<観劇レポート>吉祥寺GORILLA「溺れるように走る街」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 吉祥寺GORILLA「溺れるように走る街」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 吉祥寺GORILLA |
回 | 吉祥寺GORILLA第4回公演 |
題 | 溺れるように走る街 |
脚本 | 平井隆也 |
演出 | 平井隆也 |
日時場所 | 2021/12/09(木)~2021/12/12(日) 劇場HOPE(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
吉祥寺 GORILLA とは、主宰・平井隆也、平井泰成、中村緋那子という成蹊大学劇団円想者の卒業生3人と後輩の山下真帆による演劇団体。東京・吉祥寺をメインに活動しているが、公演会場は別の町ばかり。
旗揚げ公演『くるっていきたい』では女子プロレス団体の興亡を描き、第 2 回公演『グロサリー』ではスーパーを中心に起きた殺人事件をテーマに無自覚な罪を描いた。第3回公演『誰か決めて』で太宰治『人間失格』をモチーフに現代の若者を描き、劇場動員300名以上、配信チケット100枚以上を記録した。
作品の特徴としては、辛い状況に関して投げ出してしまえば楽になる人間が、自意識や真面目さゆえに狂いきれない姿を描く。過去と現在の対比を用い、後悔と未来への希望を混ぜた作品を描くことが多い。また、多くの現場で勉強をした知識と経験を活かし、作品作りを行う。演劇は、あくまでも俳優と一緒に作るものだと考え、俳優から出たアイデアを積極的に取り入れる。
過去の観劇
- 2022年09月10日吉祥寺GORILLA「夜鳴く鳥は朝に泣く」
- 2021年07月10日吉祥寺GORILLA「誰か決めて」
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
自分には何が出来るのだろうかと私は悩んでいた。
眠れない日々が続いた。
夜に散歩をすることが日課になった。
そんな時、姉に勧められた深夜ラジオを思い出す。
ある番組を聴き始める。
ここから街の人々の運命が動き出す。笑いたい時も辛い時も声を出せないあなたに贈る
深夜ラジオをテーマにした群像劇「今日も私は眠れそうにない」
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2021年12月10日 14時00分〜 |
上演時間 | 90分(途中休憩なし) |
価格 | 3200円 全席指定 前半割対象 |
チケット購入方法
CoRichのホームページから予約しました。
当日、Suicaでお金を支払いました。
客層・客席の様子
男女比は5:5くらい。
さまざまな年代層のお客さんがいました。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・泣ける
・笑える
・会話劇
・ラジオ
観た直後のtweet
吉祥寺GORILLA「溺れるように走る街」90分休無
お笑い芸人が作るラジオ番組を取り巻く群像劇。ラジオを舞台でって割とあるあるだけど、魅せ方が超絶上手い。個々のキャラクターも印象的な人多くて飽きなかったけど。群像劇としては、ちょっと悩みがステレオタイプというか、観念的な気がしたのが残念。 pic.twitter.com/QqtcM6NcfF— てっくぱぱ (@from_techpapa) December 10, 2021
満足度
(3/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
お笑いコンビ「ダブルマインド」のラジオ番組をめぐる物語。コンビの櫻井が売れかかっていて、小林はどこか思い詰めている様子。いつものような放送。終わったところで、コンビを解散しようという、小林。そのラジオ番組の放送作家やプロデューサーのスタッフ、聴いている人や、解散を決めた2人の代打を務めるお笑い芸人や、、、そんな人々の群像劇。
演劇としてラジオ番組を作る設定って割とあるあるだけれど、番組そのものの再現のし方が魅力的。出演者が「お笑い芸人」っていう設定なのも良いのだろうけれど、2人のトークと、お便りの内容が、そのまんま、22時過ぎのニッポン放送って感じ。舞台で、私にとっては懐かしいあの感覚を味わえるのはた、まらなくよかった。劇中の言葉通り、オールナイトニッポンや、(まだニッポン放送の番組を担当していた頃の)伊集院光の番組をふと思い出したりした。
特に、櫻井役を演じている、川上献心の演技が印象的。あれ?この人ほんとにお笑い芸人だったのかな、なんて事を思う。観ている途中で、モノローグ演劇祭に出ていたのを思い出したけど、その時の感想にも「お笑い芸人っぽい」って書いているので、こういう役がハマる役者さんなのかもしれない。その横で放送中は声を出さずに笑っている、構成作家役の魔都も、あーこんな人居そう!って感じでリアル感がある(実際の構成作家に会ったことがないので、本当にリアルかどうかはよく分からないけれど)。
そんな、ラジオ番組を巡るちょっと懐かしい感覚、は十二分に思い起こさせられたものの。群像劇として語られる悩みは、ちょっとありきたりなステレオタイプで、観念的な感じ。麻痺しちゃったお姉ちゃんが妹に書く手紙とか、お笑いコンビの解散と解散取りやめとか、出演している人々が意外に近い関係だったりとか。ちょっと「よく出来過ぎた物語」な感覚な否めず。ステレオタイプな物語だからこそ、ラジオな感覚、を思い出した部分はあるのかもしれないけれど。物語の部分にはどうも入り込めず、ただ「ラジオな感覚」を楽しむ物語になってしまったのが残念だった。