【ネタバレ分離】 カレーカレーグループ「緑が丘」の観劇メモです。


もくじ
初回投稿:2026年06月26日 23時09分
最終更新:2026年06月26日 23時09分
公演前情報
公演・観劇データ
| 項目 | データ |
|---|---|
| 団体名 | カレーカレーグループ |
| 回 | カレーカレーグループ 第5回公演 |
| 題 | 緑が丘 |
| 脚本 | 鹿内聡 |
| 演出 | 鹿内聡、山田陣之祐 |
| 日時場所 | 2026/06/26(金)~2026/06/28(日) あさくさ劇亭(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
カレーカレーグループとは?
山田陣之祐と鹿内聡による演劇を上演するグループです。
主に鹿内の脚本を上演しています。
2022年『かたまらない!』で旗揚げ。
コンセプトなどはありませんが、
見た人に前向きな気持ちになってもらったり、時々思い出してもらえたりするのが目標です。
事前に分かるストーリーは?
こんな記載を見つけました
「これが このまちで見る 最後の夢」
千葉県のとある街。
母が体調を崩したので、関西にある実家に帰るように言われたはるかさん。
高校を卒業したあと、逃げるようにやってきたこの街で、
はるかさんはお世話になった人達にちょっとした贈り物をして回ることにします。
「カレーカレーグループ」とは?
2022年結成。山田陣之祐と鹿内聡による
演劇を上演するグループです。
ときどき思い出してもらえるような演劇を作るのが目標です。第4回公演『魔法部』(2025)にて、
劇作の鹿内が「第12回 北海道戯曲賞」大賞を受賞。
( https://haf.jp/gikyoku.html )
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
| 項目 | データ |
|---|---|
| 観劇日時 | 2026年06月26日 19時00分〜 |
| 上演時間 | 85分(途中休憩なし) |
| 価格 | 3000円 全席自由 |
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
緑が丘
高校を卒業して、母と仲違いして半ば家出同然で上京した女。アルバイトを中心に知り合った人々。元カレ。でも、不眠に悩まされていて一時期薬に頼ったり。そんな折母が倒れ、兄が実家に帰って来て欲しいと言う。そこで、東京…あるいは千葉で知り合った人々に挨拶と、ちょっとした贈り物をするが…どこか話が噛み合わないまま。それでも感謝は忘れない女。明日はいよいよ帰省。電車の中で寝てしまったら…東京で知り合った人が地下鉄?の駅構内で皆閉じ込められていた。地上に出ようとしても出れない。むしろ上に登れば悪い空気が降りてきていて死んでしまう。女は出口を見つけるために、同じく閉じ込められた元カレの今カノ…初対面の女と、下に降りていく…と強引にまとめるとこんなお話。
団体初見。やっと観れたよカレーカレーグループ。最初劇団名を聞いた時に「加齢」と勘違いしたが、香ばしい方のカレーで(方なのか?)、「加齢」とは似ても似つかないとても若い感覚の団体。確かに若いのだけれど…それにしても随分と内向的な物語だなぁ…久々にこんな内向的な物語に出会ったなぁ…というのが個人的な印象。(側から見るとひょっとしたら)何の取り柄もない女。周囲の人と会話すれば会話する程、親しくなっても溝が深まるような不思議な感覚。上京して来たが故に寂しさもあるが、でも実家に帰りたいわけでもない。でも、上京して…そして千葉の船橋に引っ越して、ここで求めている幸せって何だろう…と言う問いにも、特に答えがあるわけでもない。どこまでもディスコミュニケーション。東京で出来た(男)友達との会話が、どこまでもトゲトゲしいのと。
後半、突然駅の中に閉じ込められる所からは、明確に説明があるわけではないが…女が見た夢の中。ある種の不条理劇的展開。そこで初対面の"元カレの今カノ"は、「下に降りていけば出口は必ずある、保証する…」と言う。…まあ、人は誰だって最後に死ぬのは必須だから出口はあるのだろうけれどさ。サルトルの「出口なし」をちょっと思い出したりしながら、でも降りれば降りるほど暗い。一緒にいた今カノは、気がつくと居なくなり、舞台は真っ暗。人は死ぬ時は誰だって1人だよ…なんて言葉が頭をよぎったら…今カノが、主人公の女が元カレにあげた洋菓子の缶を突然持ってくる。缶から放たれる光…まぁ女が元カレにあげた別れの「プレゼント」だけれど…は、死を思わせる場所でも、むしろ明るく光ると言うことだろうか。なんだか仏教的な価値観をふと感じてしまう私だけれど。
他人に興味があるようで無い現実とか、「ここではない何処か」に希望を求めてしまうこととか。孤独や閉塞感を怖いくらいに的確に描いている。でも同時に、ラストの洋菓子の缶に希望を照らされるとしても…それだけを描くんじゃ、演劇としては余りにも寂し過ぎやしないかなぁ…と、私自身の演劇の好みにも照らし合わせて切に感じる。ある種の「一日一善」的な、日本船舶振興会か…的な安直さでも言うのか(多分、日本船舶振興会…をこの世代は知らないだろうけれど)。今の若い人は「こんな不安への共感」が必要なのかなぁ……みたいな事も、アラフィフのオジサン視点ではちょっと憐れみさえ感じてしまう。台詞の持つ表現力は凄いなぁと思いながらも、同時に一抹の内向的な寂しさを覚える作品だった。

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