同館の芸術監督に公共文化施設の演劇部門では国内歴代最年少で就任。

2009年より東京公演休止を宣言、富士見市を中心に国内外の地域での活動を展開する。
2011年度より「地域密着、拠点日本」を宣言し、各地域でのワークショップなどのアウトリーチ、地域のアーティストとの合同公演など、地域に根ざす劇場、カンパニーと共に地域の芸術活動を推し進める。東京以外の国内外16都市30公演を経て、2013年1月4年ぶりに東京公演を行う。

シェイクスピアなど古典戯曲の上演では、音楽にはJポップを使用し、「ロミオとジュリエット」をだるまさんがころんだで、「マクベス」をイス取りゲームで構成するなど、大胆な演出で現代と古典を繋ぐ。時に激しい動きによる疲れや、アイマスクによる目隠しなど、俳優の身体にかかる負荷を取り入れる。
2011年の東日本大震災以降は、客席を設置せず舞台との区分けを無くし対観客、観客同士のコミュニケーションなど、観客の「観る身体」を作品に取り入れ、現代、現在を生きる人々をフォーカスしたアクチュアルな作品空間を創造する。

2011年5月にはフランス ジュヌビリエ国立演劇センターでのFestival TJCC に招聘。
2009年より韓国ソウルのソン・ギウン氏が主宰する第12言語演劇スタジオとの共同製作を毎年行い、2013年にはDoosan Art Center と両劇団の共同製作による、1930年代の日帝時代の朝鮮を背景にした『가모메 カルメギ』(原作アントン・チェーホフ「かもめ」/翻案・作 ソン・ギウン/演出 多田淳之介)が韓国で最も権威のある東亜演劇賞(第50回)にて作品賞、演出賞、視聴覚デザイン賞を受賞。演出の多田は演出賞を外国人演出家として初受賞する。

東京デスロック

過去の観劇

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

コロナ禍の教室を万全の感染症対策と共に再現したパンデミックエディット、リモート授業を模したリモートエディットと、常に現在進行形の“教育”から現代の人間像を描き続けるAnti Human Educationシリーズ。第5弾となる今作は、昨年3月に最終リハーサルまで進みながら公演中止となった幻の“ティーンズエディット=子供たちが作る大人たちに体験して欲しい授業”をリベンジエディットとしてリクリエーション上演!!!
未曾有の感染症禍を生きる子供たちが、今、大人たちに届けたい“体験”とは!?

【寄宿生活塾 はじめ塾】
神奈川県小田原市にある寄宿生活塾。さまざまな関係性を学び、生きる力を身に付けていく夫婦小舎制の民間教育の場として誕生した。「生活」にはすべての教育的要素が含まれているとの考えから、寄宿塾という形態をとっており、日常生活と学習活動をベースに、農作業や能楽など多彩な活動を展開。現在は不登校になった子も含み、自立した生き方を模索して入塾する子など15人ほどの寄宿生が共同生活を送り、自宅から通う子たちもいる。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2021年7月17日
14時00分〜
上演時間120分(15分の休憩含む)
価格2000円 全席自由

チケット購入方法

劇団のホームページから、チケットかながわで購入・カード決済しました。
セブンイレブンで予約番号を伝えて、チケットを受け取りました。

客層・客席の様子

年齢層は子供から大人まで様々でした。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・にぎやか
・ハッピー
・考えさせる

観た直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

土日はあまり観劇をしない私。この日は横浜周辺なら観劇できるな、と思い、劇場スケジュールを見ていたら、HIKARIに「東京デスロック」の文字を発見。昨年観た「外地の三人姉妹」が良かった。チケットも安いし、まだ手に入ったので、あまり内容を把握せずに予約。Anti Human Education・・・非人間的教育、だろうか。きっと「外地の三人姉妹」のように硬派な演劇なのかな・・・と思ったら、さにあらず。

事前のストーリーの記載の通り、子供たちとワークショップ形式で作り上げている演劇。思っていたのと全く違ったので、かなりビックリはしたものの、全く見たことがない演劇のスタイルで、面白かった。とても幸福な時間だった。

子供たちが主役の舞台。作られた創作の背景の理解が必要だろうな・・・と思っていたら、中西理氏がここに背景らしきものをまとめていたので、参照させてもらった。

学校を模したセット。チャイムの音と共に、「朝の会」から始まる演劇。プロジェクターに投影された説明や映像とシンクロしながら進む舞台。4チームに別れた演劇。1時間目が「面白い授業を受けたいチーム」、2時間目が「裁判チーム」、3時間目が「チーム This is me」、4時間目が「大人と話し合いたいチーム」。

子供たちが主役の舞台。小学校低学年くらいの子もたくさんいたけれど、他者にみせる舞台作品としてしっかりと成立しているし、作る側の子供たちも、それを楽しんでいるのがこちらに伝わってくる。

客席の一人一人にホワイトボードが配られ、所々で舞台の出演者から質問が出されて、それに書いて答える。「自分の性格はどう思うか」や「嫌だった校則は?」とか。インタラクティブに進む舞台。

・・・おそらくそれぞれの子供たちのチームと、東京デスロックのメンバーのファシリテーターとが、子供たちからのテーマの提起からはじめて、ワークショップを繰り返しながら、1つの演劇を作り上げていったのかと想像する。観ていると、その「作る過程」の方に、むしろ興味を惹かれてしまう。劇中、映像での紹介等があったわけではないが、本番の舞台にたどり着くまでの過程に思いを馳せながら、元気な子供たちを観ている、そんな舞台だった。