<観劇レポート>中野坂上デーモンズ「死んだと思う」

#芝居,#中野坂上デーモンズ

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 中野坂上デーモンズ「死んだと思う」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名中野坂上デーモンズ
中野坂上デーモンズ 第20回
死んだと思う
脚本松森モヘー
演出松森モヘー
日時場所2022/01/10(月)~2022/01/16(日)
OFFOFFシアター(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

ENBUゼミナール2011年ノゾエ征爾クラス在学中、松森モヘーを中心とした演劇のチームとして発足。
2012年、劇場旗揚げ公演を前にチーム内での確執・裏切り・陰謀・争いをへて現在の形となり本格的に始動する。

2020年、中尾仲良・安藤安按が加わり8年の期間を経て「劇団化」した。
全てを出し切り「何かはわからないが業の深いもの」を生み出すスタイルは唯一無二であり、見るものを謎の感動と不快感へと引きずり込むが、何も感じない人もいる。

近年は、高速で会話やコミュニケーションをおこなう完成度を追い求めたり、常軌を逸するほどの大きな声をだしたり、「演劇」という行為自体を問う「演劇」を主題に活動を続けてきた傾向がある。その過程で生まれた作品の特徴として「混沌」や「祝祭性」を挙げられることが多い。
また劇場のみならず、様々な音楽イベントやコンクール・フェス等にも積極的に出演する。

中野坂上デーモンズ

過去の観劇

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

【ご挨拶】

変な芝居を作り続けていたら10年がたってしまいました。しかも売れないまま。これ以上進むかどうか。続けるか、辞めるか、生きるか、死ぬか、ぎりぎりで迎える10周年。でも観ていただくならばそのぎりぎりの瞬間が一番見ごたえあると思うんです。瀕死の絶滅危惧種「中野坂上デーモンズ」のぎりぎりの命の灯を“超”軽い気持ちで観にきて欲しい。お客様はそれを“超”他人事として傍観する権利があると思うんです。そして私たちにはぎりぎりを見せる義務がある。ひとりでも多くの方に、本当にひとりでも多くの方々に観に来て欲しい十周年記念公演。10年目の0からスタート、劇団員のみで4人芝居。生きるか死ぬかの物語です。ぎりぎりの生き物がみせる見たことのない表情をぜひっ

劇団代表 松森モヘー

【あらすじ】

「つんつるてんてこぺん」というコンビを10年続けてきた福と晴美は、晴美の彼氏・椿丸から結婚を理由に手切れ金10万で解散してくれと土下座される。100年続く和菓子屋を継ぐか「つんつるてんてこぺん」を続けるかに揺れる晴美。そんな中、福の兄・善次郎が10年振りに妹の元へと現れた。(注:内容は大きく変わることがあります)

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2022年1月12日
19時00分〜
上演時間90分(途中休憩なし)
価格1500円 全席自由

チケット購入方法

劇団ホームページからのリンクで、予約をしました。
当日、受付で現金でお金を支払いました。

客層・客席の様子

男女比は5:5くらい。
若い人から50代upまで、いろんな年代の客層がいました。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・泣ける
・笑える
・会話劇

観た直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

10年間コンビを続けてきた、女漫才コンビ。結婚する彼氏が、手切れ金を持ってきたかと思えば、音信不通だった兄が現れ。でも実は、彼氏は女から脅迫されて「彼氏役」をやっているだけ…と言い出したり。何が現実か、何が虚構かもよく分からないままハイスピードとリフレインで続く会話劇。

中野坂上デーモンズ、3回目の観劇だろうか。ハイスピード。撃つような速度でセリフが出る会話劇…というのは、今回も変わらず。今までの作品と違うのは、劇団員の4人だけの作品である事。これまでの2本では、客入れの誘導をしていた作演出の松森モヘーが出演する舞台。ブリーフ1枚で、尿瓶を持って歩く。どこか社会不適合な感じの兄。でも、集まってきた4人は、4人ともどこか閉塞感が漂う、妙に行き詰まった感覚。

10周年。「銃」「10進法」。ここかしこに登場する「10」というキーワード。女漫才コンビ「つんつるてんてこぺん」も、結成10年で解散を考える。じゅう、が暴発したのか何なのか、死んでしまった母さんの遺体も一緒に、家の下に埋める。けど堅くてシャベルが入らない。中野坂上デーモンズも10周年。やっぱりどこか、重ねて観ずにはいられない。「10周年おめでとう」というのが普通な感覚だけれど、そんなお祝いムードとはちょっと無縁。どちらかというと、レクイエム。焦燥感と共に語られる、早口のレクイエム。そんな印象を受ける。

とはいえ。死体を埋める土には、シャベルは入らず。埋めちゃったらそのまま住まないといけない、とか言ってる(埋めた後そのまま逃げればいいのに、と思ってしまった私はズレているのかな)。首には爆弾が仕掛けられてるし、母ちゃんは気がついたら崩れちまった。10年。区切って一度、レクイエムは奏でるけれと。終わらす気もない。終われもしない。…すごく感覚的な捉え方をしてしまったけれど、そんな劇団員だけの、中野坂上デーモンズならではの、10周年の寿ぎのような、そんな印象を受けた舞台だった。